【<MUSISION FEST>インタビュー】
フラチナリズム「一番大事なのは、そ
の空間というか空気ですよね」
2019年5月25日(土)に上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)で開催される<MUSISION FEST 2019>の出演を目前に、フラチナリズムに話を聞いた。
モリナオフミ:はい。完徹の24時間、二度とやりたくないですね(笑)。
タケウチカズヒロ:エグくて苦かったですね。
モリナオフミ:それが最高だった(笑)。普通のマンションなので「本当にバンバン音出してやっていいのかな?」みたいなところはありましたね。
──MUSISIONじゃないと不可能ですから。
モリナオフミ:そうなんですよ。自分の家でもついやっちゃうと、隣から「ドン!」っていうありがたいバスドラのいいキックが入りますからね。
──ミュージシャンにとって、自宅での音出し練習は悩ましい問題ですよね。
田村優太:ギターとベースは、ヘッドホンをつければある程度練習できますけど、ボーカルとドラムは大変ですよ。
都築聡二:ドラムは厳しいですね。そもそも生ドラム自体を自宅に置いて練習している人って、ほとんどいないと思いますし。
──そうですよね。持ってもいないのに始めるなんて、変わった楽器かもしれない。
都築聡二:生ドラムの練習は自宅では絶対できないので、パットみたいなやつでタカタカタカタやったりとか。それでもポストに手紙が入ってて「タカタカうるさいです」って。だからなかなか大変すよね。
──そこでへこたれて辞めちゃう人もたくさんいるんでしょうね。
都築聡二:いると思います。僕は辞めませんけど。
──自宅練習が無理となると、貸スタジオに行くしかないですか?
都築聡二:はい。本物の生ドラムを叩くとなるとスタジオに入るしかないですね。
──スタジオ代のお金がかかるなあ。
都築聡二:そうですね。限られた時間を有効活用するために、どういう練習が効果的なのかを考えてやるしかないですよね。
モリナオフミ:ボーカルも家では一切歌えないです。僕は声がでかいんで余計に。新曲を作るときも、オクターブ下で仮歌を入れたとしてもやっぱり響くので、隣の人から怒られちゃう。曲作りのときもアコギがまたうるさいんで、おそるおそる触るようにコードとメロをつけて、実際はスタジオに歌いにいくことになります。
──皆さん騒音問題には苦労しますね。
モリナオフミ:ボーカルはカラオケっていう手もあります。僕はモノマネなんかもやらせてもらっているので、そういうのをやったりするときはカラオケで練習したりします。家では動画とかを見て歌い方を研究して、それを実践するのはスタジオだったりカラオケボックスだったり。
──家とスタジオではやるべきことが違うんですね。
モリナオフミ:そうですね。メロ書いたり歌詞書いたりは家でもできるし。
──その点、ギタリストは楽ですか?
田村優太:いや、そんなこともないんですよ。アレンジをするときも、ヘッドホンだけじゃわからないので音を出すんですけど、僕の場合は引っ越した段階で近所の人に「音楽をやってるんで」って話をしておきます。要は、周りを取り込んじゃうっていう。
タケウチカズヒロ:えらいな。
田村優太:オレ、周りには絶対挨拶しに行くから。「音があれかもしれません」って。顔見知りにはなっておきたいタイプだね。それでなんとかギリギリなことはできる感じかな。
──ベースも、スラップの練習などは意外と響いてうるさいとか。
タケウチカズヒロ:夜中はやらないように気をつけてますけど、でもそういう意味ではベースは楽なんじゃないですかね(笑)。普通に家でもやれますよ。
──とはいえ、実際は音を出さないとわからないことや練習にならないこともありますからね。
タケウチカズヒロ:もちろんありますね。そのアンプで音を作るときもありますし、空気で感じるのは大事というか必要なんで、そうなってくると家では簡単にはできないですよね。
──そういう意味では、やっぱりMUSISIONに住みたいですね。
タケウチカズヒロ:バンドの誰かが普通にMUSISIONに住んでいれば、みんなで音を合わせるとか確認したりアレンジを詰めたりとかできますよね。スタジオに行かなくていいわけですから。
──使いこなせれば、むしろ安上がりですかね。
タケウチカズヒロ:そうだと思います。楽曲制作もいい感じになると思います。
──フラチナリズムの楽曲制作は、どのように行っているんですか?バンドでジャムって?
モリナオフミ:いや、ほとんど作り込んで生まれてくるのが多いです。僕がアコギでコードとメロをつけたものを田村に投げて、田村がフルアレンジする形です。それを受け取って、みんなそれぞれがアレンジして実際にスタジオで出すっていう流れですね。
──制作過程はクールなんですね。ステージングはあんなにエンタメなのに。
モリナオフミ:曲を作る段階では妙なテンションの曲もあれば神妙な面持ちの曲もあるんですけど、アレンジする田村がそれらを見事に察知して、固めていきます。
田村優太:でも、初めて演るときはどんなテンションなのか迷いますよ(笑)。
モリナオフミ:どうアプローチしたらいいんだろ、って?
田村優太:モリくんは作っているので想いとかも乗ってくると思うんですけど、こっちはまだ想いも共有できてないので、「モリくんだけテンションが高い」とか、そういうときはあります(笑)。
──認識のタイムラグがあるんですね。
モリナオフミ:関わってる時間に違いがありますからね。
──<MUSISION FES>では、どんなライブになりそうですか?
モリナオフミ:僕がセットリストを決めるんですけど、多分やるのはフラチナリズム的には王道というか、面白いもありつつ、アクセントとして神妙な面持ちの曲とかも入れていくのかな。どかんと盛り上げつつもぐっと心にくるようなものもひとつ残していくような、そんな作り方になっていくんじゃないかなと思います。最終的には、MUSISIONの契約を1件決めて帰りたいなと思いますね(笑)。「KAN&PAI」を演りながら「契&約」というわけです。せっかくの野外なんで、ステージだけがステージじゃないぞというところも踏まえて、人が多いところに行っちゃいそうです(笑)。
モリナオフミ:そうですね。「野外」「フェス」って一番得意と言っても過言ではないぐらいなので、「楽しんでやるぞ」っていうお客さんのテンションに乗っかりつつも、僕らはさらにハイテンションで波を起こしたいと思います。
──騒いでいるボーカルとベースを、ドラムとギターのふたりは冷静沈着に見ている感じ?
都築聡二:「面白いなあ」って思ってます(笑)。「この人たち、ほんと面白いなあ」ってね。
タケウチカズヒロ:その姿勢だけは一貫してるね(笑)。
都築聡二:お客さんと一緒に笑いをシェアしています(笑)。
モリナオフミ:いつも「ボーカルを強めに返してください」って言っているのは、面白いことを聞き逃さないため(笑)?
──とても楽しみにしています。
──なるほど。
モリナオフミ:ライブってすげえ楽しいから、やっぱ興奮しちゃうでしょう?力入り過ぎちゃうとあれなんで、力抜いてスッとパッと出てきたい。その場、その一瞬しかないライブをやりたいですね。
取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也
2019年5月25日(土)
@上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)
自由席 4,000円(税込)・当日4,500円(税別)
【ローソンチケット】 TEL:0570-084-003 Lコード:71721(
【チケットぴあ】 TEL:0570-02-9999 Pコード:147-382(
【e+】https://eplus.jp/musisionfest
開場/開演:12:00/13:00
出演(順不同):The Cheserasera、音速ライン、浅草ジンタ、浜端ヨウヘイ、関取花、kitri、フラチナリズム、MAISON“SEEK”
おすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00
人気
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第1回 『自己紹介を。』 -
2014.12.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第3回 『魔法の言葉は在るということ、を。』 -
2015.02.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第2回 『忘れられていることを。』 -
2015.01.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第16回 『巡り合いを。』 -
2016.03.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第5回 『新年度を。』 -
2015.04.20 00:00