【nolala インタビュー】
“元カレを見返したい”
nolalaが掲げる
バンド活動のモチベーション

L→R 美寿々(Ba&Vo)、千陽(Gu&Vo)、ひな(Dr&Cho)

京都出身のツインヴォーカル・3ピースバンド、nolalaが満を持してリリースした全国流通盤シングル「ルームメイト」は、実はバンド最後の曲になるはずだった。しかし、飛躍のチャンスを掴んだ3人は新たな一歩を踏み出すことに。作詞作曲を手がける千陽(Gu&Vo)による“私は別れた彼氏を全員曲にするタイプです”というTwitterへの投稿がバズったことも記憶に新しい彼女たちにインタビューを実施した。

音楽を続ける方法は他にあっても
私はnolalaがやりたい

千陽さんのTwitter投稿によると、バンドを辞めようと思っていたタイミングで、マネージメントが日本コロムビアに決まり、また頑張っていこうと気持ちを新たにしたそうですね?

千陽

5月9日から始まったツアーが7月16日に終わったら辞めると決めて、それだけを考えながらやっていたんです。

美寿々

でも、ひなと私は辞めようなんてこれっぽっちも思っていなくて、むしろ“もっと売れたろうぜ!”とやる気になってたんですけど、もしかしたらそれが千陽ちゃんには負担になってたのかもしれないです。でも、私たちはバンドを続けたかったから、その想いも伝えて話し合いました。

美寿々さんとひなさんが千陽さんを説得したところもあるのですか?

ひな

多少はあると思います。

美寿々

無理にやらせるのは違うと思うんですけど、私は“もっと頑張ったらイケるんじゃない!?”とずっと思っていたので。でも、これまで事務所がついてくれることはなくて、思うように活動が進まない時期が続いたこともあり、悩んでいたところにタイミング良く声をかけていただいたんです。それがジャンプ台みたいになって、千陽ちゃんの気持ちが戻ってきてくれたのかなと思います。

千陽

今までずっとバンドしかやってこなかったから後ろ髪を引かれながら、“でも、続けるのはしんどいな”という葛藤の中で声をかけてもらったんですけど、最初は断るつもりだったんですよ(笑)。

千陽さんはなぜ辞めようと思ったんですか?

千陽

自分の気持ちが弱すぎたんです。一緒にライヴをやってきた子たちが爆売れしているんですけど、私たちも結成した時から“絶対に売れる!”って言われ続けて、私たちもその気になってここまで来たんです。そしたら“誰も興味持ってくれへんやん!”って現実を思い知って(笑)。“私たち、ほんまはあかんのちゃうかな?”ってヘコんだり、美寿々さんとひなとちゃんと話しもせず、“あぁ、今、絶対に怒ってるわ”とか“きっと嫌われたわ”と勝手に誤解するようになっちゃったんです。でも、マネージメントの話をいただいてから、絶対に続けたほうがいいと周りの人にたくさん言ってもらって、どうせ辞めるならちゃんとふたりに向き合ってから判断しようと思って心を開きました。そしたら“全然楽にやっていけるやん!”と思えて、今は元カレをどうやって見返してやろうか必死になってます(笑)。

美寿々さんとひなさんはやる気をなくしている千陽さんを説得してまで、なぜ一緒にやりたいと思ったのですか?

美寿々

音楽を続ける方法は他にもあるかもしれないけど、私はnolalaがやりたいんです。でも、nolalaは千陽ちゃんがいないとできない。それに今まで3人で積み上げてきたnolalaを、ここで終わらせたらもったいないと思ったんです。

ひな

私は単純にいい曲を書くからついていきたかったんです。

美寿々

こんなふうに言ったらまたプレッシャーになるかもしれない(笑)。

千陽

いやいや、もう大丈夫です(笑)。

そんなnolalaは2016年に結成されたそうですが、どんなふうに始まったのでしょうか?

美寿々

ひなの前に別のドラムがいたんですけど、nolalaを組む前からそれぞれ違うバンドもやっていたんです。でも、私はもっと活動していきたいという想いがずっとあって。千陽ちゃんは前のバンドが終わったぐらいだったよね?

千陽

そう。解散直後ぐらいだった。

美寿々

私が京都のライヴハウスの方にそういう相談をしていたら、“一緒にやったらいいのに”って千陽ちゃんと引き合わせてくれたんです。

千陽

美寿々さんが歌えるって知っていたので、スタジオにお試しで入った時にふたりで歌える曲を作って持って行ったんですけど、合わせてみたらコーラスがきれいで“めちゃくちゃええやん!”となって、これはやるしかないってすぐに決めました。

千陽さんは最初からふたりで歌えるバンドがやりたかったのですか?

千陽

いえ、そもそも私は歌いたくなかったんですよ。バンドもそんなにやるつもりじゃなかったんですけど、ライヴハウスの人から“いい曲を書けるし、歌えるし、もったいない。お前と声が合う子がいるから一緒にやったらいいと思うよ”と勧めてもらって。

美寿々

私は自分で曲が書けないんですけど、ずっと歌いたいと思ってたんです。そしたら千陽ちゃんが作ってくれた曲がメロディーも歌詞もめっちゃ良くて。メインで歌うのもハモるのも両方好きなので、ツインヴォーカルだったらそれができると思いました。

ひなさんはどんなきっかけでバンドに加わったのですか?

ひな

もともとやってたバンドとnolalaが対バンしたのが最初の出会いだったんですけど、私がバンドを脱退して他を探していた時に、同じ京都のライヴハウスの方に“nolalaのドラムが空いた”と連絡をもらって、まずはサポートとして加わることになったんです。それが2017年で、その1年後に正式メンバーになりました。

それぞれどんなバンドから影響を受けているのですか?

千陽

私はバンドを始めたのも、バンドを頑張ろうと思ってるのも、全部元カレを見返すためなんで、“このバンドに憧れたから”っていうのがないんです。ただただ“お前より絶対にカッコ良いバンドをやったる!”ってところだけでやってきて(笑)。もちろん中学生の頃からずっと大好きなMAGIC OF LiFEをはじめ、好きなバンドはいっぱいいますけど、影響を受けたバンドは特にいないですね。

おふたりはいかがですか?

ひな

バンドってものを初めて知ったのは、お父さんがよく車で流していたRC SUCCESSIONです。

美寿々

私も好きなバンドはいっぱいいますけど、誰に影響を受けたっていうのはなくて…今、nolalaでハーモニーを大事にしているという意味では、F.I.Bをちょっと意識してます。男臭いバンドなんですけど、めちゃめちゃハーモニーがきれいなんです。だいぶ先輩ですけど、同じ京都出身なので憧れはあります。あと、IRabBits。一ファンとしてライヴに行くたびに一緒に歌いながら号泣してました。今はコロナ禍でできないですけど、自分たちのライヴでもお客さんと一緒に歌って、泣いて、すっきりするステージを思い浮かべたら、IRabBitsみたいなバンドもいいなって思います。

以前にTwitterでバズった“私は別れた彼氏を全員曲にするタイプ”という千陽さんのツイートの通り、今回リリースする「ルームメイト」もカップリングの「私と居たこと」も恋人との別れを歌っていますが、nolalaにはそれ以外のことを歌った曲もあるんですよね?

千陽

3曲ぐらいは違う曲があります(笑)。

つまり、ほぼ元カレのことを歌っていると。

千陽

そうです。なので、今は元カレに感謝してます。私をボロボロに傷つけてありがとうって(笑)。

千陽さんが元カレのことばかりを曲にすることについて、ふたりはどう思っているのですか?

美寿々

“同じような歌詞ばかりになっちゃうかもな”という心配が少しあるだけで、それさえクリアーできるならまったく問題ないです!

ひな

私も大丈夫です。私は千陽ちゃんみたいに恋愛経験が豊富じゃないから逆に面白いんですよね。“あぁ、こういう感情もあるんや”みたいな。

美寿々

幸せな曲も聴いてみたいですけどね。

千陽

絶対無理やろ(笑)。

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