【みゆはん インタビュー】
さまざまな感情を全てぶつけるように
曲を作っていきたい
みゆはん
“コミュ障シンガーソングライター”みゆはんがついに1stフルアルバムをリリースする。そのタイトルも“ひきこもり情報弱者”! ひきこもりの彼女が音楽を始めたきっかけから、アルバムに込めた想い、未来のことなどをたっぷりと話してもらった。
1stフルアルバムのタイトルが“ひきこもり情報弱者”とは、かなりインパクトのあるものですね。
そうですよね(笑)。このタイトルは自分のことを表現した言葉なんです。自分の家にひきこもっていると外部からの情報が得られないので、好きな情報だけ取り入れるんですよ。そうなると自然と私のような情報弱者が出来上がるんです(笑)。でも、そんな私でも自分の想いを音楽に乗せて伝えられたらいいなと思って、今作の制作に励みました。
その好きな情報はどこから仕入れているんですか?
主に2ちゃんねるのまとめです(笑)。だから、どうしても偏った情報になってしまうんですよ。
あはは。そんなひきこもっている家の中で作られた曲が、このアルバムに収録されているんですね。ちなみに、どのように楽曲を作っているんですか?
いつも曲を作る時は、何か日常で感じたことを曲にぶつけるように作ることが多いですね。1曲目の「ユーアンダイ」は16年間飼っていたペットとの死別を経て書いた曲なんです。1番は明るい前向きな曲に思えるような仕上がりなんですが、曲が進むにつれて少しずつ別れを描いてるんです。最終的には“別れがあっても、それでも前を向いて生きていかなくちゃ”という曲になりました。
レコーディングの時は辛かったのではないですか?
すごく辛かったですね。気持ちをそのまま曲にしているので、歌うとすぐにでも情景が思い浮かんでしまうんです。そのせいで涙が止まらなくなってしまい、レコーディングも“泣き止み待ち”があったんですよ(苦笑)。
それくらいの想いが詰まっているということですよね。
そう思ってもらえたら嬉しいです。あとは、ラブソングも実体験がもとになっています。私は付き合っていた時に思った気持ちや悲しいこと、嬉しいことをそのまま日記に書いているんです。歌詞を書く時、その日記から言葉を掬うことが多いので、生々しい感情がそのまま曲になっているんです。
そう思うと、どんな時の感情も無駄がないですね(笑)。
あはは。本当にそうだと思います。昨年、初めてマイナビBLITZ赤坂でワンマンライヴをした時に感じた想いも、そのまま「ダンシングメトロノーム」という曲にしているんですよ。
そのライヴの映像が目に浮かぶようですな歌詞ですね。
この日、初めて応援してくれる人たちと顔を合わせ、同じ空間で同じ音楽を楽しんだ日だったんです。その瞬間が本当に幸せで、忘れたくなくて…。最後のアンコールの時、お客さんに感謝の言葉をちゃんと伝えたかったんですが、普段から人見知りだし、胸がいっぱいで言葉が詰まってしまったんです。その瞬間、みなさんが“頑張って!”って声をかけてくれたんですよ。その時に改めて、こんなにも温かくて素敵な人たちに囲まれているんだと実感したんです。
この曲は聴いてくれる人たちへの感謝のお手紙ですね。
はい。この曲を直接ライヴで歌う日がすごく楽しみです。
『プロジェクトイーブイ』のテーマソングとなる「イーブイマーチ」はとてもかわいらしいですね。
ありがとうございます。私は昔からポケモンが大好きなので夢のようです! レコーディング中もモフモフのイーブイのぬいぐるみに見守られながらずーっと癒されてました。公式さんが私が作った曲に映像を付けてくれたことが今でも信じられません!
「輪廻」は今作の中ではまた異色の曲ですね。
この曲はあるアニメを観て影響を受けて作ったんです。モデルとなったのは“ペイン”というキャラクターで。そこでの台詞で“痛みを感じろ、痛みを考えろ、痛みを受け取れ、痛みを知れ”というものがあるんです。それを聞いた時に“自分の中の痛みとは何だろう?”と考えて出した答えが、この曲に詰まっているんです。
辿り着いた答えはどんなものでしたか?
痛みって誰かのやさしさになると思ったんです。まずは自分が辛い経験をしないと、相手の気持ちも分からないですし…。そういう意味では、痛みを知ることが大事なのかなと思ったんです。
さまざまな経験がその人の強みになりますからね。みゆはんもひきこもりの経験があるからこそ強みになることもあると思いますよ。
そうだと嬉しいですね。私、小さな頃から両親に怒られて育ったので、自己肯定力がとても低いんです。怒られることが怖いから主張もあまりできなくて。でも、そんな中でも“自分を表現できる方法は何だろう?”と思った時に、行き着いた先が音楽だったんです。実は初めて組んだバンドでギター&ヴォーカルをした時に、すごく褒めてもらえたことが嬉しくて病みつきになったんです。そんな私の経験が少しでも同じような環境の人に共感してもらえたら嬉しいです。
そして、完全限定盤にはご自身がプロデュースしたサルエルパンツが付くと。
これまでアパレルも多く作ってきたんですが、トップスが多かったので、今回はサルエルパンツを作ってみました。
アパレル関連も毎回とても人気ですが、これからも展開していくビジョンができているんですか?
はい。音楽はもちろん、デザインやイラストを描いたりするのが大好きなので、いつかブランドを立ち上げたいなと思っているんです。
部屋から一歩踏み出した世界は、いろんな夢の道につながっていましたね。では、最後にメッセージをお願いします。
世の中に こんなひきこもりも いるんだよ。
ありがとうございます! 最後に一句、いただきました!(笑)
取材:吉田可奈
アーティスト
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