篠田美月が魅せる、ストーリーテラー
としても面白さ

ときめきを描いて

ドラマティックな楽曲に重なる歌声は、一定の温度を保ちストーリーテラーのように振る舞う。近くも遠くもない絶妙な距離感から、音楽を届ける彼女の名は
。プロデューサーとしても活動するシンガーソングライターだ。
元々は劇伴作家を目指し、音楽の専門学校へ通っていた篠田。現在ではソロのスタイルに落ち着き、時にはコラボレーションなども交え音楽活動を行っている。彼女の魅力は、物語性のある楽曲だろう。1曲のなかでも遊びや展開を作り、絵本を1ページずつめくっていくようなトキメキを描いていく。また、ストーリー性の強い曲を表現しようとすると感情移入してエモーショナルに歌いあげるのが碇石だが、篠田は決して揺らぐことがない。ストーリーテラーとして客観的に楽曲を聴かせていくのが、彼女の面白さなのだ。
先日配信が開始された「埃の被った空、晴れてもずっと曇り」は、“こんな時代だからこそ懐かしさに浸りたい”をテーマに作られた1曲。ジャジーなアレンジがノスタルジーを掻き立てるナンバーだ。


篠田美月





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