ねごとラストライブに見た12年。“ね
ごと”とはなんだったのか
Photgraphy_Azusa Takada
Text_Tomoyuki Mori
Edit_Ado Ishino(E inc.)
12年の月日が魅せた圧倒的濃度のステージ
「こんばんは、ねごとです」(蒼山)という挨拶、シンバルによるカウントから「透き通る衝動」へ。さらに「DESTINY」「sharp♯」とアッパーチューンを続け、ぎっしり埋め尽くされたフロアの熱気を一気に上げる。
ねごとの豊かなポップネスが伝わってきたのは、ライブ中盤で披露された「ふわりのこと」。アルバム「ex Negoto」(2011年)に収録されたこの曲は、蒼山の地元(千葉県)の家から最寄り駅までの風景を描きたナンバー。叙情的な手触りのメロディ、身近な情景と等身大の思いが込められた歌詞、歌を引き立てることを意識したアレンジなど、ねごと流のJ-POPと呼ぶべき楽曲だ。ファンの間でも人気が高く、この日もしっかりと聴き入っている観客の姿が印象的だった。
ライブ中盤で個人的にもっとも心に残ったのは、「サタデーナイト」「水中都市」だった。5thアルバム「SOAK」に収録されたこの2曲は、BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之がサウンドプロデュース、レコーディングエンジニアを担当。エレクトロ、ハウスなどのテイストを取り入れ、バンドとダンスミュージックを融合することによって、ねごとの音楽世界は大きく広がったのだ。特に「水中都市」は楽曲の後半から生々しいバンドサウンドに移行、シンセベースと生のドラムを軸にしたディープな音像を描き出してみせた。
そう、ねごとはメンバー自身の欲求に従いながら、新たなサウンドを果敢に取り入れてきたバンドだった。そのポイントとなったのは、4thアルバム「ETERNALBEAT」。Underworld、The Chemical Brothersをきっかけにクラブミュージックに傾倒した沙田が、その影響を楽曲づくりやサウンドメイクに持ち込み、ねごとの音楽を大きく進化させたのだ。当時は数曲をDJ的につなぐステージを展開していたが、快楽的なダンスミュージックに“エモい”バンドサウンドを有機的に結びつけることで、ライブパフォーマンスの質も確実に向上した。その“成果”は、この日のライブにもしっかりと反映されていたと思う。
ねごとラストライブに見た12年。“ねごと”とはなんだったのかはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
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