【LONG SHOT PARTY】


取材:高橋美穂

山あり谷ありな僕らの、等身大のVERSUS

この「ハートビート」は、結構前からCMでは流れてますけれども、そもそもその話をもらって制作したのですか?

sasaji

はい。今までそういう作り方をしたことがなかったんですけど。まず曲は気に入ってもらえて、どう歌詞を乗せるかってなった時に、今期のJリーグのテーマである“VS-VERSUS-”を基に書いてくれって言われて。でも、“VERSUS”っていろいろあるじゃないですか。そこでLONG SHOT PARTY的に、世間に対して、“これがうちらのVERSUSです、どうぞ”って出す“VERSUS”とは何ぞやってメンバーと話して。正直言うと、僕、サッカーは詳しくないんです。メンバーでもギターの秀ちゃんとかはやってたんですけど。なので、実際いろいろ考えながらサッカーを観てみたんですね。そうするとやっぱ感動するんですよ。で、何に感動してるのかなって噛み砕くと、それぞれの選手の背景にじゃねぇかなって。例えば、今活躍してるこの選手は、実は大怪我を克服してプレイしてるとか。つまり、背景と背景の戦いなんですよね。また、お客さんにもそれぞれ背景があるわけじゃないですか。仕事を犠牲にしながらスタジアムに来てるとか。それで、LONG SHOT PARTYの“VERSUS”ってそういうとこじゃないかなって。

あぁ、だからなのかな。この歌詞って無闇に勝ちを煽り立てるというよりは、勝てなかった人に向かっても歌ってますよね。

sasaji

まぁ、僕ら勝てない側なんですよ(笑)。

何言ってるんですか(笑)。

sasaji

いや、負けっぱなしとは言わないけど、山あり谷ありなんで、そういう僕らが正直に歌詞を書いたら、やっぱりこうなるんですよね。これもひとつの等身大というか。

kj

俺らがただ“楽しくやろうぜ!”って書いても、どっか影が出ちゃうんですよ(笑)。“ほんとは辛いけど”みたいな。

その方が全然リアルですよ! ちなみに楽曲に関しては、やはりスタジアムをイメージしながら書いたのですか?

kj

そうですね。誰でもノれるテンポで歌いやすくっていうか。ホーンも、僕らは吹きすぎる傾向があるんで、この曲は歌に沿いながら一緒に盛り上がっていけるようにアレンジしましたね。メロを立てることにみんな集中したというか。

やはり、スタジアムには老若男女、いろんな趣味趣向の人が集まるからと考えた上でそうなったのですか?

kj

はい。僕らアンダーグラウンド出身なんで、曲を作ってる時も、どうしてもライヴハウスでダイヴしてる光景が浮かびがちなんですけど、今回はスタジアムでライヴさせてもらえる話もあったんで、そういう発想で作りました。“すっきりしすぎて大丈夫か!?”って話にもなったんですけど。

sasaji

“これ、音圧がないけどいいの?”って(笑)。

でも、全然LSPらしいですよ。

sasaji

そう言っていただけるんで、みなさんに。

圧じゃないところでも…。

sasaji

いけるんだってね(笑)。

カップリングには「ハートビート」の、福富幸宏さんによるラテンミックスも収録されてますね。

sasaji

リミックスっていうのも初めてだったんです。

kj

せっかくメジャーだし(笑)、試しにって福富さんに言ったらOKで、“マジすか!?”って。僕はほんとファンなので、クレジットに名前が入ってるのを見てもうれしいですね(笑)。

LONG SHOT PARTY

98年に仙台でバンド活動を開始。sasaji(vo)、ken iikawa(tru)、kj (sax)、秀一(g)、SAITARO(b)、P×O×N(dr)による6人編成のロック・バンド、LONG SHOT PARTY。

前向きな歌詞とサウンドが特徴の“パーティー・ロック”を掲げ、メロディックなヴォーカル・ラインに、様々なアレンジ・卓越したテクニックで数々の楽曲を世に送り出している。08年1月には<DefSTAR RECORDS>より、東京系アニメ『NARUTO疾風伝』オープニング・テーマに抜擢されたシングル「distance」でメジャー・デビュー。

また、毎年全国各地を廻るライヴ・バンドとしても定評があり、その圧倒的なライヴ・パフォーマンスは他の追随を許さない。インディーズを中心に活動を続け、その経験が裏づけする卓越したパフォーマンス力を持つ彼らは、老若男女問わず、観るもの全てを元気づけてくれる。

アーティスト