【銀杏BOYZ ライヴレポート】
『世界がひとつになりませんように』
2019年1月15日 at 日本武道館
2019年1月15日 at 日本武道館
峯田がたったひとりでステージに登場し、スクリーンに映るギターを背負う姿に大歓声が起きたオープニング。“誕生日であり、葬式であり、結婚式みたいな日かもしれない”と1月15日というバンドにとっての大切な日を語ると、“今日という日をどんなに待ちわびたか”と喜びを伝え、「生きたい」の弾き語りでステージが始まる。
日本武道館を埋め尽くすひとりひとりに訴え掛けるように、渾身の歌声を聴かせる峯田。曲中にバンドサウンドが加わるとその声は強大な音像とともに大会場に響く。1曲目から命を鳴らすような演奏と唄で圧倒したあとは「若者たち」「駆け抜けて性春」と勢いある曲に会場中から歌声と拳があがり、新曲「GOD SAVES THE わーるど」の披露に客席がどよめく。
さらに「恋は永遠」や「夢で逢えたら」といったラブソングが続くと、「新訳 銀河鉄道の夜」ではミラーボールの光が星空となって会場を照らし、愛とやさしさとセンチメンタルが会場を包み込む。ゲストに迎えたDr.kyOnの美しいピアノに乗せて歌ったRCサクセションのカバー「スローバラード」に続き、ピアノと歌で始まった「光」は強烈な光を放つようにバンドの爆音が鳴らされ、峯田の咆哮に近い魂の叫びが心を揺さ振る。
僕は「光」や“ロックンロールで世界を変えることはできないけど、君の世界を変える”と歌った「僕たちは世界を変えることができない」を聴いて、この日のライヴタイトル“世界がひとつになりませんように”のことを思っていた。銀杏BOYZのライヴや音楽に“一体感”という言葉は似合わない。実際、この日も観客それぞれが“自分の歌”を受け取っていたし、峯田も群衆でなくひとりひとりに歌っていた。そう、世界はひとつなんかじゃない、人の数だけ世界はあるのだ。最後に“ズルしてでもなんでも、どうにかして生き延びてください”と、もっとも伝えたいメッセージを届けた。誰かではなく君が生き延びるため、峯田は歌い続けているのだ。どうか、世界がひとつになりませんように。
撮影:松木宏祐/取材:フジジュン
編集部おすすめ ライブレポート
-
【銀杏BOYZ ライヴレポート】 『世界がひとつになりませんように』2019年1月15日 at 日本武道館
2019.01.23
-
【銀杏BOYZ ライヴレポート】 『日本の銀杏好きの集まり』 2017年10月13日 at 日本武道館
2017.10.20
-
【銀杏BOYZ】『銀杏BOYZ presents「東京のロック好きの集まり」』2017年5月28日 at 新木場STUDIO COAST
2017.06.05
-
【銀杏BOYZ】『銀杏BOYZ「世界平和祈願ツアー 2016」』2016年6月22日 at Zepp DiverCity Tokyo
2016.07.02
-
【銀杏BOYZ】銀杏BOYZ Zepp TOKYO 2008年1月21日
2008.01.20
おすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00