【ロットングラフティー】“ここはち
ょっと…”って思うところが微塵もな

L→R NOBUYA(Vo)、侑威地(Ba)、N∀OKI(Vo)、HIROSHI(Dr)、KAZUOMI(Gu&Prg)

約4年振りとなる渾身のアルバムが完成! “第二章がここから始まる”という意思表示から長年着用してきたスーツも脱ぎ捨て、結成11年目に突入したロットングラフティーがさらに熱くなっている。
取材:石田博嗣

約4年振りという久々の音源が発表されるのですが、このタイミングでスーツ姿ではなくなるとのことですが。

NOBUYA

今までもスーツを脱ごうっていう話は何回かあったんですけど、“スーツを脱いだ後、どうするんだ?”っていうところで壁にぶち当たってたんです。でも、この約4年ぶりに音源を出すタイミングはいいっきかっけじゃないかってことになって、今までのロットングラフティーを全て脱ぎ捨てて、第二章がここから始まるんだっていうことを打ち出そうってなったんです。ただ、スーツをもう着ないわけではなくて、僕らのプレミア感のあるライヴ…例えば、ワンマンライヴとかはスーツで出て行ったほうが面白いかなって思ってます。

では、その第二章の幕開けとなる今作なのですが、どんな作品にしたいと思っていたのですか?

KAZUOMI

久しぶりの作品ではあるんですけど、ライヴでやってた曲ばかりで…だから、デモテープを作って、ライヴでやって、それを音源にするっていう一番最初の形態に戻ったという感じなんですね。

NOBUYA

それがライヴバンドとして本来のあるべき姿だと思うんですよ。新曲をまずライヴで試して、お客さんの反応によってアレンジを変えて、お客さんと曲を作っていくっていう。そうやって作った曲もあるし、今までロットンとは違ったアプローチ…歌詞を前面に出した「盲目の街」という曲も入っているので、その時々でいろいろやってましたね。

KAZUOMI

だから、4年間、音源を出さずにライヴだけをしたきたことで、自然とそういう構成のアルバムになったんだと思いますね。ゴリゴリの圧倒するようなサウンドだけじゃなく、「響く都」みたいな和な感じのものもあるし。特に「THIS WORLD」と「響く都」はライヴに於いてもキーになってる曲なんで、それがやっと音源となって聴いてもらえるからうれしくて仕方ないですね。音源ならではのアレンジもしているので、ライヴに来てくれている人も楽しめると思います。

「響く都」はエンディングが音頭っぽいし、最後に“何やったっけ、侑威地?”というスタジオでのやり取りのような声も入ってるし(笑)。

N∀OKI

HIROSHIのソロです(笑)。そういうことをするのもロットン初ですね。

KAZUOMI

そういうことをやっても許されるパワーが「響く都」にはあったんですよ。今までのロットンってカッコ良さだけを貫くものが多かったんですけど、「響く都」は…

N∀OKI

アホになれる(笑)。

そんなレコーディグなのですが、やはりライヴで育った曲だけにライヴのように?

KAZUOMI

ライヴの温度感ってすごいじゃないですか。あれを再現するのはかなり大変だし、音源は繊細な部分が伝わるっていう良さもあるから、ライヴでのテンション感を入れつつ、もっと伝えたいことを詰め込んだっていう感じでしたね。

確かに、そういう部分はありますね。特にギターは轟音を鳴らしている奥で、繊細なフレーズが奏でられていたりするし。

KAZUOMI

そうですね。何回もフレーズを録っては消してっていうことをやったし、アレンジもみんなに“こんな感じで~”って言っておきながら次の日に変えたりして、時間が許される限り練ってました。ミックスもやり直したし。あと、同じ日に全部を録ってしまうのがパッケージとしては一番まとまると思うんですけど、違う日に録ってたりするんで、全体のテンションを合わせるのがむずかしかった。

N∀OKI

録った時期が、ほんまバラバラなんですよ。場所も違ったりするし。そういうのも今までになかったことですね。「マンダーラー」と「STILL A ROTTEN」と「響く都」は4年前に録ったんで。

NOBUYA

でも、KAZUOMIがディレクションをしてくれて…KAZUOMIはメンバーの良いところを知っているから、そういう部分を引き出してくれたんで、録った時期は全然違うのにすごくまとまってると思うし、“これぞロットン!”という作品になったと思いますね。まさに、第二章にふさわしい音源になったと思います。

手応え十分の作品が出来上がったという感じですね。

HIROSHI

まず聴いてもらって、ライヴにも足を運んでもらいたいですね。「響く都」はアルバムとは違う感じでやってるし。

N∀OKI

ほんとに最高のアルバムです! 結成してから11年が経ちましたけど、一番いいものができましたね。PVにしても、ジャケットにしても全部納得してます。“ここはちょっと…”って思うところが微塵もない。

NOBUYA

この4年間で音楽シーンも変わってきたじゃないですか。ほんとにCDが売れなくなった…自分もリスナーだったら、ほんとに自分の好きなアーティストしか買わないですからね。でも、このアルバムは買ってほしい! どこかで表題曲の「THIS WORLD」を耳にした時に“えっ、何? このCDは買わないと!”って思ってもらえるぐらいの熱がこもってますからね。

侑威地

買ってほしいのはもちろんなんですけど、いっぱい聴いてほしいですね。何回聴いてもらっても楽しんでもらえるし、ライヴに行きたくなると思うし、さらにライヴを観て僕らのことを好きになってもらいたい。そういうとっかかりにも最高のアイテムだと思います。

ロットングラフティー

NOBUYA(vo)、NAOKI(vo&harp)、KAZUOMI(g&programming)、侑威地(b)、HIROSHI(dr)によるミクスチャー・バンド。
99年9月、NOBUYAを中心に結成され、01年2月に1stミニ・アルバム『RADICAL PEACE×RADICAL GENOCIDE』を発表。初のCDリリースにもかかわらず、地元・関西を中心に好セールスを記録する。03年にはDragon AshのIKUZONEをプロデューサーに迎え、3rdミニ・アルバム『SYNCHRONICITIZM』を発表し、坂本龍一の代表曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」を大胆にアレンジした「悪巧み〜Merry Christmas Mr.Lawrence」が大きな話題を呼んだ。
プログラミング・サウンドを導入し、パンクやロックといったスタイルにとらわれない楽曲が人気を博している。

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