「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」シ
ャア役の池田秀一が語る、全6話を振
り返って見えてきた赤い彗星の真意
不朽の名作「機動戦士ガンダム」をベースに、同作のキャラクターデザインとアニメーションディレクターを務めた安彦良和が、新解釈を盛り込んで自ら再びアニメ化した「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」。その完結作となる第6話「誕生 赤い彗星」が5月5日に上映される。テレビシリーズのライバルポジションから一転、主人公となったシャア・アズナブルを演じる池田秀一に、「THE ORIGIN」全6話を振り返っていただいた。
――満を持して、ルウム編完結作「誕生 赤い彗星」が上映されます。現在の心境はいかがですか。
池田:ようやくここまで来たという感じです。今回のタイトルは「誕生 赤い彗星」ということで、誕生させていただいてありがたいです(笑)。
――「誕生 赤い彗星」では、第1話「青い瞳のキャスバル」冒頭のモビルスーツ戦のシーンが再現されていました。収録はあらためて行われたのでしょうか。
池田:新規に収録しました。「青い瞳のキャスバル」のアバンタイトルでは、ほんの少ししか出番がなかったので、多少肩に力が入っていたかもしれませんね。第1話では板野一郎さんが担当してくれたシーンですが、おかげさまでとても印象的な画面に仕上がっていたので、僕もそれに負けちゃいけないなと。今回については、いままでやってきた流れの中の1シーンでしたから、「そういえばこのシーン最初に演じたな」と、収録が終わってから気づきました。
――「青い瞳のキャスバル」からスタートして、ついに「誕生 赤い彗星」へとたどり着いた「THE ORIGIN」ですが、その間シャアも、田中真弓さんが演じられたキャスバル・レム・ダイクンからはじまり、エドワウ・マス、シャア・アズナブルと名前を変えてきました。
池田:第2話「哀しみのアルテイシア」のエドワウは、演じるのがなかなか大変でしたね。エドワウという人物を演じるのは今回がはじめてだったので、自分の中でもなじみがないんですよ。でも、漫画原作を読むと、シャアの人生を描くにあたって避けては通れないから、どういう奴なのかなって、手探りでした。第3話「暁の蜂起」で士官学校に入ってからは、テキサス・コロニーのシャアから名前をいただいてシャア・アズナブルになりました。シャアと僕とは40年来の友だちなので、「シャア」って呼ばれると、なんだか安心するんですよね。「もう、こっちのもんだ」って。第2話では、関(俊彦)くんがテキサス・コロニーのシャアを演じてくれたんだけど、「シャア」って呼ばれるたびに返事をしたくなっていました。でも「あっ、まだエドワウなんだ」って(笑)。
――池田さんは、以前からシャアを“友だち”と呼んでいらっしゃいますね。池田さんから見たシャアは、どのような友だちなのでしょうか。
池田:もうずいぶんと長いこと友だちなんですが、僕がお酒をのんでいるときに、隣で一緒にのんでくれるような奴じゃないんです。「そんな君は知らないよ」って感じで(笑)。スタジオに入って、シャアの絵が出てくると「よろしく、いい芝居をしてくれ」って言われるから、「わかってるよ」って返す。シャアとは、そういう関係ですね。だから、僕も彼の私生活はよく知らないんです。見せないものね、あいつは。
――「THE ORIGIN」全6話は、そんなシャアの過去……個人の歴史という、ある意味でプライベートな一面に踏み込んでいく作品でした。
池田:この40年間の間に育んできた……といえば大げさになってしまいますが、僕が思うシャアっていうのは、僕なりにあるんです。そのシャアと「THE ORIGIN」のシャアは、微妙に違うところもあって、そこが逆におもしろく、彼の知らない一面を見ることができました。たとえば「THE ORIGIN」では、母親の死が、彼に大きな影響を与えていることが明かされています。ファーストガンダム(1979年放送「機動戦士ガンダム」)でシャアを演じたときは、“何かしら、謎めいた過去をもっている”くらいのぼんやりした意識はあったものの、彼の人格形成において、母親の存在がここまで大きなものであったとは思っていませんでした。「THE ORIGIN」の全6話では、シャアが“青”から“赤”へと変貌していく……復讐の炎がたぎっていく、ということに注力して演じさせていただいています。
――全6話からなるシリーズを通じて、特に印象的だったシーンはありますか。
池田:「暁の蜂起」でのガルマ・ザビとの出会い、第4話「運命の前夜」でのララァ・スンとの邂逅が特に印象に残っています。いずれシャアから「坊やだからさ」と言われることになるガルマですが、士官学校時代から彼は“坊や”だったんですね。でも、演習ではぐれて負傷したガルマに、シャアが雨除けをつくってあげるというシーンもある。なんというか……ニクいですよね。ガルマ役の柿原(徹也)くんが、本当に絶妙な“坊や”を演じてくれたので、僕としても楽しくお芝居ができました。今回の「誕生 赤い彗星」にも、戦勝祝賀会でガルマと話して「(ルウムの残敵掃討が)ボクには無理だと」と詰問されて「そんなことはない」と返す場面がありますが、そこも、シャアに軽くあしらわれてしまうガルマ、という彼らの関係性がよく表れていて好きなシーンですね。
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