【NoisyCell】
振り切った表現を意識した
L→R Kiara(Ba)、Ryosuke(Vo&Gu)、Tatsuya(Dr)、Ryo(Gu&Scream&Programming)
前作『Colors』を経て、二部作の最終章になる最新ミニアルバム『Pieces』。4人体制で初めて作り上げた今作は“架空のゲーム空間”というテーマを掲げ、楽曲の振り幅は過去最高と言える会心作に仕上がった。
前作で取材した時に、次作と二部作になる予定と言ってましたけど、今作はまさにそういう位置付けですか?
Ryosuke
そうですね。前作を踏まえて、今回は二部作目という感じです。前作から温めていた曲や、前作でやり切れなかったことを補完する感じで取り組みました。
今作はジャンルや枠組を超えた、かなり挑戦的な作風でちょっと驚きました。従来の殻を破った曲調ばかりで。
Ryosuke
振り切った表現を意識しましたからね。
Ryo
前作でも楽曲の振り幅をどこまで持たせられるのかを考えたけど、それをきっかけにまだまだいけるなと。ひたすら面白い曲や何かに特化した曲を作ろうと。今までのNoisyCellからすると、ぶっ飛んだ曲もありますからね。いろんなジャンルを取り入れたデモを作って、そこから何曲かピックアップして詰めていきました。
なるほど。Kiaraさん、Tatsuyaさんは今作が初のレコーディングですよね?
Kiara
すごくいい経験でした。レコーディングは大変でしたけど(笑)。NoisyCellの楽曲に対して理解を深めるきっかけになりましたからね。
Tatsuya
僕は負けず嫌いなところもあるので、曲やフレーズは制作段階から一緒に練ってたんですよ。ぶつかり合う場面もあったけど、それで曲の理解度も深まりました。
今、NoisyCellがやりたいことって言葉にできます?
Ryo
Ryosukeの声が前に出るように、歌詞でも何を言っているのかが分かるように心がけました。あと、4人でライヴをするようになってから、生のサウンドにもこだわるようになったんですよ。今回のアレンジやレコーディングにもそれを落とし込めたと思います。曲作りでも引き算を意識して、ライヴの再現性を考えて作りましたから。
今作は“架空のゲーム空間”をテーマにしたそうで。
Ryosuke
今作は二部作とはいえ、独立した作品なのでテーマを持たせたくて。自分たちの共通項であるゲームとか、みんなに親近感を抱いてもらえるテーマを設けようと。
Ryo
スーパーファミコンとか16ビットの架空のゲーム機のソフトが6ジャンルあって、そのテーマソングを担当したらどうなるかみたいな。格闘ゲームやRPGだったり、それに歌詞や曲を落とし込もうと。最近ミニファミコンが出たり、リバイバルブームが起きてるじゃないですか。だから、レトロでノスタルジックなものをテーマにしたら面白いかなと。「Pieces」は軸になるリード曲として作ったから、その曲は16ビット満載にしたんですよ。今のシンセと比べるとハイが出てなかったり、劣化した音だけど、そこが魅力だなと思ったので。それ以外の曲は格闘ゲームやパズルゲームとかを、俺らが書いたらどうなるかみたいなイメージですね。
「"Good Luck"」はゲーム『ストリートファイター』を意識して?(笑)
Ryo
いや、特定のゲームというより、自分たちで加工して全部作ったんですよ。聴く人によって『ストリートファイター』や『餓狼伝説』とか、いろいろ思い浮かべてくれたらいいなと。
曲調も格闘感が出てますしね。
Ryo
暑苦しい感じは意識しました(笑)。
「Just for Now」はかなり異色ナンバーですね。
Ryosuke
その曲はパズルゲームをイメージしました。
Ryo
フレーズは以前からあったもので、自分の可能性を広げるためにも、ボサノヴァ調の曲もやってみようと。メンバーの評判も良かったからボサノヴァとロックが融合されたかたちですね。結果、面白い曲になったなと。ライヴでやるのが楽しみですね。みんなでハッピーになれそうな曲だから。
あと、「THE JUNK and THE MOON」はストーリー性のある歌詞が印象的で、想像力を刺激されます。
Ryosuke
絵本を1ページ1ページめくってるようなイメージで書きました。曲自体にストーリーを感じましたからね。
もの悲しくて、これもいい曲ですよね。
Ryo
こういう歌詞のノベルゲームがあったら面白いなと。
今作はNoisyCell流のミクスチャーロックと言える多彩さで、全6曲とも聴き応えがありました。
Ryosuke
ラウドというジャンルに自分たちを置かなくても、らしさを表現できるようになったことが大きいかな。
Kiara
今回は俺とTatsuyaの色も出ていると思うので、それが曲の幅広さにも貢献できたんじゃないかと。
では、今作の歌詞を通して伝えたいことは?
Ryosuke
この作品で僕が言いたいのは自分に素直に生きることですかね。僕自身もカッコ付けずに、ありのままの自分で歌詞を書こうと思いました。
Ryo
歌詞もそうですけど、より等身大になりましたね。
「Pieces」の《出会いは別れが産み落とした小さな光》という歌詞は、実にロマンチックですよね。
Ryosuke
“光”とか、分かりやすい言葉は今まではあまり使いたくなかったんですよ。青臭いじゃないですか。だけど、日本語で伝えるためには明確な言葉が必要だなと。普遍的な言葉を使っているけど、繊細な感情までちゃんと伝わってくるから。なので、恥ずかしがらずに歌詞を書いてみようと。
分かりました。今作のレコ発ツアーはどんな感じになりそうですか? またライヴの雰囲気も変わりそうですね。
Tatsuya
7月から8月の期間で行なうんですけど、ツアータイトルは“NEW GAME+”(ニューゲームプラス)で。RPGで全部クリアーすると、クリアー時のアイテムやステータスを引き継いだままスタートを切れる。自分たちもこれまでを引き継ぎつつ、新しい表現ができたらいいなと。なので、ぜひライヴに来てほしいですね。
取材:荒金良介
アーティスト
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