【CONCERTO MOON インタビュー】
今後も日本人ならではの
HR/HMを表していきたい

L→R 三宅 亮(Key)、中易繁治(Ba)、芳賀 亘(Vo)、島 紀史(Gu)、河塚篤史(Dr)

常にティピカルな日本人ならではのHR/HMにこだわり活動してきたCONCERTO MOONが昨夏、クリアーなハイノートで歌をしっかりと伝える新リードシンガー芳賀 亘とセンスあふれる新キーボティスト三宅 亮を迎え新生した。その彼らがこの度、完全再録音したベストアルバム『OUROBOROS』を発表。初期曲を現在に息吹かせた今作についてを島 紀史(Gu)と芳賀に語ってもらった。

音楽として重要なのは
歌やメロディーが伝わるかどうか

これまでのCONCERTO MOONのリードシンガーは歴代、比較的パワフルでストロングなタイプでしたが、今回の芳賀さんは歌声もクリアーで聴きやすく、従来とは違ったタイプですね。

一般的に自分はマンリー(男らしい)な歌声のリードシンガーを好みそうな印象でしょうが、実はそうでもなくて。遡ると初代リードシンガーの尾崎隆雄さんもハイノートでメロディーを丁寧に歌うタイプだったし。そこからここまで趣向の変化に伴いリードシンガーのタイプも移ってきてはいましたが、そもそも自分の作るメロディーは澄んだハイノートで歌えるリードシンガーのほうが、より活きるし、聴いてくれる方にも伝わるんじゃないかって気持ちに、ある時から移ってきたんです。

確かに、島さんの作るメロディーや楽曲は根底に美しさを宿してますもんね。

で、前任が辞める際に、これまでのようなマンリーに歌える人間のチョイスは避けようと決めたんです。ここでまたマンリーなリードシンガーのチョイスは誰でも想像がつきやすいでしょうし。

ところで芳賀さんとはどこで出会われたんですか?

最初はリードシンガーを公募したんです。デモテープ…いや、今の時代はデータか(笑)。集まったそれらも全て聴いたんですが、どれもしっくりこなくて。そんな中、以前に一緒に対バンしたことがある芳賀を思い出したんです。非常に伸びやかなハイノートで歌えるリードシンガーだったと記憶していて、他にもミドルやローもしっかりと表現できそうな可能性も感じていたんで、レーベルを通じ打診してみたんです。

実際に芳賀さんはCONCERTO MOONで歌ってみていかがでしたか?

芳賀

歴代の方々のようには歌えないことは自覚しつつ、今はまだ自分の中での良い部分を出す努力をし、正解を探っている段階です。正直言って、島さんからのリクエストには不得手なものもあって。しかし、そこをカバーするために、“自分だったらこう歌う”や“良い部分が心に届くように”ということを意識して、今はそこを目指してます。その苦手な部分に関しても徐々にですが、克服できている感もありますし。

自分としても“あっ、あの曲は芳賀が歌うことによってこう活きるのか!?”という発見も多々あって。“こういうハイノートで表現してもらうと、自分のメロディーはこんなにも伝わりやすくなるんだ”と感じたり。

島さんのメロディーの美しさや繊細さ等の細かいニュアンスがより伝わりやすくなりましたもんね。

最近の取材でも“実はこんなにきれいでメロディだったんだね”って言われたりもしました(笑)。何よりも音楽として重要なのは、ジャンルやタイプ問わず、やはり歌やメロディーですからね。そこが伝わるかどうか。芳賀が入ったことで、その部分がより押し進められるかなと。

若いですしね。

ルックスもいいし(笑)。もちろんそれも彼を引き入れた一因でもありました(笑)。でも、芳賀のすごい面は、物事に対しての真摯さや真面目さなんですよ。ほんと吸収と消化がすごいんです。日に日に成長してるし、ライヴ毎やリハーサル毎に伸びてますから。その伸びしろも無限大だし。逆に以前から芳賀を知ってる方は、きっと今の彼に驚きますよ。“こんなタイプの曲も歌える男だったんだ!?”って。まっ、俺は予見してたけど(笑)。

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