【キンモクセイ インタビュー】
非常にキンモクセイらしい
アルバムになった

L→R 張替智広(Dr)、後藤秀人(Gu)、伊藤俊吾(Vo&Gu&Kye)、佐々木 良(Cho&Gu)、白井雄介(Ba)

2018年より活動再開したキンモクセイがニューアルバム『ジャパニーズポップス』をリリースした。メンバー全員が楽曲を持ち寄り、その音楽性もさまざまながらも、まさに“ジャパニーズポップス”としか称し得ない楽曲たちが並んでいる。

やりたいことをやりたいように
マイペースでやればいい

約1年前、久々にみなさん全員が揃っての活動再開でしたが、以後はかなりマイペースな活動のように感じられます。

伊藤

もともと自分たちの活動休止の理由のひとつとして、当時、メジャーの洗礼をもろに浴びた面も大きかったもので(笑)。数字も活動のペースも当時は自身がそこに応えたり順応したりできなかった面も含めての活動休止でもあったんですね。その後、時間を置き、再びこの5人で久しぶりに会った時に、“今度はそこまで重くとらえないでやっていきたい”と思ったんです。

白井

とはいえ、昔の自分たちや待ってくれていたファンの方々のためにも、曖昧な気持ちでは再びやらないとは強く考えていて。その反面、そこまで覚悟を持って“やるからには!”とのスタンスで挑むつもりもなく。それこそ自分たちがやりたいことをやりたいようにマイペースでやればいいのかなって。

佐々木

前回の活動を止めた時も、絶対に深刻な別れにはしたくなかったんです。この10年、お互いの関係性を保ちながら、わりと付かず離れずではやってきましたから。それもあって、ある意味再び自然とやり始める時期をうかがっていたところもありましたからね。

実際、再び5人で始められていかがでしたか?

後藤

すごく嬉しかったですね。モード的にもそれぞれ“そろそろやりたいよね”って話していたし。そんな中、イベントの出演依頼があったんです。今はまた第二章が始まる感じがして、とてもワクワクしています。

張替

再び活動を開始してみて、“この5人が集まると面白いし、やはりこうなるんだ!”的な再発見もありましたね。10年間空いたことでの各々の成長だったり、その間に客観的にもなれて、改めてキンモクセイらしさにも気付けましたから。それも踏まえての今の活動なので。メンバーも一緒だし、昔の曲もやるけど、今の自分たちの気持ちやペースで活動できている実感が非常にしています。

となると、再びメジャーでのリリースにも多少の矛盾は感じます。というのも、それはある意味、今みなさんがおっしゃられたことの逆、いわゆるかつてのジレンマにまた陥る懸念もあるわけで。

伊藤

その辺りも理解の上での今作のリリースだったりもするんです。今回のリリースに関しては、当初から決定していた久々のワンマン(2019年10月15日@相模原市民会館ホール)のプロモーションのノウハウを教示してもらおうと、まずはもともと自主でミニアルバムを出すつもりで制作していた新曲をレーベルの方に聴いてもらったんです。ところがそれが思いのほか気に入ってもらえて、しかも“フルアルバムで出そう!”との提案までいただいたんです。自分たち的にもそこまで理解してくださるとは意外で。で、先のトラウマもあったんで(笑)、“せっかくだったら本当に自分たちが作りたいものを作らせてほしい”とのリクエストを聞いてもらったんです。

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