人生の交差点に立ったとき、その先の
道を橋本ひろしの歌が照らしてゆく。
66歳の実業家シンガー、天王洲・銀河
劇場でワンマンコンサートを開催。
日本一ライブが嫌いなシンガーソングライターが なぜソールドアウト伝説を続けるのか?
66歳の実業家シンガー、天王洲・銀河劇場でワンマンコンサート……この字面だけを読んだ人たちは、「おいおい、どっかの会社の社長の贅沢かよ、どうせ社員を集め、会社の経費を使って無理やり喉自慢大会をやってんだろ」といぶかしむだろう。それが、世の中に浸透している社長や実業家、会長などの印象だ。そんな人たちにこそ、橋本ひろしの存在や歌を聞いて欲しい。何より、生でライブを体感していただきたい。
キョウデングループの創業者であり顧問をとしての顔を持つ橋本ひろし。50代を過ぎてから音楽活動をスタート。実業家の顔を隠し、ライブハウスを舞台にインディーズバンドの一つとして活動。多忙なビジネスマンとしての時間を強引に調整し。毎週金曜日には必ず歌っていた。後はソロとなり、2009年にはユニバーサルシグマからメジャーデビューするまでの実力と才能を開花させてきた。以前ほどではないが、現在も定期的にライブ活動を行いながら、コンサートを開催するたびに、彼の歌に心つかまれた数多くの人たちが会場に足を運んでいる。
10月1日(月)、橋本ひろしは天王洲・銀河劇場を舞台に「HIRSHI HASHIMOTO AUTUMN LIVE」と題したワンマン公演を行った。会場には、3階席まで広がるほどの観客たちが足を運んでいた。
たまるかたまるか、こんな流される人生でいいのか!!
まだ明るい場内、舞台に姿を現した橋本ひろしは、おもむろに椅子に座り、訪れた人たちの心を和ますよう軽妙に語り始めた。場内にはサラリーマンが多いせいか、彼は「今日は自分の歌でみなさまの心に溶け込みたいと思います」と軽く前振りをしつつ、「仕事は誰かに与えてもらうか、自分で見つけていくか」など、みずからの仕事に於ける哲学を語りながら、こんな言葉も述べていた。「わたしの使命はたった一つです。やる気。やる気とは自分に飽きないこと。自分の世界を貫いてゆくこと…」と。
まだ明るい場内、舞台に姿を現した橋本ひろしは、おもむろに椅子に座り、訪れた人たちの心を和ますよう軽妙に語り始めた。場内にはサラリーマンが多いせいか、彼は「今日は自分の歌でみなさまの心に溶け込みたいと思います」と軽く前振りをしつつ、「仕事は誰かに与えてもらうか、自分で見つけていくか」など、みずからの仕事に於ける哲学を語りながら、こんな言葉も述べていた。「わたしの使命はたった一つです。やる気。やる気とは自分に飽きないこと。自分の世界を貫いてゆくこと…」と。
「高卒の俺が、なぜ大学を出た人たちと人生を戦えてきたのか…戦いは、何時も心の中にある。俺は悔しいときは何時でも、自分の心と戦って、戦って、戦って!!」。滾る想いのままに、橋本ひろしは音楽に乗せ叫ぶように語り続ける。橋本ひろしの心が大きく高ぶるのを合図に、力強い勇壮な演奏が響きだした。冒頭を飾ったのは、「たまるかたまるか」と連呼する『たまるか』だ。彼は何度も何度も「たまるかたまるか、こんな流される人生でいいのか」と、がなるように歌いかける。橋本ひろしは一人戦いを挑んでいた。それは、観客たちにではない。彼は、自分自身の心と戦っていた。野良犬のように心が飢えていたあの頃を思い返すように。今の自分に安穏とすることなく、今でもみずからを奮い立たせるよう、橋本ひろしは「たまるか たまるか たまるか」と何度も何度も歌い叫んでいた。
「あなたはユニークですか。ユニークとは、一人一人の個性のことです。あなたはユニークで面白い人ですか。それとも、ユニークさを出さずにいる人ですか。あなたは生きていますか」。力強く情熱的な演奏を背に、昂る気持ちを歌に乗せ吐き出すように橋本ひろしは『生きてはいますが』を熱唱。「長生きはしたいけど、もてあましたくはないんだ 一生懸命生きてはいますか」、沸き上がる感情や想いを解き放つように、今にも舞台上から客席へ飛び下りんばかりの姿勢で、橋本ひろしは「一生懸命生きてはいますか」と歌いかけてゆく。「格好良いことは、いままで影でどれくらい格好悪いことをやってきたかの裏返し」。その言葉に、今の彼を支えている情熱の源を実感。演奏陣と熱いセッションをするように、橋本ひろしはパッションあふれた演奏以上に滾るマグマのような感情を吹き上がらせ、一生懸命、そこで歌っていた。
全曲丁寧なMCをはさみつつ 歌と語りが混然一体となり 心をぐっとつかんで いくつもの問いかけや励ましを叩き込まれる ラフなようで 細かく気配りされた 人生ミュージカルのような90分。あっという間にすぎてゆく。
全曲丁寧なMCをはさみつつ 歌と語りが混然一体となり 心をぐっとつかんで いくつもの問いかけや励ましを叩き込まれる ラフなようで 細かく気配りされた 人生ミュージカルのような90分。あっという間にすぎてゆく。
アンコールの声に導かれ、最後の最後に橋本ひろしは『今僕は六本木の交差点に立つ』を熱唱。「この世界に必要のない人なんていない」と橋本ひろしは歌いかける。彼の歌は、人生という岐路で迷い、日々の中で彷徨い、その先の道へ進む術に戸惑う人たちへ向けての応援歌。声なき声を持つ大勢の人たちの心の叫びを、橋本ひろしは歌を通し、変わりに吐き出してゆく。人が交差点に立つのは迷うからではない。幾つもの道へ進む未来を、一つ一つ選べる未来を、そこから一気に眺められるからだ。橋本ひろしは、哀愁たっぷりに『今僕は六本木の交差点に立つ』を歌っていた。その歌声に大勢の人たちがほろ酔いながら、心の中から沸き上がる声を上げていた。彼は言った、「自分の人生の中、自分こそが主役である」と。そんな当たり前なのに忘れてしまっていたことを、橋本ひろしの歌に、ライブに触れるたび思い返す自分がいる。だから僕らは、橋本ひろしの歌を道しるべに、未来の見える道を照らす交差点に立つ勇気を、ここへチャージにしに来る。また今回も、明日へ進もうとする勇気をもらえた気分だ。
気持ちを優しく満たす歌は、明日へ進む大切な栄養剤。
橋本ひろしの歌は、人生の教訓だ。とくに、上の世代や立場、下の若手たちから挟まれ心きゅうきゅう (救急)している中間管理職の方々なら、おでんの出汁以上に染み渡る歌たちだろう。むしろ、こういう歌こそ、今の若者たちの胸に届け、生きる意味を考えてもらいたい。
橋本会長、日々忙しいかも知れませんが、この歌を届け続けてくださいよ。世の中で息苦しさを覚えてる人たちの心に傾ける、元気や希望の一献として。気持ちを優しく満たす歌は、明日へ進む大切な栄養剤ですからね。
気が付くと 彼はステージにイスとテーブルを大量にしつらえ お客さまをステージにあげて 酒を酌み交わしている。なんと自由で やさしい人だ。
気が付くと 彼はステージにイスとテーブルを大量にしつらえ お客さまをステージにあげて 酒を酌み交わしている。なんと自由で やさしい人だ。
PHOTO:TOMOHIRO HATAMOTO
TEXT:長澤智典
橋本ひろし Web
2 鎮魂歌
3 希望
4 どっちかな
4 どっちかな
5 生きてはいますが
6 自由
7 がんばれっていわないで
8 般若心経
8 般若心経
9 ボヘミアン28号
10 ゼンマイじかけの目覚まし時計
11 カラス
12 ハレルヤ
EN 今僕は六本木の交差点に立つ
EN 今僕は六本木の交差点に立つ
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