【Seven Billion Dots
インタビュー】
自由で好きなように楽しめる
アプローチが僕らはできる

L→R Masafumi(Vo)、Ken(Gu)、Lyo(Dr)

TVアニメ『マジカパーティ』のエンディングテーマとして書き下ろした2ndシングル「MAZICA PARTY」は、EDMサウンドがこれまでのSeven Billion Dotsのイメージを覆す。振り幅の広い曲作りに挑戦しつづける彼らにとっても大胆なチャレンジとなった同作に込めたメッセージとは?

アニメの世界観を表現するために
がっつりEDMに取り組んだ

「MAZICA PARTY」はすでにライヴでも披露しているんですね。

Masafumi

最近は毎回やっています。テンポの速い曲でがっつり盛り上げたあと、中盤にこの曲でちょっとノリを変えて。そんな僕らの多様性も見せつつ、お客さんにノッてもらえる曲なんですよ。

お客さんの反応も上々なんですね。

Masafumi

ライヴではバンドアレンジでやっているんです。だから、他の曲とはちょっと違うところもある曲なんだけど、ちゃんとバンドとして聴かせているので、アニメのエンディングを聴いたことのあるお客さんは“あっ、あの曲がこんなふうになるんだ⁉”って結構びっくりしていると思います。

Lyo

曲の途中にメタルパートも入っているんですよ。そこに来るとお客さんのハッとした顔が見えて楽しいんです。

Ken

わりとメタルで使うような音階がハマったんですよ。そういうアプローチって普段はあまりしないんですけど、「MAZICA PARTY」のライヴアレンジに関しては、もともとメタルをやっていたLyoと僕の経験が活きましたね。そういうところも見せられるという意味でも、お客さんがノッている姿を見られるという意味でも演奏していて楽しいです。

ライヴアレンジは曲が完成してから考えたものなんですか?

Lyo

そうです。ライヴのセットリストに「MAZICA PARTY」を入れることを考えた時、長い尺のライヴだったらいろいろな曲があってもいいと思うんですけど、限られた尺の中で、僕らはこういうバンドなんだっていうのをお客さんに見せるとしたら、他の曲とある程度統一感を持たせたほうが分かりやすいというところから考えていったんです。

カップリングに収録されている「MAZICA PARTY」のロックバージョンの「MAZICA ROCK」とはまた違うアレンジになるのですか?

Ken

「MAZICA ROCK」はテンポをがっつり上げていますけど、「MAZICA PARTY」のライヴアレンジは原曲と同じテンポなんです。

つまり、一曲で3つのバージョンができちゃったみたいな?(笑)

Ken

そんな感じです(笑)。

そんな「MAZICA PARTY」はEDMを大胆に取り入れたチャレンジングな曲になっていますが、EDMを取り入れることには前々から興味があったのですか?

Masafumi

僕らの音楽はいろいろなところから影響を受けているんです。EDMからももちろん影響を受けているんですけど、「MAZICA PARTY」はアニメサイドからEDMを反映させてほしいというリクエストをいただいたので、アニメの世界観を表現することにフォーカスして、がっつりEDMに取り組んでみました。

Lyo

もしかしたら“ロックバンドがEDMを?”と思う人もいるかもしれないけど、僕らはジャンルに関してフラットに見ているんですよ。

Masafumi

今年2月にリリースした『HOPE』というアルバムに収録している「マイナーロード」でもEDMのテイストを取り入れているんです。今回はそこからさらに挑戦してみました。

では、未知のものにいきなり挑戦したわけではないんですね。

Masafumi

もともと僕はダンスミュージックをやっていたし、バンドを始めてからもバンド以外の音楽もいっぱい聴いているし、そういう引き出しは持っていたんです。

では、「MAZICA PARTY」はどんなふうに作っていったのですか?

Masafumi

まずメロディーを作って、4つ打ちのリズムも含めたEDMならではのアレンジをある程度固めてから、プロデューサーのシライシ紗トリさんと相談してコード感を作ったり、音色を決めたりして。それと並行して歌詞を書いていったんです。バンドサウンドというよりは、完全に打ち込み音楽としてのセオリーの中で作っていったのでびっくりする人もいると思います。

バンドサウンドにこだわらない、そういう挑戦もあっていいと。ただ、EDMのスタイルを踏襲しつつ、Seven Billion Dotsならではの持ち味を加える工夫もあったのではないでしょうか?

Masafumi

僕らの強みはいろいろな曲を書けるところと、そこに柔軟にアプローチしていけるところだと思います。だから、これまでもロックそのものと言える曲もやりつつ、僕らが持っているさまざまな面を見せられる曲を作ることができたと思うんですよ。そういう多様性が僕ららしさなんです。今回、その振り幅を改めて見せることができたと思います。

振り幅がさらに広がったという手応えもあると。

Masafumi

そうですね。僕ら自身も“自分たちはこういうこともできるんだ”って改めて気づけました。

幅広い曲にアプローチしているからこそだと思うのですが、Masafumiさんは新しい曲を作るたびにヴォーカリストとして新たな挑戦に取り組んでいるようですね。今回はどんな挑戦がありましたか?

Masafumi

昔、こういう曲調はよく歌っていたので、ノリの出し方みたいなところは身体に馴染みがあったんですけど、EDMを歌う上でどういう表現が一番正しいのか…って言い方は違うのかもしれないけど、どういう歌い方がハマるのかというのはプロデューサーさんと相談しながら考えました。EDMのセオリーに従って、あえてオートチューンを使っているんです。ライヴではオートチューンは使っていないですけど、音源では自分の声にエフェクトをかけてみるのも挑戦のひとつだと思ってやってみました。

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