【荒川ケンタウロス】
3カ月連続配信シングルの第二弾は
インパクトで勝負!
L→R 尾越(Dr)、土田(Ba)、一戸(Vo)、楠本(Gu)、場前(Key)
立ち上げた自主レーベル『MY UNCLE IS VERY FAMOUS TENNIS PLAYER RECORDS』より、3カ月連続でリリースする配信シングル。それに併せてお届けする全3回のインタビュー、その第2回は9月27日にリリースされた荒ケン流ディスコサウンドとも言える第二弾シングル「ハートビートからknockしてるbaby」について。楽曲の聴きどころと、そこに込めた想いをメンバーが語ってくれます!
9月にリリースした「ハートビートからknockしてるbaby」は、8月にリリースした「暁」同様、楠本さんの作詞作曲ですね。
楠本
「MajiでKoiする5秒前」的な感じですよね(笑)。
一戸
“的な感じ”じゃないよ(笑)。
「暁」は満場一致でリリース第一弾に決まりましたが、「ハートビートからknockしてるbaby」はどんなふうに決まったのですか?
楠本
「暁」は復帰第一弾だから、まずは荒川ケンタウロスのスタンダード…得意としているところを飾らずにってことで選んだんですけど、これも僕以外が…
場前
そしたら楠本さんが“えぇ!?”って。
楠本
だって、“これ、いくか!?”って思うじゃないですか(笑)。ラップも入っていて、ふざけているから、僕としては…ねぇ。
場前
いえ、ふざけているなんてことは全然ないんですけど。
楠本
ただ、6月のワンマンライヴでやった時の反応も良かったんですよ。実は結構前からある曲なんです。(メジャー1stフルアルバム『時をかける少年』に収録されている)「ティーティーウー」と同じ時期に作ったんですけど、それって2015年ぐらいだっけ?
尾越
そうですね。それぐらいからありましたね。
楠本
その時に作った5曲がこれで全曲採用されたことになるんですけど(笑)、最後に持って行った曲がこれで、その時は“まだこれをやる時期じゃない”ってことになったんですよ。そしたら、今回 “これやったほうがいいんじゃないか”って。誰が言い出したんだっけ?(笑)
場前
僕は結構押してました。
土田
場前くんと尾越だったね。
尾越
だって、めっちゃ面白い曲じゃないですか。第二弾はインパクトがある曲が絶対いいと思っていたんですよ。ここで歌モノがきたら、“またか”感があるから、これしかないと思いました。
楠本
これも歌モノだよ(笑)。
尾越
そうなんですけど、いろいろな飛び道具が入っているじゃないですか。すごく面白い曲だと思います。
ファンキーというか、ディスコっぽいというか、それも荒川ケンタウロスの持ち味だと?
楠本
(1stフルアルバム『よどみに浮かぶうたかたは』収録の)「迷いの森」のような曲もありますしね。全然できるっていうか、何だってできるんですよ。だから、こういうパーティーチューンみたいな曲も持ち味なんだと思います。今回、初めての試みなんですけど、掛け合いヴォーカルもやっているし。それはメロディーが交差しているところがあって、ひとりで歌ったら息継ぎできないからってところからの掛け合いになったんです(笑)。最初は僕が歌っていいんだろうか?とも思ったんですけど、良い具合にできたんで、それは良かったかなと思うし、尾越が言った通り面白い曲になったと思います。
楠本さんの声のほうが高いんですね。
一戸
僕より高いです(笑)。
楠本
もっと高いところも余裕で出るんですよ(笑)。だから、この曲でも無理なく歌えました。でも、今回初めて自分の歌を録ってみて、一戸くんの素晴らしさを改めて感じましたね。ギターを含め、楽器っていうのは練習しないと演奏できないじゃないですか。だけど、ヴォーカルは声を出せば誰でも歌えるでしょ? でも、それって歌えている“つもり”になっているだけなんですね。なので、本当の意味で歌えているかって言ったら歌えていないかもしれない…歌は一番難しい楽器なんじゃないかなと思いました。
一戸
苦労したんですね?(笑)
楠本
そう。“歌を舐めるなよ!”と思いました。
一戸
声のトーンがいいよね。楠本さんが苦労しているところもいろいろ見てるんだけどさ、声のトーンが明るくて。俺ももうちょっと声のトーン上げようかなって思ったもん。
楠本
上げられるんだったら上げたらどうですか?(笑)
一戸
はい。上げてみます(笑)。
ラップは楠本さんですか?
楠本
そうなんですよ。最初は尾越にやってもらおうと思ったんですけど、掛け合いもしているから、そのままの流れで僕がやることになりました。でも、練習はしてくれたんだよね。
尾越
でも、楠本さんのほうがいいだろうって思いましたよ。
楠本
ラップっていうか、僕の中ではTOKYO No.1 SOUL SETなんですよ。
あぁ、ラップというよりはポエトリーリーディングですよね。
楠本
大学時代に聴いていたフィッシュマンズとTOKYO No.1 SOUL SETが一緒にライヴをすることがあって、そこで知ったんですけど、当時は“何だろう? この変な節回しの語りは”って思ってたんです。そこから確実に影響を受けているんですけど、やってみたら面白いんじゃないかって思いました。歌詞は僕が大学を出て初めて買った車についてなんですけど、僕と一緒にいろいろな経験をしてきたんだなって思い出しながら書きました。たまたま赤い車を買って、荒川ケンタウロスを結成する前から乗っていたんですけど、当時はその車の中で仮歌を録るってことをやってたんですよね。今でこそ自宅のスタジオでやってますけど、その時は住宅環境の事情から車の中でiPhoneを片手に録音していて。暗闇の中にiPhoneの光が灯っている謎の車があるみたいな(笑)。人が通りかかったら慌てて歌うのをやめて、気配を消してましたね(笑)。それを思い出したら、その車は楽器や機材だけではなく、僕のいろいろなものも運んでくれたんだなって思ったんですよ。2年前に書いた歌詞を今回改めて読み直して、自分でも結構いいなと思ったのが、1番は自分からの感情で、2番はそれに対する車からのアンサーになっているところでした。“なんだ、この歌詞は! いいな!”って(笑)。その車はもう下取りに出しちゃったんですけどね。
場前
最後、カーステレオが壊れてましたよね。
楠本
ディスプレイが映らなくなっちゃったんで勘で操作してました(笑)。何もなくても楽しい、ただバカ騒ぎするだけの時代の中でいろいろなことを教えてもらったんじゃないかって思います。そういう物との思い出って、みんなもあるんじゃないですかね。
みなさん、その車には乗ったことあるのですか?
土田
僕、よく運転してました。ライヴの日は、なぜか僕が楠本さんの家まで車を取りに行って。家のポストに鍵が入っているんですよ。それで機材を運んでましたね。
タイトルの“knockしてる”は、車がノッキングしているわけではないんですよね?
楠本
いえ、ハートをknockしてるんです(笑)。完全にメロディーから出てきた言葉なんですよ。“ハートビートからknockしてるbaby”ってすらすらって出てきて、“なんだこれは!?”って思いつつ、耳馴染みが良かったんで、そのままタイトルにしてしまいました(笑)。
こういう曲はリズム隊のふたりは演奏していて楽しいのでは?
土田
楽しいですよ。
尾越
僕は気を遣いますね。ちゃんとしてなきゃいけないんで、ライヴでやる時は特に。もう機械的に感情を殺すぐらいの勢いでやっているんで…もちろん楽しい曲ではあるんですけど、一生懸命自分の仕事をしようという感じです(笑)。
それは土田さんも?
土田
いえ、僕はそんなことはなく結構楽しんでます(笑)。
取材:山口智男
アーティスト
編集部おすすめ ライブレポート
おすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00
人気
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第1回 『自己紹介を。』 -
2014.12.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第16回 『巡り合いを。』 -
2016.03.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第2回 『忘れられていることを。』 -
2015.01.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第3回 『魔法の言葉は在るということ、を。』 -
2015.02.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第4回 『モヤモヤの正体を。』 -
2015.03.20 00:00