【摩天楼オペラ】“復讐の快感”がモ
チーフ
衝撃の2ndシングル

L→R 燿(Ba)、彩雨(Key)、苑(Vo)、Anzi(Gu)、悠(Dr)

シンフォニック・サウンドが魅力の摩天楼オペラが待望の2ndシングルをドロップ! 苑(Vo)、Anzi(Gu)、悠(Dr)の3人に楽曲の魅力と制作の裏側について語ってもらった。
取材:金澤隆志

「落とし穴の底はこんな世界」は、とてもシンフォニックメタルのカラーが強い楽曲になっていますね。

これまでいろいろな楽曲をやってきた中で、一番メタルに近い位置にあるかなとは思います。

Anzi

前作シングルの「Helios」は、僕らのファンではない、世間一般の方たちが摩天楼オペラという名前を見た時に想像するであろうサウンドを!…ということでシンフォニックな要素を強めたんですね。急に方向性を変えるのも何なんで、今回はそれを踏襲しました。個人的には、過去の僕たちの代表曲のいくつかをブレンドした印象がありますね。

制作している段階でこれからの代表曲になるなという確信がありました。こんなシングルを切れるのってうちのバンドぐらいじゃないかな(笑)。

苑さんのヴォーカルが1曲の中でバリエーションに富んでいますね。個人的なテーマというのはありましたか?

ヴィジュアル系な感じで歌うことを意識しました。ヴィジュアル系のシンガーって、クリーン、ファルセット、シャウトの3つ全てを歌いこなせないとダメっていう風潮があって、やってやろうと。セクションごとに歌い方を変えることで場面転換の効果を出せるんじゃないかと。

シンフォニックな要素とエッジの効いたギターのコントラストが、独特な音像を作り上げていますよね。

Anzi

うちの曲って、過去にいくほどキーボード色が強いんですね。それが、メジャーに来てからディレクターに“カッコ良いリフが欲しい”と頻繁に言われるようになったこともあって、今回の作品はギターキッズが弾きたくなるようなカッコ良いリフを弾くことを意識しました。

歌詞は大胆なまでに憎悪に満ちていますが。

テーマは“憎しみ”。少年犯罪がモチーフになっています。主人公は大切な人が殺された人物。しかし、犯人が少年なので法律で裁くことができない。“ならば、自分がやるしかない”と犯行を実行すると、復讐がどんどん快感に変わっていく。そんな主人公の心情を描いています。

初回限定盤のカップリング「Sleeping Beauty」は一転してスローな曲調なのですが、どのように生まれたのですか?

僕がギターを弾きながら歌って作りました。歌詞は大好きだった人が闘病の末、亡くなってしまった時の気持ちを描いています。シンプルな曲だったので、あまり編曲で迷うこともなくすぐにできましたね。

こういうゆっくりめのテンポの曲ではグルーブがぶれないことが重要なので、1曲通して叩きました。

通常盤のカップリング「Diorama Wonderland」は、鋭いエッジと力強いリズムが印象的なハードナンバーですね。

Anzi

キーボードの彩雨くんが持ってきた曲で、コード感が様式美しているのに対してデジタル音を多用しています。彩雨くんの解釈ではそのコントラストこそが摩天楼オペラ的だと。

楽曲全編を通じて、ギターとキーボード、ドラムのユニゾンが多くてスリリングです。

Anzi

昔はユニゾンするにしてもパート数ばかりが多くて、フレーズがぼやけてしまっていたけど、今はパート数を極力減らして、シンプル&タイトにするように心掛けていますね。その方が個々のフレーズが見えてくるので。ここは個々が成長した部分でもあると思います。

摩天楼オペラ

“摩天楼+オペラ=現代的なものと伝統美の融合”をコンセプトに2007年結成。重厚かつシンフォニックなサウンドとハイレベルな演奏でその名をシーンに広め、10年にアルバム『Abyss』でメジャーデビュー。ビジュアル系シーンで確固たる地位を獲得し、18 年に JaY(Gu)が、19年には響(Dr)をメンバーに迎え、現在の5人編成となる。

アーティスト