香川出身の中村悠一、十数年ぶりの故
郷で「さぬき映画祭」初参加
中村悠一と本広克行監督
中村悠一と本広克行監督 「さぬき映画祭2019」で、「劇場版 機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer」が2月10日、香川・イオンシネマ綾川で上映され、香川県木田郡庵治町(現・高松市)出身の人気声優・中村悠一と映画祭ディレクターの本広克行監督が登壇した。
同映画祭には初参加、十数年ぶりに高松に帰ってきたという中村。「街の様子が大幅に変わっていた。高松駅寄りの方が華やかになっていましたね」。香川県の観光PRキャラクターである「うどん県観光課係長 うどん健」の声を担当しているが、「方言は忘れてしまったので、指導の方をつけてもらいました」。上京後、養成所に通ったことで、標準語のイントネーションを身につけたそうだが、唯一直らなかったのは、讃岐弁独特の言い回し。「ご飯食べた後に『お腹おきた』(お腹がいっぱいになったの意)と言ったら、ある時、『中村さんはご飯を食べた後になんで怒っているの? お腹おきたって、腹が立つという意味でしょ?』と聞かれて、これは標準語じゃないんだと初めて気がついた」と語った。
映画祭参加は、本広監督の3年越しのラブコールが実って実現。中村は「ありがたかったですが、お話をもらった時に、何か映画に出ていたっけ? と思ったんです。実写じゃないといけないのかな、その年に近い作品じゃないといけないのかなと勝手に思い込んでいたんです」と釈明。本広監督からは「いい声ですね。聞き入っちゃいました。僕は声がいい人を選ぶんです。実は中村さんも狙っています」という出演ラブコールもあった。
声優を目指したきっかけについて聞かれると、「最初になりたかったのは声優ではなく、ハリウッドスターだったんです」と告白。「当時はアクション映画がブームで、トム・クルーズが若手と言われた時代。僕はメル・ギブソンが好きで、ほかにシュワちゃんが全盛期でした。こういうバイオレンスな世界で生きてみたいと憧れたのですが、無理だと分かった。でも、日本語に吹き替える作業ならできる。声だけハリウッドスターになれると思ったんです」と明かした。
最後に、香川から声優を目指す人に向けては「声優は東京じゃないとできない仕事なので、庵治町を離れないといけない。最初から、バンバン仕事も来ないので、親や友人など周りにサポートしてもらわないといけない。自分のわがままを貫くためには、いかに人間関係を築けるかが大事。お世話になった方々に後々返していきたいと思いながら、頑張っていくためにビジョンを持つことが重要だと思います」とエールを送っていた。
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