【AK-69 インタビュー】
日本武道館が成功したからこそ
次の扉が開いていろんなことができる
AK-69
昨年10月18日に約3年半振り2度目の日本武道館公演を開催したAK-69。多数のアーティストが参戦し、濃密な内容が繰り広げられたライヴが映像作品『DAWN in BUDOKAN』としてリリースされることとなった。熱い武道館公演、今後の活動について語ってもらった。
昨年10月18日に開催された日本武道館公演の模様が映像作品『DAWN in BUDOKAN』としてリリースされますが、まずは約3年半振り2度目となる日本武道館に挑んだ想いから話を聞かせてください。
今回、武道館公演を決める時点で、最初は制作会社にも反対されたんです。やるなら保証人を立ててくれって話にもなってたくらいだったんですよ。以前話したけど、俺は次の闘いに挑むために、自分のFlying B Entertainmentって事務所を立ち上げたんです。それと同時に自分的に停滞感を感じてて、これを打破するにはどうしたらいいのかって、音楽人生で初めて悩みましたね。そういう中で、武道館をやりたいって気持ちが出てきたんです。反対もあったけど、でもここで武道館をできなきゃ、次の自分が思ってる闘いに歩を進めることはできないと思ったんですよ。武道館に自分のファンを集結させて、やればできるんだ!って姿を見せないとダメだって。自分や周り、ファンを信じて公演を決めて、結果、当日は120パーセントくらいの客入りになったんです。
当日はすごいお客さんの入りでしたね。
自分が思い描いたことが実現できるっていうのを再確認できましたね。ここで成功できたからこそ、また次の扉が開いていろんなことができるなと思いました。
では、ライヴのコンセプトについて教えてください。
前回の武道館がひとりでやり切るってことに徹してたので、前回が終わった時点で、次に武道館やるなら日本のヒップホップの縮図的なものを見せられるライヴにしたいと思ってたんです。そこに、清木場俊介、UVERworldとか、ヒップホップの枠を越えた日本の音楽ってものを見せられるライヴになりましたね。ただ単に数多くの客演陣と曲をやっていくのは嫌だったので、展開とストーリーみたいなものは意識しました。客演陣もいっぱい出てくるけど、AK-69のライヴとして成立させたかったんです。あと、演出面で言えば、特にライティングにすごくこだわったんです。1から10まで俺が指示を出させてもらって、何度もミーティングして、日本のアーティストでトップクラスのものが作れたなって思いますね。
映像作品とするにあたってこだわった部分は?
ライヴの臨場感を限りなく再現するってことは一番心がけました。あと、映像作品で新たに付け加えられたストーリーの部分とかあるんです。エンドロールで最後に自分がしゃべって締めるんですけど、観終わった時にみんなが一本の映画を観たような気分になってくれるものというのは意識しました。
ゲスト陣はネクストカミングからレジェンドまでほんとに個性豊かな面子揃いでしたが、ステージでのエピソードを聞かせてください。
DJ TY-KOH、KOWICHI、SOCKSなんかは初の武道館でリハーサルの時から興奮してたり、2WINはクラブと同じテンションで歌ってましたね(笑)。NORIKIYOは本番もクールに決めてくれたなって。あと、昔トコナメ(TOKONA-X)と曲作ってる時、ずっとZeebraさんがキングだったんで“いつかまくってやろうぜ”って話してたんですよ。それをリリックにした曲を、実際にZeebraさんと武道館で歌えたのはすごい意味があったことだと思ってます。
清木場俊介さんとは2曲歌いましたね。
はい。あそこは自分でも大事なポイントでした。声のテンション的にもリラックスしないと詰まってくるんです。俊のところで、すごいほぐれたのは今でも覚えてますね。
UVERworldの登場シーンもインパクトがありました。
楽器があったので、でかいポップアップをUVERworldのために作ったんです。なのに、上がってる途中でTAKUYA∞が我慢できなくてよじ登ってきて、そしたら他のメンバーも上がってくるからポップアップの意味があんまなかったっていう(笑)。でも、パワーの放ち方がすごかったですね。ヒップホップの盛り上げ方と違うけど、お客さんもワーってなってましたもんね。盛り上げ番長だなって思いました。
当日に発売されたシングル「I Still Shine」をChe'Nelleとコラボで歌ったのも印象的でした。
歌、上手すぎましたね。堂々として、アーティストとしてほんとレベル高いと思いました。この曲はメッセージ性も強いし、これから長くみんなに広がっていく曲かなと思います。
そして、般若さんとの共演も観応えがありました。
激しく点滅する照明で浮かび上がる、あいつの眼差しの狂ってる感がすごい出てましたね。さすがって思いました。同い歳だし、唯一ヒップホップ界で良きライバルだと思ってるところがあるので、そのバチバチ感がすごく出てたんじゃないですかね。
では、このライヴで一番伝えたかったメッセージは?
やっぱり、無理って言われたところからやってのけるってことですね。AK-69はトップに君臨してると言われてますけど、でも厳しい逆境から糸口を見つけて闘ってきた。そして、現実に成功させたっていうのが今回の武道館だったんです。持たざる者への勇気を、今回改めてみんなに伝えたかったですね。自分の好きなことを命懸けてやりたい、その想いが強かったらかたちにできるってことを強く訴えられたかなと思います。
2度目の日本武道館を経て、今後どんな活動を考えてますか?
武道館で次の扉をこじ開けられたと思うので、ここから一気に攻めていきます。楽曲制作も過去にないくらいの勢いでしていくし、ツアーもやりたいし、その果てには3度目の武道館をやりたいです。次は武道館2デイズをやりたいですね。あと、もっとメディアにも出ていきたいし。2018年は今までやってないことをいっぱいやっていきたいですね。それがヒップホップを世の中に広めることにつながると思うし、俺の役割だと思うんです。何をやるにしても、あくまでヒップホップ、あくまでAK-69って姿勢を崩さずやれたら、それこそがヒップホップなんじゃないかなって思いますね。
取材:土屋恵介
アーティスト
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