【Roselia インタビュー】
次に向かう怖さで足がすくんでも、
曲たちが背中を押してくれる

L→R 工藤晴香(氷川紗夜役/Gu)、櫻川めぐ(宇田川あこ役/Dr)、相羽あいな(湊 友希那役/Vo)、志崎樺音(白金燐子役/Key)、中島由貴(今井リサ役/Ba)

次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』に登場する第2のリアルバンド・Roselia。ファンからも話題を集めた「Sprechchor」を筆頭に、人気曲のアンサーソング、Eve提供楽曲、そして新曲も収録したミニアルバム『ROZEN HORIZON』は、壮大で華麗な世界観という揺るぎない彼女たちらしさを湛えながら、新たなステージを感じさせる。そんな同作への想いを相羽あいな(湊 友希那役/Vo)、櫻川めぐ(宇田川あこ役/Dr)に訊いた。

「ROZEN HORIZON」は
メンバーの成長に宛てた歌詞

『ROZEN HORIZON』はこれまでのRoseliaらしさと新しさがありつつ、Roseliaの歴史や原点を感じさせながらもバンドが目指す頂点のその先までをも見せてくれている作品だと思います。リード曲「ROZEN HORIZON」は「FIRE BIRD」(2019年7月発表のシングル)のアンサーソングということで、Roseliaらしさが詰まっていて、聴き覚えのあるメロディーも随所に盛り込まれていますね。

相羽

実は私、それに気づかなくて(笑)。歌詞からも“似ているな”とは感じていたんですけど、冒頭の《何度でも 何度でも》と「FIRE BIRD」の《(Lala,lalala,Lala,lalala,)》が同じメロディーだというところまでは分かっていなかったんです。

櫻川

私は途中で気づいたので、“これはみんなに教えなくちゃ!”と思ってメンバーに話したら、みんな気づいていて。くどはる(工藤晴香の愛称)には、“はぁ? 何を今さら!”って冷たくあしらわれてしまったけど、あいあい(相羽あいなの愛称)なら絶対に気づいていないはずだと思って最後に話したら、“ええ〜!? 嘘や〜ん!”って、案の定な反応ですごく面白かったです(笑)。

相羽

“どおりで耳馴染みが良いメロディーだな~”と思ったはずですよ(笑)。

「FIRE BIRD」のアンサーソングという話は訊いていましたか?

相羽

はい。なので、答えになるようにと意識しました。「FIRE BIRD」の《泣きじゃくったあの夜の》という歌詞と「ROZEN HORIZON」に出てくる《「自分を乗り超えゆく」のは/自分だけしかいないんだと》という歌詞がアンサーとして分かりやすいと思います! あと、サビの頭で《Roselia...》と自分たちのバンド名を歌うのは初めてのことで。

櫻川

そこは私もびっくりしました。

相羽

台詞が入っているところとか、「FIRE BIRD」に通じる部分をたくさん感じさせつつもレベルは上がっていますね。楽器の音もそうだし。

Dメロを全員で歌いつないでいるのも「FIRE BIRD」と同じですね。

相羽

そうですね。「FIRE BIRD」と違う部分で言うと、私のヴォーカルと楽器隊のコーラスが交互に歌っているところがすごく多くて、それはRoseliaの全曲の中でも新しいと感じました。

それはそれで考察のし甲斐があります。ここが共通しているとかつながっているとか。

櫻川

確かにそう。特にこの曲は私たちがおばあちゃんになった時にやっと話せるようなネタが全部詰まっています(笑)。Roseliaをずっと追いかけてきてくれた方は、歌詞もスルメのように何度でも味わってほしいですね。

相羽

ただ、《折れかけた片翼が 地に堕ちかけて/一振りの力すら 絞れずにいた》という歌詞にも表れていますが、どん底でボロボロになっているのにもかかわらず、そこから這い上がって《さあゆこうか?》と歌う、そういう“墜ちても頑張るぞ”というエールソング的な世界観は「FIRE BIRD」を感じさせるものがあります。

櫻川

そもそも「FIRE BIRD」はTVアニメ『BanG Dream! 2nd Season』の最終話で、Poppin’Partyが主催するライヴを応援する場面で流れたんですけど、そういったストーリー的な意味合いもありながら、裏テーマとしては声優としてのRoseliaメンバーの成長に宛てた歌詞でもあると作詞作曲の上松範康(Elements Garden)さんが言ってくださっていたんです。「ROZEN HORIZON」からも上松さんのそうした気持ちを感じます。

MVでバンド名を歌うところの相羽さんのハンドサインは何を意味しているのですか?

櫻川

それは私も気になっていました!

相羽

1回目で小指1本、続けて親指と人差し指と中指で3本、手のひらを広げて5本と出していて。小指1本を出すのは「BLACK SHOUT」(2017年4月発表のシングル)の時からやっているポーズで、今では“Roseliaポーズ”と言っていただけるようになったものです。つまり、“Roselia(1本)、3rdステージ(3本)、5人でいくぞ!(5本)”という意味ですね。

なるほど! あと、その時に笑顔が観られるのもいいですね。

相羽

裏話なんですけど、私はずっと笑わずにやっていたらスタッフさんから“怖いですよ”と言われてしまったんです(笑)。というのも、Roseliaの実写MVはこれが初めてで。

櫻川

今まではライヴ映像だったからね。

相羽

実写で撮り下ろしたのが初めてだったし、私が演じている湊友希那というキャラクターを意識してあまり笑わずにいたら、目が怖かったらしいです。

櫻川

でも、あれはあれでイケメンでカッコ良かったよ。微笑むところもあったり、みんなの可愛さとカッコ良さが大爆発している映像になりました。

白い衣装もとても新鮮でした。

相羽

Roseliaとして初めて白い衣装を着たのは2019年に富士急ハイランド・コニファーフォレストで初めて開催したワンマンライヴ『Flamme/Wasser』なのですが…今回は真っ白であることで、リセットじゃないけどそれに近いかもしれない。でも、ここからまた新しい色に染まっていくというような意味合いが考察できるんじゃないかと思います。

櫻川

2019年にワンマンライヴで着た衣装とのリンクもありつつ、同じく2019年の「FIRE BIRD」で歌っていた《その先》が、この「ROZEN HORIZON」なんだなって。だから、逆に黒じゃなくて白であることがしっくりときました。《さあゆこうか?》という言葉にリンクしているというかね。

相羽

何色にも染まることができるというね。

アーティスト