尾上右近が描いた和傘のオークション
落札額、岐阜和傘協会“後継職人育成
プロジェクト”に全額寄付へ
(左より)一般社団法人 岐阜和傘協会 平野明宏 代表理事、尾上右近、藤浪小道具株式会社 野村哲朗 代表取締役社長
岐阜和傘の普及と後継者育成を支援する「NPO 法人 ORGAN」蒲勇介理事長は、「右近さんのクリエイティビティと和傘職人たちの手仕事で、世界に一本だけの、プレミア感がある傘が出来上がりました。実は和傘に絵や字を描くのは大変難しいことですが、右近さんの描かれた和傘はとてもアーティスティックで、遊び心を感じました。地方の伝統工芸が、職人たちの地味な工程が、華やかな歌舞伎の世界と繋がっていることを知っていただけたこと、そして素敵な形に結実したことに大変感動いたしました。今回の寄付金は、和傘職人の育成に使わせていただきます」と感謝を述べ、「和傘はたくさんの部品を分業して作っていますが、現在ではどの部品の職人もそれぞれ数が少なく、主要な部品の轆轤(ろくろ)を作る職人は現在一人、和傘の骨を作る職人は三人です。岐阜は日本最大の和傘の産地ですので、全国に和傘だけではなく、その部品を供給する責任があります。岐阜に職人がいなくなることは、日本中の和傘がなくなってしまうことに繋がり兼ねません。ここ数年、ありがたいことに職人を志す20代 30代の若い方が出てきていますが、仕事として成立してしっかりと生活できるようになるためにも、なんとか和傘の産地としての責任を果たせるようにしていきたいと思います」。
さらに右近からのメッセージに、「最初はこの世界が楽しみで入ってきても、始めは地味な研修が続きます。そんな職人見習いたちに、右近さんの言葉を伝えたいと思います。若い女性の職人のアイデアで作った桜の形をした和傘が話題になっており、個人の想いが成立する時代に変わってきていることを感じます。そんな新しいキャリアモデルを作っていければ。一方で、様々な用途で使われることよりも、実は最近では一周まわって雨具として使う方が多くあり、和傘を日常的に使うライフスタイルを浸透させていければと思っています」と述べた。
また、将来職人を目指す方へ向けて、「とにかく“需要が少ない=ライバルが少ない”のだから、やれば仕事になる、チャンスだぜ、ブルーオーシャンだ!」と持ち前の前向きな明るさで言い放つと、「一代で終わる仕事ではなく、これまで続いてきた仕事に携わることは、大きな縄跳びのなかで一緒に跳んでいる楽しみがあって、自分のあとにも続いていくように仕事をすること、自分がいなくなったあとも賑わっていく意識、それが伝統や受け継がれている輪のなかに入る楽しみだと思います。ひとつの円のなかにいる仲間、同じ輪のなかに入って、一緒に謳歌しましょう!」とメッセージを寄せた。
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