【Aldious インタビュー】
みんながみんな
不可能を可能にできたら
L→R サワ(Ba)、トキ(Gu)、Re:NO(Vo)、Yoshi(Gu)Marina(Dr)
12月まで続く全国ワンマンツアーのツアーの模様を収録したライヴDVD『Aldious Tour 2018 “We Are” Live at LIQUIDROOM』に続き、待望の新曲を収めたミニアルバム『ALL BROSE』が到着! 今の彼女たちからのメッセージが温かく響く作品だ。
2017年はアルバム『Unlimited Diffusion』のリリースがあって、さらにミニアルバム『We Are』のリリースもあって多忙でしたけど、今年はツアー三昧ですか?
Yoshi
昨年は47都道府県のツアーが追加公演含め54本で、そのひとつ前のツアーもあって、さらに『Unlimited Diffusion』と『We Are』も出たので、そんな昨年と比べると今年はちょっとゆったりしてる感じはありますね。
Re:NO
その経験をしたからこそ“次はどうしよう?”っていうことで、逆に私は今年のほうが葛藤してます。昨年は全国制覇を目標に“何があってもやってくぞー!”みたいな勢いでやってたんですけど、もう同じことはできないっていうのと、レベルアップしたAldiousを観せたいっていうプレッシャーもあったりして気持ち面で全然違いますね。
具体的にどういうかたちでレベルアップした姿を観せるのかを考えなきゃいけないですからね。
Re:NO
手っ取り早く考えられるのはセットリストだったり、お客さんの盛り上げ方だったりで。曲を入れ替えるだけでお客さんがノリやすくなったりするんですよね。そういうところを昨年よりはすごく考えて、古い曲を入れてみたり、“えっ、ここだけでこの曲やるの?”っていう驚きの一面を作ったりしています。そういう常に驚かせられるバンドでいたいっていうのを今年の目標にして、私は回っています。
今回のライヴDVDは4月からスタートしたツアーの前半戦ラスト、7月の恵比寿LIQUIDROOM公演を収録したものになるんですね。
Yoshi
恵比寿LIQUIDROOMってAldiousのライヴDVDの中では一番キャパが小さくて、ハコのかたちも縦長なんですよ。会場が横長だとお客さんの声が分散しちゃって距離感を感じてしまうことが多かったんですけど、このライヴは声がガツン!と塊になって届く感じがあって楽しかったので、それが映像からも伝わるかなと思います。あと、後ろのスクリーンに歌詞が出るようにしていただいたライヴが作品になるのは初めてだと思うので、そこにも注目してもらいたいですね。
Re:NO
曲は知ってるけど歌詞までは知らない、一番なのか二番なのか分からないという人っていっぱいいると思うんですよ。でも、歌詞が後ろに出ているからマイクをバッと向けたら大声で歌ってくれるんです。そういう歌声だったり声援とかが、本当に生で入ってるDVDになってます。
トキ
私はAldiousのライヴを客席で観てみたいんですよ。当然なんですけど、自分はステージに立つほうだから観られないじゃないですか。レーザーが煌びやかだったりとか、みんなが一斉にヘドバンしてるところとか。だから、ライヴDVDが出るたびに私もファンのひとりの気持ちになって、“こんなバランスで聴こえるんだ!?”とか“こんな音圧なんだ!”ってわくわくしながら観ているんです。あと、このツアーは“We Are”っていうタイトルなんですけど、それは私たちだけじゃなくて、応援してくれてるファンのみんなも全部ひっくるめてAldiousだという意味で、それが本当に実感できる、一体感のあるライヴだったから、こうして一生残るかたちにできて嬉しいです。
ミニアルバム『All Brose』についてもうかがいたいのですが、どういうテーマで作ったのでしょうか?
Yoshi
メンバー5人で選曲会をして、各自のデモを聴き合って厳選した4曲になります。王道の曲、バラード、ちょっと変わり種の曲、ポップ路線…そういう曲をバランス良く選びました。前作の『We Are』の時もそうだったんですけど、その時の必要だと思われる曲を選んでいったらこのかたちになったというう感じですね。
では、“All Brose”というタイトルについては?
Re:NO
“Brose”というのは“Blue Rose”を略した言葉なんですけど、“Blue Rose”の花言葉が“不可能を可能にする”なんですね。すごくいいなぁと思ったのと、トッキー(トキの愛称)が作ってきた曲「BLOWS」のメロディーを聴いた時に“不可能を可能にする”をテーマにして歌詞を書こうと思ったんです。“BLOW”は“打撃”っていう意味なんですけど、打撃って意味だけで受け止められちゃっても嫌だと思ったので“Brose”にして。で、“悲しいことがあっても何があっても打撃に耐えていこう。それはなぜかと言うとあなたたちがいるから”っていう前向きな歌詞を付けました。あと、“All”は「All of You」から取ったんですけど、みんながみんな不可能を可能にできたらっていう想いを込めてます。ただ、その時の自分の状況や環境、心情を素直に歌詞にしたら、あまりに素直すぎたので英詞にしました。日本語だとちょっとストレートすぎるし、薄っぺらすぎるので。
「モノクローム」は曲も歌詞もサワちゃんですね。
サワ
この曲は歌詞に注目していただきたいですね。自分が歌詞を書く時はこだわりがあって、リアルを持ち込みたくないっていうのがあるんです。なので、いつも自分の中で物語を作り上げて、幻想的な歌詞を書くようにしてたんですけど、ちょうどこの曲を制作してる時にプライベートでいろいろなことがあって、それを歌詞に活かしたいと思ったんですね。だから、ちょっとリアルな感じの歌詞になってるかなと思います。
1曲目の「Monster」はAldiousの王道的な楽曲ですね。
Yoshi
選曲会で私が出した曲の中で一番人気で選ばれました。今まで自分が作った“Aldiousらしいね”って言われる曲って、何も考えないでジャーン!って弾いて作った曲なんですよ。すごく考えてアレンジを凝った曲は採用されないんですよね(笑)。何も考えてないからこそ、本当に自分の素の部分が出た曲になってると思います。
そして、「BLOWS」はトキさんの曲という。
トキ
拳をあげたり、みんなで合唱したりとかライヴ映えするノリノリの曲を書くことが多かったんですけど、「BLOWS」に関してはRe:NOちゃんに歌ってほしいメロディーというのを意識しました。あと、自分的に挑戦したいことがあって、全面にギターのカッティングが入ってる曲を作ってみたかったんですよ。軽快なチャカチャカしたようなカッティングのフレーズとか、ドラムもベースも跳ねてるようなリズムとか、そういう曲があったら面白いんじゃないかなと思って。Re:NOちゃんが前向きで背中を押してくれるような、力になってくれるような、温かい歌詞を乗せてくれたので、デモの段階よりもグッと良くなりました。
Re:NO
歌詞の最後で“こういう想いをしているのは、きっと私だけじゃない”っていうことを歌ってるんですけど、そこが自分的には一番聴いてほしいところで。“私だけじゃないし、あなただけでもないよ”と背中を押せるような曲になったらいいなって。ネガティブとか、ただただ前向きなだけじゃなくて、辛いながらも踏ん張ってるのはみんなも同じっていうことをテーマに書いてます。
今回のミニアルバムはどんなふうに聴いてもらいたいですか?
Yoshi
「Monster」はライヴで一緒に楽しもうぜ!って感じなんですけど、あとの3曲は入り込む系の曲なので、歌詞をじっくり見て聴いてほしいですね。「モノクローム」は星空とかの情景が浮かびやすい歌詞だし、この3曲は本当に歌詞が伝わりやすいと思うので。「All of You」は大半が英詞なんですけど、今回はブックレットに和訳が付いているので、じっくり手に取って読んでもらいたいです。ダウンロードとかじゃなくて、本当に製品を手に取って。ブックレットだけ抜いて手元に置いとくとか、それくらいしてほしい作品に仕上がったと思っています。
12月にはツアーの追加公演も控えていますね。
トキ
今回のミニアルバムの収録曲でまだライヴでもやってない曲もあるんですけど、ぜひ生でこの曲たちを聴きに来てほしいですね。来年の予定がまだ未定なので、次はいつ聴けるか分からないので、この新曲たちを聴けるチャンスだと思ってもらえれば。
Marina
今回のライヴDVDは本当にライヴ感があって、本当にライヴに行ってるかのような感じの作品なので、これを観ながらヘドバンして準備運動していただいて、その上で今のAldiousをライヴ会場で体験してもらいたいですね。
サワ
常に進化をしていかなければいけないと思っているので、今回のライヴDVDよりもさらに格段にレベルアップしたAldiousの姿をぜひ観届けていただきたいと思います!
取材:舟見佳子
アーティスト
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