串田和美が記憶が80分しかもたない数
学博士に 脚本・演出は加藤拓也、舞
台『博士の愛した数式』の上演が決定
[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──。
主人公である「私」は、 ある初老の男性「博士」の元へ家政婦として派遣される。「博士」とは、 交通事故の後遺症で記憶が80分しかもたない元大学教師の数学博士。彼の「私」への第一声は、「君の靴のサイズはいくつかね?」だった。 数字で物を語る博士に、 初めは戸惑う「私」だが、やがて安らぎを見出していく。
ある日、「私」に10歳の息子がいることを知った「博士」は、一人で留守番している息子を、学校が終わったら「博士」の家に向かわせるようにと「私」に告げる。「博士」は、息子の頭がルート記号のように平らだったことから、息子を「ルート」と名付けた。
こうして、「博士」と「私」、そして、「ルート」との、 やさしく、穏やかな生活が始まった。
「博士」役:串田和美 コメント
そしたら、加藤くんもこの作品が好きで、やったことがあるって聞いて、だったら、いつか一緒にやりたいねって話して……それがこうして実現して嬉しいです。
まだ若かった加藤くんがいきなり僕に電話をくれて、それなら会わなきゃ行けないねって、吉祥寺で待ち合わせをしました。そこには、かわいらしい顔の男の子が立っていて、「あれ? 君が加藤くん?」と(笑)それが加藤くんとの始まりでした。それからたくさん話をして、そして一緒に仕事をしました。ワークショップで松本に来てくれた時、加藤くんが「串田さんが松本に居るの分かる気がする」と松本を好きになってくれました。そんな加藤くんと、松本でどんな稽古になるのか、どんな舞台になるのか、今からとてもワクワクしています!
『博士の愛した数式』は数年前に一度上演しました。小川洋子さんの柔らかな言葉と、思いがけない毒と、この小説のことが好きだったからです。水面に波を立てないように手を入れ、底から血液を拾う、そんな言葉達が好きになりました。そんな話を稽古中に串田さんにすると、串田さんもこの小説が好きだと言っていました。その時にもう一度やりたいと思いました。串田さんを博士で、串田さんと初めて会った時の、あの少し照れているような仕草と眼差しが博士なんだと思ったのです。そして演奏は谷川さんにお願いしました。俳優を見ながら音楽を作る、そして小川洋子さんの言葉に寄り添える人はこの人しか居ないと思ったからです。
この作品を上演できることが本当に嬉しいです。是非観に来てください。
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