【四星球】


取材:高木智史

これが青春パンクの先にある“ネオ青春パンク”!

本誌初登場ということで、やはりまずはブリーフ姿にハッピという出で立ちについて…なぜそこに行き着いたのかと?

北島

結構早い段階でなりましたよ。結成1年目くらいで。当時は青春パンクブームで、ツアーバンドの対バンで月5回とかライヴをしてたんですよ。で、毎回出るんやったら、目に見えて分かるようなことを何かやらなあかんなと思ったんです。それで、一番最初はSEが鳴って、僕以外のメンバー3人が出て、その後に僕だけがバスタオルだけ巻いて出てくるっていうことをしたんです。ノリで(笑)。で、のっけに“四星球です! (ギターで)ジャーン”ってやったら、はだけてブリーフだけになるっていうのが始まりです。その時に感じたことが、いろんな意味で“これが開放感や!”と(笑)。でもそれには、その時の音楽シーンに対するモヤモヤもあったからなんですよ。青春パンクでよく似たバンドが多かったりという。ほんまにちっちゃなことですけど、一石を投じた気になったんですよ。

なるほど。ブリーフを投じたと(笑)。

北島

そうそう(笑)。“おまえら、これにはなれへんやろ!”って。

U太

なったらあかんって(笑)。

(笑)。そして、今作ですが、ここに収録されている楽曲にはフォーマットがないと思いました。「Mr.Cosmo」なんて、曲の途中に宇宙人が来て、そこはトークのみで、“何これ!?”って…どうやって曲を作ってるのですか?

北島

そう思いますよね(笑)。基本的には“今、ライヴに足りないものって何かな?”ってライヴを想定して曲を作ってますね。「Mr.Cosmo」に関しては、ネタもあって…ダンスチューンな斬新な曲が欲しくて。

そういうお笑いの要素を入れて突飛なことをしてますが、音の部分でいうと、すごくこだわってるなっていう印象がありました。「エイトビートメゾフォルテ」はすごく展開も多いし。

U太

そうですね。ただのコミックバンドだとは思われたくないので、いろんな音楽を聴いて勉強してます。だから、四星球では“天然”の部分と“計算”の部分があるんです。

そのせいか、このアルバムはすごくジャンルとしての引き出しも多いですよね。「猫舌」はフォークソングだし。

北島

好きなんですよ~。中島みゆきさんの雰囲気を出したくて。僕はあまり自分がヴォーカルということを想定して作らないんです。聴き手として“こういう音楽があったらええな”というか。

いろんな音楽が欲しいっていう思いから、いろんな曲があるんですね。「名盤!!ゆとり教育の星」は筋肉少女帯を意識して?

北島

まさにそうですよ! なんか青春っぽさを歌うのにオーケンさんは外せないなと。始めはこういう音ではなかったんですけど、だんだん曲をアレンジしていくうちにオーケンさんを感じてきてしまって…最終的には、これはオーケンさんでいくしかないと。

では、改めて四星球として打ち出していきたいものは?

北島

このアルバムで言うと、20代半ばになって思い出す昔のことというか。そのくらいになると学生時代のこととか思い出しません?

思い出しますね~。で、このアルバムにあるトークって、学生時代にやってたアホな感じそのままですよね。

北島

ほんまそう!(笑) その雰囲気なんですよね! そういうふうに思い出すようなアルバムにしたかったんですよ。それって青春パンクブームの頃のアプローチとは違うじゃないですか。だから、僕らがやってることは言ってみれば、“ネオ青春パンク”というかね。青春パンクに影響を受けた世代のやる青春パンクはこれだって思ってやってますね。

四星球

コミックバンドなんですが、コミカルな部分だけでなく泣かせる曲もあり、実際フロント3人がブリーフ一丁で歌いながらも泣いている女性客多数! 彼らのライヴを観れば分かります!

アーティスト