【GOOD ON THE REEL インタビュー】
この曲たちがGOOD ON THE REEL

L→R 宇佐美友啓(Ba)、伊丸岡亮太(Gu)、千野隆尋(Vo)、高橋 誠(Dr)、岡﨑広平(Gu)

セルフタイトルを掲げたセルフカバーベストアルバム『GOOD ON THE REEL』。全曲を新レコーディングし、ドラマ『コーヒー&バニラ』のオープニング主題歌として書き下ろした新曲「YOU & I」も収録する、まさに渾身の一枚ついてメンバーを直撃した。

セルフタイトルを付けるなら
今しかないと思った

自分たちのレーベル“lawl records”を立ち上げて、ミニアルバム『光にまみれて』(2018年1月発表)を出して、そこから次にどんな一歩を踏み出すかと思っていたら、ユニバーサルミュージックアーティスツ合同会社とパートナーシップ契約だったわけですが、その決断理由というのは?

千野

もっといろんなことにチャレンジしたくて自分たちのレーベルを立ち上げたんですけど、その可能性をさらに広げたくて契約したって感じですね。

今の心境は2015年にユニバーサルミュージックから『ペトリが呼んでる』を出した時とはまた違いますか?

千野

違いますね。今はチームみたいな感覚なんですよ。

伊丸岡

当時はまだよく分かってなかったから、周りに言われるがままやってたところがあったんですけど、今はちゃんと自分たちの意見も言いつつやれていますね。

なるほど。そして、その第一弾となる本作ですが、このタイミングでなぜセルフカバーアルバムを出そうと思ったのですか? 

千野

やはりリスタート的な気持ちがあったので。

宇佐美

前作の『光にまみれて』を出して以降、1年くらいリリースだったり、ワンマンツアーだったりの自分たち発信の活動ができていなかったので…あと、“昔は聴いていたいたけど、最近は…”という人たちとかにも、もう一度興味を持ってほしいという想いもあって。それとスピード感ですね。前作から期間が空いてしまったんで、時間を掛けずに出せるものっていうことでも。

セルフカバーを出すとなると、一番の難関は楽曲のセレクトだと思うのですが、セレクトの基準はどういうものだったのですか?

伊丸岡

メンバーの入れたいもの(笑)。基本的には多数決でしたね。

千野

あとは、ライヴでお客さんが喜んでくれる曲。「素晴らしき今日の始まり」「それは彼女の部屋で二人」「ゴースト」「ハッピーエンド」は定番となっているので、これらはマストで入れようと。その他の変わったチョイスの曲は多数決だったり…

伊丸岡

願望だったり(笑)。

千野

1票しか入らなかった曲でも、その人の熱意で(笑)。そういう感じで、CDの収録限界時間ギリギリまで入れられるだけ入れました。

そんな作品にセルフタイトルを掲げているわけですが、それも最初からそうしようと?

千野

そうですね。セルフタイトルを付けるなら今しかないと思って。第二章的な想いもあるし。

レコーディングはいかがでしたか? 全体的に重心が低くなってタフになった印象があるのですが。

岡﨑

前のレコーディングの時にはできなかったことをいっぱいやってたりしているので、それぞれの頭の中に“あそこのフレーズはもっとこうしたほうが良かった”とかの構想があったんですよ。だから、スムーズっていうか、楽しくレコーディングができましたね。

伊丸岡

レコーディングは普通に楽しかったですね。既存の曲だからやりたい放題にできるというのもあるし、みんなとも“ここをこうしよう”って話し合ったりして、そういう意見交換が面白かったです。

千野

アレンジャーが入って大きく変わったものもあるんですけど、ライヴでやってる曲はあまりアレンジを変えないほうがいいだろうっていう結論になったので、今のライヴでやっている状態のものをパッケージする感じでしたしね。昔にレコーディングしたものって、そこで初めて歌うものもあったんですよ。歌詞を当日になって変えたりして、スタジオで1回も合わせずにぶっつけ本番とか。だけど、今回は新曲以外は全部やってますからね。だから、ライヴの定番曲は歌も勢いがあるっていうか、力強く歌えました。

宇佐美

ライヴでやってるっていうことで、慣れっていうのが大きいのかなって。あまりやってなくても昔からある曲だし。普段のレコーディングの時って新曲だと初めてで、まだ馴染んでいないから、結構いっぱいいっぱいだったりするんですよ。だけど、慣れている曲だから余裕を持って臨めたというか、全体が分かった上でフレーズも変えれたりして、そういうところが重心の低さやタフさになって表れていると思いますね。

岡﨑

僕、結構フレーズを変えたんですよ。昔はチョーキングとかハンマリングとかの技を使うのが苦手で…どちらかと言うと嫌いで、やりたくなかったんです。でも、年齢を重ねるうちに、そういう表現も面白いと思えるようになってきて。なので、今回のレコーディングではそういうギターの技法を入れました。ギターが上手くなったっていうわけではないんですけど(笑)、そういう技法に好奇心が生まれたってことなんでしょうね。もしも数年後にまた再レコーディングする機会があったとしたら、また演奏が変わっていると思います。

高橋

今回初めてドラムテックに入ってもらったんですよ。いろんな機材を持って来てくれたので、ディスカッションしながら“このスネアがいい”とか選んでいったんですけど、もうそこから楽しかったですね。今までだと自分ひとりでいろいろやって、録ってくれるエンジニアさんやメンバーと相談して決めてたんで、単純に楽だし、いい音で録れるしって。あと、そのドラムテックは昔からの友達だったので、初めて一緒に仕事ができたのも嬉しかったです。

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