【BULL ZEICHEN 88 インタビュー】
面白おかしく自分たちにしか
できないものをやりたい

L→R IKUO(Ba)、sebastian(Gu)、栄二郎(Vo)、淳士(Dr)

超絶テクニカル集団・BULL ZEICHEN 88がついにメジャーデビュー! シングル表題曲と新曲4曲を加えたニューアルバム『アルバム2』は、彼らにしか鳴らせないハッピーラウドな世界観を凝縮した決定盤と言えるだろう。

昨年のインディーズデビュー10周年を経て、今作でメジャーデビューという。

淳士

メジャーデビューは10年を経て、新たに生まれた発想なんですよ。もともと僕とIKUOで始めた時、10年続くバンドにしたいなと。で、自分たちのペースでのんびりやっていたら気付くと目標を達成してて。そのひと区切りとして一昨年、結成10周年の時にZepp DiverCity Tokyo公演をバンド名にかけてチケット代を88円にしてやったんですけど、発券の手数料のほうが高かったという(笑)。その次の目標として挙げたのがメジャーデビューだったんです。

IKUO

そんなメジャーデビューにあたって、以前に出した「prologue」という人気曲の対として、インディーズ最後のシングルの「epilogue」という曲を作ったんですよ。物事の始まりと終わりみたいな。それで昨年12月の新宿BLAZE公演を終えたあと、インディーズからメジャーデビューという流れを作ろうと。戦略ですね(笑)。でも、その時点では何も決まってなかったんですけどね。

淳士

新宿BLAZE公演の終演後、ファンからしたら解散を連想させるようなインフォメーション映像からの! “メジャーデビュー決定!”とドーンと出したんです。前半はすすり泣きの声すら聞こえてましたね。

IKUO

それから僕がレコード会社にお願いして、徳間さんが我が儘を聞いてくれて、ぜひやりましょう!と。

ははは。そんな今作はシングル表題曲と新曲4曲をプラスした全10曲入りというボリュームですね。

IKUO

徳間さんからデビューにあたってアルバムを出したいと言われたんで、以前に出した『アルバム』以降のシングル表題曲に加えて、新曲を4曲作ればいけるかなと。「傘」は珍しくバラード調だったり、「WENDY」はプログレッシブロックだったり、今までいろんな曲を作ってきたから。そこに新曲も入れられたので、メジャーデビューに相応しい作品になったなと。

栄二郎

「Lovely」ぐらいからシンセとかいろんな音を取り込むようになったんですよ。だから、今のブルハチに近い曲がたくさん入ってます。あと、「HIMANCHU」のMVは車で撮ったりとか、今作を聴いてMVまで観てほしいですね。音と絵の両方を知ると、歌詞の世界観とも辻褄が合うかなと。

なるほど。音楽的にはその都度、時代性を取り入れて?

IKUO

はい。エレクトロやEDMが流行ってきたし、テンポチェンジもそうですね。表題曲に関しては世の中の流行のサウンドを取り入れながら、自分流にやろうと。メロディーは80年代のヘヴィメタルだったり、サビは分かりやすくしつつ、変拍子とかプログレも好きなので複雑にしたいし。今風のエッセンスを入れながら趣味をぶち込みたくて。一曲の中にいろんなものを入れるのがブルハチらしさかなと。

sebastian

アレンジがどんどん緻密で複雑になり、「WENDY」「WINK」辺りでそれがピークに来て。ただ、僕はそこでスランプに陥っちゃって…。で、メンバーとも話して“好きにやればいいんじゃない”って言われたり。今回、僕が書いた新曲の「One Step As You Are」に関しては自分で背負い込んでいたものが軽くなって、新たな気持ちで作れたんですよ。メジャー調の西海岸っぽいものが好きなので、そこに立ち返ったというか、好きな曲を作ろうと。

IKUO

表題曲はほぼ僕が書いてるんですけど、淳士くん、sebastian、栄二郎も曲を書くので。「オルターエゴ」は栄二郎が書いたものなんですけど、栄二郎は歌詞が熱くてエモいものが得意なんですよ。それもブルハチの振り幅になってますからね。

「オルターエゴ」はライヴで映えそうですね。

栄二郎

IKUOさんがすごい曲を書いてくるのは分かっているので、僕はストレートな曲を意識しました。sebastianはミクスチャーパンクだし、自然と色分けされてますからね。

他の新曲2曲はIKUOさんの手によるもの?

IKUO

「とりあえず生」の作詞は淳士くん、「kowashite」の作詞はsebastianで…実は「とりあえず生」はアイドルのために書いた曲なんです。採用されなかったけど、自分の中でよくできたなと思ってたし、この曲をブルハチでやったら面白いかなと。で、ヘヴィにアレンジし直して、あえて曲が持つポップ性はそのまま活かそうと。かなり振り切ったんですよ。

淳士

この曲を最初に聴いた時、“とりあえず生”というフレーズが降りてきたんですよね(笑)。オールマイティーに使える言葉だなと。人生楽しくても、落ち込んでも、“とりあえず生!”と言えばオーケーかなと。“とりあえず明日考えればいいじゃん”って。社会人とか大人になると、いろんなことがあると思うから、そういう人たちに向けて応援ソングのつもりで書きました。

IKUO

前向きな歌詞にグロウルとかも入れているから、その意味が分わからない感じもブルハチらしいかなと(笑)。

ブルハチはテクニカルな演奏も魅力のひとつですが、この曲は真面目に遊んでいる空気感が最高だなと。

IKUO

おっしゃる通り。洋楽志向すぎるというか、本物志向のラウドバンドをやりたいとは思ってなくて。ジャンル関係なく、面白おかしく自分たちにしかできないものをやろうと。

淳士

眉間に皺を寄せてやるのは疲れちゃうから。ハッピーラウドこそがブルハチらしさかなと。単純にワイワイ楽しめるものが好きだし、目立ちたがり屋だから。

では、これからの展望を教えてもらえれば。

栄二郎

メジャーデビューしてもインディーズで好き勝手やってきたハッピーラウドを広げていきたいですね。

IKUO

今作をたくさんの人に聴いてもらいたいし、売れたいです! あと、Zepp DiverCity Tokyoで正規の値段でやりたい。

淳士

まぁ、自分たちであの値段を決めたんだけどね(笑)。

sebastian

まだまだ認知度は低いと思うので、メジャーから出すことでより多くの人に届けたいですね!

取材:荒金良介

アルバム『アルバム2』 2018年3月28日発売
徳間ジャパンコミュニケーションズ

  • TKCA-74688
    ¥3,240(税込)



『僕たちがブルゼッケンハチハチですTOUR 2018』

4/05(木) 東京・高田馬場CLUB PHASE  ※公開ゲネプロ
4/17(火) 宮城・仙台MACANA
4/19(木) 北海道・札幌cube garden
4/25(水) 東京・恵比寿 LIQUIDROOM
4/30(月) 愛知・名古屋ell.FITSALL
5/02(水) 岡山・IMAGE
5/04(金) 福岡・BEAT STATION
5/10(木) 大阪・MUSE

BULL ZEICHEN 88

ブルゼッケンハチハチ:元SIAM SHADEのドラマーで現在はAcid Black CherryやSound Horizon等のサポートで著名なドラマーの淳士と、近年人気急上昇のロックバンドRayflowerのメンバーであり、T.M.RevolutionやTETSUYA等のサポートで有名、かつ、さまざまなジャンルのミュージシャンから絶大なリスペクトを受けるベーシストIKUOが中心となって結成。テクニカルなプレイとヘヴィかつキャッチ―なメロディーが特徴的な楽曲はロックユーザー全般にも定評があり、ビジュアルロックを感じさせながらも、スクリーモを混在させたサウンドが唯一のジャンル“ビジュリーモ”を確立させている。

「とりあえず生」MV

アルバム『アルバム2』トレーラー

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