【レポート】卑弥呼のバッハ探究「M
aho Plays Bach」を終えて…
バッハを弾き、語る会
会場は水道橋にあるこじんまりとしたバーで、こちらを貸し切りにして、お客さまにはドリンクとおつまみ片手に聴いていただきました。
正直通常のコンサートホールに比べるとかなりお客さまとの距離が近いので、奏者としては慣れない感覚でしたし(トークの声が震えていたと指摘されたレベル/演奏することに対しての緊張はさほどなかったのだけれど)、ヴァイオリンの音って至近距離で聞くとけっこう大音量なので、特に前列の方は大丈夫だったかしら…と思ったのですが、お客さまには「こんな距離でヴァイオリンを見たり聴いたりするのは初めて!/なかなかない!」と概ね喜んでいただけたようで安心しました。
ほかの作曲家が紛れている…
ここで当日のプログラムをご覧にいれましょう。実はよく見るとバッハではない作曲家がまぎれこんでいます。彼の名は…イザイであります。イザイとはヴァイオリン界隈では知られた作曲家ですが、一般的知名度はさほど高くないかもしれませんね。
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このベルギーの作曲家は、バッハのまねをして、ヴァイオリンのための無伴奏作品を生み出します。そこにはたくさんのオリジナリティが盛り込まれていて、ときに「バッハにはこれは書けなかったろうな」と思わせられることもあります。
でもイザイは自分の作品のルーツとなったバッハ作品に多大なリスペクトを見せて、さまざまなオマージュを盛り込んでいます。今回わたしがイザイの6番ソナタを選曲した理由は、同じく6番目の曲として書かれたバッハのパルティータ第3番と同じホ長調だから。実はイザイのソナタ第2番というのがわかりやすくバッハのパルティータ3番をもじっているのですが、今回はあえてそちらではなく“6番目どうし”を並べてみました。
そして最後に演奏したバッハのソナタ第3番のあとに、アンコールでも再びイザイをお持ちしました。この日はホ長調に始まったので、ホ長調で終わるイザイのソナタ4番の3楽章でお開きといたしました。
お客さまの声
ご来場のお客さまからのお声をいくつかご紹介いたします。
バッハの無伴奏ソナタ第3番のフーガが圧巻。コンサートホールではなく、小さなバーでの演奏。めちゃくちゃ近くで聴いてしまった
いつも聴くヴァイオリンはピアノがつきものでしたが、(無伴奏のプログラムは)いつもと違う感じでおもしろかったです。真帆さんのトークを聞きながらなるほどと思いつつ、楽しい時間でした
トークを聞いて、どんな作品も過去の作品群の流れの中にあるということを感じた。演奏、話す内容は奏者がこれまでに歩んだ道、努力、知識、思索がしっかり出ているなと、感服でした
またいつか無伴奏で
またイザイの6つのソナタも、まずは一度、全ての曲をそれぞれ本番で弾くのが目標です。いつかはバッハだけ、イザイだけのプログラムをできたらいいなとも考えています。
またみなさまに聴いていただけるような機会を作りますので、その際はぜひによろしくお願いいたします。このたびは、ご来場&ご視聴並びにご声援をありがとうございました!
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