ILLUSION FORCE、3周年ワンマン公演
に描いた熱狂の楽園とは…。
手を高く突き上げ飛び跳ねるJinn。その姿に煽られ、同じように飛び跳ねる観客たち。荒ぶる感情を剥き出しに歌うJinnと、激烈な音を突きつける演奏陣。「N.E.O」の衝撃に煽られ、フロア中の人たちが頭を振れば、突き上げた拳をずっと揺らし続けていた。重低音効いたドラムビートが身体を直撃し、感情を歪ませる。Jinnの手の動きに合わせ、拳振り上げ跳ねずにいられない。止まらぬ熱狂の音の渦の中へどんどん溺れていきたい。
胸を騒がせるメロディアスなリフも印象深い「These Illusion」の登場だ。それまでの攻めに徹した姿から色を塗り替えるように、ILLUSION FORCEは緩急巧みに表情を変えながら、エモーショナルでメロディアスな楽曲を奏で、見ている人たちの身体と心を揺らしていた。後乗りのビートに合わせ、大きく揺れる手の数々。美しい衝撃だ。スケール溢れた演奏に身を預け、大勢の人たちが大きく身体や突き上げた手を揺らし続けていた。
シンフォニックでラウド、メロディアスでハードエッジ、様式美を抱いた「The Coming Tragedy」が飛び出した。とてもスケールあふれた楽曲だ。雄々しい音を引き連れながら、楽曲はどんどん雄大な景観を増していく。頭の中に描き出された広大な景色の中、昂った気持ちを燃えたぎらせるように観客たちが暴れていた。巧みに転調を繰り返し、勇壮なドラマを描きながら、楽曲は終始気持ちを昂らせ進撃し続けていった。終盤に生まれた拳の交わし合いも胸を熱くさせた。
続く「The Force of Illusion」も、シンフォニックな要素を巧みに折り込み雄大な景観を作り上げながらも、軸に据えたのは強烈なリフを刻み続けるスピーディーでラウドなスタイル。ゴリゴリとしながらも滑るように流れゆく荒波にライドしながら、美しく歌声を響かせるJinn。激しいのに感情を熱く癒さぶる楽曲という理由もあるのか、会場中の人たちが身体を小刻みに揺らし、荒ぶり駆ける演奏に身を預けていた。
本公演でドラムサポートを務める秋田浩樹(兀突骨 / GAUNTLET)による、手数多く途切れることのないパワフルなドラムソロを挟み、楽曲は「Salvation」へ。とても華やかなのに、熱いエナジーを持った楽曲だ。シンフォニックで勇壮なILLUSION FORCEの演奏へ導かれるように、フロア中の人たちが拳を突き上げ、Jinnの歌声の後へ続くように思いをぶつけていた。とても気持ちを高ぶらせる楽曲だ。その歌声や演奏に刺激を受け、拳を突き上げ共鳴してゆくのも納得だ。騒ぐ、騒ぐ、熱を持って昂る気持ちが理性をどんどん消し去っていく。
ライブも後半戦へ。それまでの熱狂が嘘のように、ILLUSION FORCEは美しくも、秘めた熱さを抱いた重厚なバラードナンバー「Our Reason」を歌い奏で始めた。Jinnの歌声がフロア中にいる人たちの心を包み込んでゆく。演奏陣も、重さを抱きながらも、気持ちを揺さぶる美しい旋律を奏でていた。大きく手を振り歌うJinnの姿に合わせ、フロア中の人たちも大きく手を振り、彼の思いを、ILLUSION FORCEの演奏を受け止めていた。胸に染み渡る表情も、ILLUSION FORCEを語る上で欠かせない魅力だ。
続く「Alive」は、雄大さを抱いたハード&シンフォニックで浪漫あふれた楽曲だ。Jinnの歌うメロディーが印象深いからこそ、メロディックでシンフォニックな世界へ心地好く身を預けながらも、その歌声を耳が、心が追いかけてゆく。胸を熱く騒がせる歌だ。昂る気持ちを熱く熱く、熱情的に染め上げる美しく熱を抱いた、最高にシンフォニックでメロディアスな楽曲だ。
ここからは組曲の世界へ。泣きのギターのフレーズも印象深い「Sazareishi, Pt I Inochi no Ibuki」が、触れた人たちをここではない、別次元の空間へと誘い出した。変拍子を用いた演奏が、意識を混濁させる。さぁ、ここからもう一つの世界を見にいこうか。
Yuya、Georgeのツインギターのフレーズを合図に、ILLUSION FORCEは見ている人たちを熱く胸を騒がせる勇壮な戦いの空間へ導いた。「Sazareishi, Pt II From Within」が、観客たち一人一人の感情の奥底まで歌や演奏の手を伸ばし、気持ちを鼓舞してゆく。奮い立つ想いのまま、誰もが高く掲げた拳のエールを彼らに送っていた。
表情を塗り替えるように、ILLUSION FORCEは凄まじい轟音を叩きつけ、「Sazareishi, Pt III Infernal Chimera Rabager of Life」を通し、観客たちの騒ぎたい感情へ炎を焚きつけてゆく。次々と細かい転調を繰り返しながら、走りだした熱を静めることなく、その演奏は走り続けていった。
とてもたおやかで、和な旋律が流れだす。組曲の最後に、SEの「-Sazareishi, Pt IV Taoyaka ni-」が流れ出す。観客たちを重厚な黒い音渦巻く奈落へ突き落とすように歌い、奏でていった。ドス黒い音が身体を包み込み、激しい音の唸りに呑み込まれてゆく。熱を沸き立てる激しさを持ちながら、ILLUSION FORCEは黒い轟音の渦の中へ観客たちを飲み込んでいった。
先に描いたドラマへ優しく寄り添うように流れたSEがドラマの幕を閉じれば、それが、次の曲への美しい繋がりを描いていた。
この日は3周年記念の日。結成時から海外での活動も視野に準備を進めてゆく中、コロナ禍でいろんな予定が狂ってしまった。それでも、迎えた3周年という日をここから弾みに変えようと、メンバーらはMCで熱い気持ちをぶつけていた。
ライブも終盤戦へ。Jinnの「YEAH! OH!」の声と観客たちとの拍手のやり取り。そして、Jinnのハイトーンでのロングトーンヴォイスを合図に「Acceleration」が轟き出した。ラストに向かって、さらに轟音の洗礼を浴びせようと、ILLUSION FORCEは凄まじい勢いで駆ける演奏を叩きつけ、観客たちの理性のストッパーを一気に破壊した。暴走マシンと化した演奏に触発され、フロア中の人たちも心の中で勇壮な声を上げ、突き上げた拳を揺らし、舞台上のメンバーらへ気迫をぶつけながら熱い戦いを繰り広げていた。メンバーらの掛け合う声に、拳で応えていた。
立て続けに歌心を抱いた楽曲を並べ、観客たちに歓喜した思いを注ぎ込む。「Our Vision」に触れながら、一緒に心の中で歌い叫んでいた。いや、一緒にシンガロングしていたかった。Jinnと、ILLUSION FORCEのメンバーらと高まる気持ちを共有しながら、にやけた顔で、この悦楽の時間へ浸っていたかったんだ。
ILLUSION FORCEは、最後に「Illusion Paradise」を演奏。フロア中に無数の拳突き上がる景色を描き、皆で興奮と歓喜と、何より「楽しい」という気持ちへ存分に浸りながら、2時間半だけ現れた楽園の中、戯れ続けていった。
PHOTO:小享
TEXT:長澤智典
ILLUSION FORCE
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セットリスト
1. Glorious March
2. Unlimited Power
3. N.E.O
4. Beast Of The Earth
5. These Illusion
-MC-
6. This Wish
7. The Coming Tragedy
8. The Force of Illusion
9. I’ll be Your Hero
-Drum Solo-
10. Salvation
11. The End Of Days
-MC-
12. Our Reason
13. Alive
14. Awakening Your Universe
15. Sazareishi, Pt I Inochi no Ibuki
16. Sazareishi, Pt II From Within
17. Sazareishi, Pt III Infernal Chimera Rabager of Life
SE -Sazareishi, Pt IV Taoyaka ni-
18. Cosmos
-MC-
19. Acceleration
20. The World Soul
21. Our Vision
22. Illusion Paradise
Tags: ILLUSION FORCE
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