世界中で大きな成功を収めた
レッド・ツェッペリンの
最高傑作『IV』
レッド・ツェッペリンの魅力
しかし、彼らのリズム面に着目してみると、ジェームス・ブラウンやミーターズのようなファンクからの影響が大きいことがわかる。『II』(’69)所収の「レモン・ソング」を聴けば、ベースはジェリー・ジェモットやチャック・レイニーを彷彿させるし、ドラムはバーナード・パーディの跳ね方に近い。
面白いのは彼らがブルースをやってもツェッペリンならではのサウンドになっているところ。当時のイギリスのルーツロッカーたちは、いかに本場(アメリカ)の音楽(ブルースでもカントリーでも)に近づけられるかで競い合っていた感があって、例えばフリートウッド・マックの初期のサウンドと比べてみると、ツェッペリンのブルースはリズムのキレが良すぎてキワモノだと思われたかもしれない。それだけ、ジョン・ポール・ジョーンズとジョン・ボーナムのリズムは独特の世界を持っていた。特にボーナムのドラムは、彼以降のロックドラムの在り方を変えた先駆的なプレイだと言ってもいいだろう。
複数の楽器をこなすメンバー
また、ジョン・ポール・ジョーンズもベースだけでなく、ハモンドオルガンやシンセなどのほか珍しくフラットマンドリンを効果的に使っている。彼は後にアメリカでブルーグラスやオールドタイムのグループのプロデュースを担当しており、彼がフラットマンドリンを使っているのはペイジ同様、カントリー系の音楽に親近感を持っているからのようだ。
曲によってさまざまな楽器を使い分けるのはブリティッシュロックグループにしては珍しく、ツェッペリンならではの特徴と言えるだろう。
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本作『IV』についてアーティスト
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