【COCOA】


取材:土内 昇

“届ける”ってことを意識した

どんなアルバムにしたいと思って制作に入ったのですか?

二上

アルバムタイトルの“360°”に、実はいろいろな想いを込めてまして…まずは、今現在のCOCOAの“全部”を聴いてほしい、届けたいって想い。そして、もうひとつが僕らの“周り”にいるファンや家族や友達、全ての人にこのアルバムを届けたいって想い。なので、作品全体として、“届ける”ってことをものすごく意識して制作に入れたと思います。

鈴木

“以前までとは違う!”っていうのを意識しましたね。ファンの方々には常に成長している姿を見せていきたいので(笑)。

収録されている9曲はどんな基準で選ばれたのですか?

二上

かなり悩みましたね。ただ、最終的な基準としては“今、一番届けたいCOCOAはどれか?”って部分だったと思います。

鈴木

常に進化している姿を見せたい反面、“僕らは原点を忘れてないよ”っていうのを伝えたかったんです。そのため、“進化しているCOCOA”は新曲や最近の曲、“原点を常に思う気持ち”として「原点回帰」や昔から歌い続けている「love-love-bye」。そして、誰よりも、この歌を届けたいのは聴いてくれるみんななんだよってことを伝えたくて、「360°」を選びました。

アルバムを聴いて思ったのですが、思春期に経験するような恋愛、恋心を描いた曲が多いですよね。

二上

別に狙っているわけではないんですけど、結果としてそうなっているんだと思います。ただ、恋愛を題材にしていても、伝えたいことは1曲1曲まったく違う…“恋愛”というフィルターを通してまったく違うメッセージを伝えようとしているものもあるので、そんな部分まで聴いてもらえるとうれしいなぁと思ってたりしています。

ちなみに、曲を作る時に意識していること、こだわっているところは?

二上

僕は完全に言葉・歌詞重視派なので、作詞にこだわって作っていますね。メロディーが決まったら、あとはひたすら作詞ノートとにらめっこです。コレが僕の場合、すっごい時間がかかるんですよ(笑)。一曲分の歌詞を完成させるのにだいたいノート10ページ分は下書きやアイディアを書くんですけど、書き始めちゃうと3時間ぐらいはあっと言う間に過ぎてしまうんです。でも、限られた文字数で最大限を伝えようとすると、やっぱりそれぐらいの時間が僕には必要で。まだ誰も使ったことのないようなフレーズが生まれると、快感ですね(笑)。

鈴木

僕は逆にメロディー重視で曲を書いてますね。実際に曲を書く時は、何も気にせずギターを弾きながら歌ってみるんです。それで、メロディーだけで“これだ!”ってものが生まれたら、そこに言葉を乗せていく感じですね。

どの曲もアコギが入っているのですが、そこはこだわりなのですか?

二上

アコギで作曲をしているので、作品のイメージとしては大切なのですが、別にアコギにこだわってるってわけでもないんです。逆に、アコギよりもっとその作品に合うものがあればどんどん試してみたいと思いますし、実際過去にもピアノだけでレコーディングした曲なんかもあったりするので。ただ、僕もカズもアコギの音大好きなので、確実にこれからも長い付き合いにはなるとは思いますが。

鈴木

単純にほかの楽器が演奏できないっていうのもあるかもしれませんね(笑)。でも、アコギの持つ、あの柔らかなイメージというか、雰囲気がCOCOAに合ってると思いますね。

COCOA

ココア:1999年に結成。ストリートライヴを重ね、オリジナル曲を書き溜めていく。ユニット名は“聴く人がココアを飲んだ時のような、やさしく、温かい気持ちになってほしい”という願いから付けられた。

アーティスト