【Rihwa インタビュー】
怖いものがどんどん
なくなってきている
Rihwa
約4年半振りにリリースされるアルバム『WILD INSIDE』は、Rihwaならではのカントリーミュージックを多彩に具現化した作品だ。さまざまなコラボレーションも繰り広げられた今作について語ってもらった。
アルバムのリリースは4年半振りですね。
そうなんです。幅広いものになっていますけど、全部が私のやりたいことで、そして私の軸の部分です。自分のルーツにあるものを何度も再確認しながら作っていきました。
ルーツということに関しては、やはりカントリーミュージックが大きいのではないでしょうか?
はい。音楽のルーツはカナダに留学していた高校生の頃に聴いていたカントリーミュージックです。でも、今の自分が面白いと思うものも取り入れていきたくて。ロックも、ファンクも、R&Bも聴くので、好きなエッセンスを吸収した自分なりの解釈のカントリーミュージックが、今回かたちになったと思っています。
Rihwaさんが考えるカントリーミュージックを言葉にすると?
カントリーは幅広くて、限りなくポップスに近いところもあると思うんですけど、私が好きだなと感じるのは“懐かしい気持ちになる”とか“広い景色が見える”というサウンドですね。バンジョーやフィドルとかが入っていなくても、歌の節回しとかでも醸し出されるものがあるんです。今回一緒に制作をしてくれたみなさんも、私の想いを汲んでくださいました。“ここをこうしたらカントリーっぽいよね”というみなさんの感覚も全体に反映されていると思います。
去年、Rihwaさんはアメリカを旅行してナッシュヴィルに行ったりもしていましたけど、そういう経験もカントリーを自分なりに表現する上で活きているのでは?
そうですね。あのひとり旅の途中でシェリル・クロウにお会いして、“Keep it up!”って言ってもらったんです。今思い出しても夢みたい(笑)。そういうのも全部、このアルバムにつながっています。去年、ポリープの手術をした辺りから、私の中で何かが吹っ切れた感覚があるんですよね。不安もあったけど、“本来の自分を取り戻すことができるんだ”というポジティブな受け止め方をしていました。
Rihwaさんの歌声はとても魅力的ですよ。
ありがとうございます。KTタンストールとコラボレーションをした時も、地声の高音部分を褒めていただきました。
今作はさまざまなプロデューサーやアレンジャーが参加していますけど、KTタンストールとのコラボレーションというのはものすごいことですよね。
はい。KTが“コラボしたら面白いよね?”って言ってくれて、“今すぐ行きます!”と連絡しました(笑)。KTは初めて会った時も不思議と初めて会った気がしなかったんです。ソウルが近いんだと思います。今回のコラボレーションでも私のことをすごく理解してくれて、心の奥底にあったものを解放してくれました。
KTタンストールとの曲が3曲収録されていますけど、「Sun Comes Up」はMAROON 5のジェイムス・ヴァレンタインが参加しているのも要注目です。
KTが“もうひとり一緒に制作したらいいと思うんだよね”と言って、ジェイムスを紹介してくれたんです。“なんでこんな機会が巡って来たんだろう!?”と不思議な気持ちにもなったと同時に、“夢は叶う”というメッセージをどこかにいる誰かから託されたような感覚にもなりました。
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDのマーティンやJazzin'parkとか、さまざまな人たちと新しい作風をたくさん開拓したアルバムになりましたね。多保孝一さんとUTAさんとの「MY LIFE IS BEAUTIFUL ~1パイントの勇気~」は、カントリー、アイリッシュ、ダンスミュージックが融合したサウンドがとても新鮮でした。
この曲はリズムから作っていったんです。4つ打ちとカントリーって相性がいいのかもしれないということも感じました。こういうのも“Rihwaサウンドが見えてきたのでは?”と思うことができた体験でしたね。アイリッシュ寄りのサウンドですけど、“Rihwaちゃんらしいカントリーだね”と言ってもらえることが度々あるんです。カントリーにそれほど詳しくない人にもカントリーに通ずる部分を感じてもらえているのが嬉しいです。私とカントリーとの間の距離感もどんどん近いものになってきているのかもしれないです。
人とのつながりによって世界が広がっていく喜びも、このアルバムからはとても伝わってきます。そういう喜びはRihwaさんが音楽活動をする上で大きい原動力ですか?
はい。私が音楽を続ける理由はそこにあると思っています。音楽を始めたきっかけも、カナダに留学していた時に学校のイベントで歌って、心と心がつながり合えた体験だったので。“音楽が私の人生を広げてくれる”と、そこで直感しました。そして、“やっぱりそうなんだな”と思う瞬間がずっと続いています。今回のアルバムはそういうのが一気に来た作品にもなっていますね。この先、さらにかたちにしたいもののイメージもどんどん沸いているんです。だから、次のアルバムは4年半後にはならないはずです(笑)。
(笑)。今作のリリース後はツアーですが、どのような意気込みで臨みますか?
バンドの編成はベースとギターと私という最小限になるんですけど、だからこそ一曲一曲の本質をしっかりと伝えたいです。今後はライヴに関してもいろんなことをやっていきたいと思っています。私、怖いものがどんどんなくなってきているんですよね。“次はどんなミラクルが来るんだろう?”と当たり前のようにワクワクしながら待っています。不安がっていても、ワクワクしていても、同じ時間が流れているし、レールが敷かれているわけではないんですよね。だから、自分自身を最大限に信じて、面白そうだと感じることをやっていきたいと思っています。
取材:田中 大
「Sun Comes Up」MV
「MY LIFE IS BEAUTIFUL
~1パイントの勇気~」MV
「ミチシルベ」MV
「Swing Swing♪」MV
(Rihwa 遊び心Edit)
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