XANVALA、最新EP「我慾之幕」の収録
曲について語る。巽・70.編!!
「ヒトリ舞台」
巽 「ヒトリ舞台」は、始動のときに出した「鮮やかな猛毒」と「CREEPER」、さらに本作へ収録した「トラジェディは擬態する」と「終幕」を組み合わせることで一つの物語として形を成していきます。「ヒトリ舞台」だけを聞くと、女の子目線の失恋した曲のように聞こえますけど。じつは「トラジェディは擬態する」に出てくる登場人物が、「ヒトリ舞台」の物語を形作るうえで大きな鍵になっています。
70. XANVALAの始動ワンマン前に宗馬が「ヒトリ舞台」を持ってきてくれたんですが。この楽曲を聞いた時から「XANVALAは幅広い表現をしていけるバンドになれるな」と確信を持てていました。同時に「ヒトリ舞台」を出すタイミングをどうしようかなとずっと考えていたんですけど。昨年XANADUの勢い。ジャノメの激しさを立て続けにアピールできた後にあえてそこでいい意味で期待を裏切るというか。「XANADU」「ジャノメ」の後に「ヒトリ舞台」を出すことでXANVALAの持つ表現の器の幅広さを世の中に見せれるんじゃないかなと思いこのタイミングにリリースしました。自分の中でこのEPを意識した時ベーシストとしてももっと音に対しての追及を考えたんですよね。ここで成長したいなって。今まで作ってきた音を再構築して機材を変えたりベースを変えたり大変だったけどこのEPが完成して音がまとまった時「あー大変だったけどよかったな」と心から思いました。
「DROID」
巽 「DROID」は、近未来をイメージして書いた歌。DROIDとは、AI的なもの(アンドロイド)として想像してもらえたらわかりやすいかなと思います。AIが発達し続けたら、何時しかそれは人間を超えた存在になってゆく。「それが目に見える形になって自分たちの前に出てきたらどうなるんだろう」というのをイメージして書いたんですけど。DROIDはあくまでも人口物ですけど、神様みたいな存在にもなるのかなと思って。その神様(DROID)に対して、一人の人間が問いかけてるイメージで、この曲を書いています。
70. 曲調は明るくて色んな調を聞かせられる万能な曲なんですけど。巽の得意な面が歌詞に映し出された楽曲だとも思います。ライブの2曲目辺りに置きたくなる曲調で。でもライブの最後に置いても面白さを発揮してゆく楽曲でもあって。明るいしテンポも速くライブ受けしやすい曲調なんだけど歌詞の面でいろいろ感じ考えさせられる内容でもある。今まで「「DROID」をライブで聞いて泣きそうになりました」という感想や声を聞いてきて。ライブで聞いてくれてた子はもちろん、ライブに来れない子にも今回音源化したことで楽曲、歌詞の内容もしっかり届けることができて本当に良かったなと思っています。
「ratchet」
巽 俺にしては珍しく、強気な歌詞として書いています。流行りに乗っかるというか、そういうのに敏感な人たちっているじゃないですか。そういう人が、俺はすごく嫌いなこともあって、「それってあなた自身のものじゃないよね」という皮肉を込めています。
70. XANVALAにはハイテンポの曲が多いんですけど。ミドルテンポの「ratchet」は、ライブの中で巧みに流れを変えてゆく鍵にもなる楽曲。今は何かに対しての不満やわだかまりなどいろいろと渦巻いている時代。そういうものを吹き飛ばすのがライブという非現実の空間。その意識にすごくマッチする楽曲にもなりました。巽も言ってたように、「ratchet」のイントロで巽が中指を立てるんですよ。そこではぜひみんなも一緒に中指を立て反旗を翻してもらいたいですね。ライブではみんな楽しく騒いでくれている楽曲でもあります。
「トラジェディは擬態する」
巽 タイトルに「擬態する」と書いたように、「トラジェディは擬態する」は、「ヒトリ舞台」の本来の姿を隠すための曲と言いますか、「じつはこうでした」という「ヒトリ舞台」の答え合わせとなる楽曲になります。
70. 「トラジェディは擬態する」は俺が最初にXANVALAとして作り上げた楽曲で。いろいろ自分の中で探り続けてゆく中、結果いろんなことを1曲の中へ詰め込んだ形になりました。とくに意識していたのが、巽の歌声を一番活かせるのかという事で。キーやメロディーとかいろいろ探っていったのを思い出します。
「眠る秒針」
巽 最初に楽曲をもらったときに感じたのが、「比較的スローテンポだけど、「文明開花」くらいに言葉を詰め詰めに、しかも早口で歌う楽曲だな」ということ。それもあって、歌詞には記さないところまで細かい物語の設定やストーリー展開も考えたうえで、歌詞を書き始めました。
70. 「眠る秒針」は今まで自分がやってきたことのないタイプの楽曲で。その上で音やフレーズには本当にこだわりました。頑張った結果ドラムとベースだけでもグルーヴを感じられる楽曲に育ちましたね。「あー俺もこう言う曲を弾けるようになったんだな」って(笑)
「終幕」
巽 「トラジェディは擬態する」や「ヒトリ舞台」にも記したように、好きな女の子に成りきっただけでは男は満足しきれなかったんですよ。結果、女の子に会いに行くという結論に至ったわけなんですね。「CREEPER」であれだけ「名前を呼んでほしい」という想いがあったように、男は「直接行かなきゃ、自分の想いは解決しない」と思って会いに行くんですけど。でも、サイレンの音が鳴り響くような形へと陥ってしまう。その後、「自分は、想像を巡らせている理想の中のその子が好きであって、本当にその女の子自身が好きなのとは違うのかも知れない」と考えるなど、いろいろ自分の中で心の整理をしてゆく。
70. 「終幕」はボーカルとギターだけから始まるんですけど。この曲をライブで演奏し始めると、パタッと会場の空気が変わるんですね。それくらい世界観に入り込めるというかパッと自分のスイッチを切り換えられる楽曲。この曲のベースの音、フレーズの出来もめちゃくちゃ満足いっています。ぜひ終幕という世界観へ浸りながら聞いてください。
2人が語ってくれた言葉たちを手がかりに、ぜひ1stEP「我慾之幕」の発売を楽しみに待っていて欲しい。でも、XANVALAのライブに足を運ぶといち早く曲たちが聞けるのも事実。待ちきれない人たちは、まずライブで曲たちを深く味わおうか。
TEXT:長澤智典
『ヒトリ舞台』MV FULL
XANVALA 1st EP「我慾之幕」Trailer
★インフォメーション★
XANVALA 1st EP「我慾之幕」2021年6月2日発売
型番:PICD-015
[CD]
ご購入方法:
全国のCDショップでのお取り寄せ:
INFORMATION:
8.10[TUE] 心斎橋Bigtwin Diner SHOVEL
PARAGUAS INC. TOUR 2021「MAKE an ERA」
6/09 (Wed) 新潟CLUB RIVERST
XANVALA単独公演 知哉生誕祭2021「梅花の候、露先に消ゆ」
2021/06/07 (Mon)
【LIVE SCHEDULE】
XANVALA Web
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