チャーリー・ダニエルズ・バンドの
5thアルバム『ハイ・ロンサム』は
ツインリードギターが炸裂する
王道のサザンロック作品
チャーリー・ダニエルズ
というアーティスト
1936年、南部ノース・キャロライナ生まれの彼は、幼少期からカントリーやR&Bに魅せられ、15歳でミスティ・マウンテン・ボーイズというブルーグラスのグループに参加したのを皮切りに59年にはポップロック・グループのジャガーズに参加、数枚のシングルをリリースしている。64年には彼の書いた曲がエルヴィス・プレスリーに取り上げられることもあったが、67年にジャガーズは解散、ダニエルズは自らの楽器演奏(ギター、フィドルなど)の高い能力を生かしたスタジオミュージシャンになるため、カントリー音楽のメッカとして知られるテネシー州ナッシュビルに移り住む。そこで、優れたスタジオミュージシャン・チームのエリアコード615の面々と行動を共にして、68年には彼がリスペクトするフラット&スクラッグスの『ナッシュビル・エアプレイン』やアル・クーパーの『アイ・スタンド・アローン』に参加、翌年以降もレナード・コーエン『ひとり、部屋に歌う(原題:Songs From A Room)』、ボブ・ディランの『ナッシュビル・スカイライン』『新しい夜明け』などの話題作に参加、ロック界とカントリー界の両方でその名を知られるようになる。
同時にプロデューサーとしての活動もスタート、ジェシ・コリン・ヤング率いる人気ロックグループのヤングブラッズ『エレファント・マウンテン』(’69)、ロイ・ブキャナンのポリドールからの幻のデビューアルバム(2004年に『ザ・プロフェット』のタイトルでリリースされた)、ウディ・ガスリーの意志を継ぐフォーク歌手ジャック・エリオットの『ブル・ダラム・サックス・アンド・レイルロード・トラックス』(’70)など、プロデュース手腕を発揮して数々の傑作を送り出している。
ダニエルズの強みは、カントリー、ロック、フォークなどジャンルを問わずプレイ(あるいはプロデュース)できるところで、それは彼のアメリカンルーツ系の音楽(今でいうアメリカーナ)への深い造詣を表していると言える。また、だからこそアル・クーパーやディランといった才能あるアーティストたちが、ダニエルズをバックで起用し続けたのである。
オールマン・ブラザーズからの影響
彼の転機は、おそらくオールマン・ブラザーズの『イート・ア・ピーチ』(’72)のリリースあたりではないかと思う。『イート・ア・ピーチ』は、ブルース(デュアン・オールマン)とカントリー(ディッキー・ベッツ)をミックスしたようなサウンドが特徴で、この頃からサザンロックのグループが雨後の筍のように登場し、カントリー寄りのマーシャル・タッカー・バンド、ブルース寄りのウェット・ウィリーなど、サザンロックにバリエーションが表れはじめたのである。
ダニエルズはソロ活動の傍らマーシャル・タッカー・バンドのフィドル&ギター奏者としても参加、また3rdソロアルバムの『ハニー・イン・ザ・ロック』(’73)所収の「アンイージー・ライダー」が全米9位になるなど、精力的な活動で成功を収めていたのだが、オールマン・ブラザーズに憧れていた彼は、ツインギターとツインドラムを擁したサザンロックのグループ、チャーリー・ダニエルズ・バンドを結成する。
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チャーリー・ダニエルズ・バンドアーティスト
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