【ニューロティカ】ニューロティカ
新宿LOFT 2007年11月17日

text:日谷仁美

現在、新宿LOFTで一番多くライヴを行なっているバンドをご存知だろうか? そう、何を隠そう今年で結成23年となるニューロティカである。そんな彼らが“聖地”と呼ぶこの場所で、通算200回目となるLOFTワンマンライヴが行なわれた。 ロティカは“200回記念”でなくとも毎回全力投球なのだが、さすがホームグラウンドというだけあって、見事に満員となった会場を、スタートから一気に“ロックバカ”にさせる。そしてこの日、LOFT に縁深いアーティストたちの楽曲をカバーした、初のカバーアルバム『GONG! GONG! ROCK'N ROLL SHOW!!』を先行発売したということもあり、ライヴでは収録曲である「東京CITYは風だらけ」(ARB)「天井裏から愛を込めて」(アンジー)「BROKEN GENERATI ON 」(LAUGHIN' NOSE)を披露。会場にはアツシ(Vo)の憧れのヒーローであるARBのドラマーKEITHが来ていたため、緊張したのか歌詞を忘れてしまう場面もあったものの、熱気ムンムンの会場は20代後半のお客さんが多く、彼らの世代が夢中になったアーティストたちのカバーということもあって、終始大合唱だった。ニューロティカが語る “上の世代にもこんなにカッコいいバンドがあふれているということを若い人たちにも知ってもらいたい”という思いが “若い世代”のファンにも伝わったことだろう。 結成当初からの唯一のオリジナルメンバーである、アツシはこれまでのLOFTライヴを振り返り、「いやー200回、早かった。初めてLOFTでやったのが昨日のことのようでね。ってそんなわけないか、頭もこんななっちゃって(笑)」といつもの“ややうけトーク”で会場を和ませた。笑顔が絶えないライヴだったが、“バンドブーム”が去ってからも、ずっとストイックに走り続けていることのすごさを理解しているからこそ、通過点とも言える今回の記録を、この愛しき“ロックバカ”を、ファンだけではなく、新宿LOFTにいた全員が誇りに感じていたことは言うまでもない。

ニューロティカ

こんなに楽しいパンク・バンドが他にいるだろうか、ライヴはいつもお祭りのようだ。「みんなで歌おうパンク・ソング、みんなで騒ごうニューロティカ」をスローガンに掲げ、84年にバンド活動をスタート。インディーズ〜メジャー〜インディーズと渡り歩き、そのキャリアは15年を優に越える。ピエロ・メイクがトレードマークのあっちゃん(vo)を中心に、愛と平和、夢と希望、そして“笑い”のいっぱい詰まった抱腹絶倒パンク・チューンを展開。00年には、そんな魅力を満載した6年ぶりのアルバム『絶対絶命のピンチ』を発表している。

アーティスト