【家入レオ】光は求めるものではなく
自分自身の中にあるもの
衝撃的な楽曲「サブリナ」で多くの人の心を魅了した家入レオの第二弾は、さらなる進化を遂げた“レオ・ワールド”を鳴らす。この若き才能から目を離すな!
取材:竹内美保
デビュー曲「サブリナ」を2月にリリースして以降、大きな反響があったと思います。その声に感じたことなどがあれば、おうかがいしたいのですが。
本当にたくさんのメッセージをいただいたんですけど、すごく印象的だったのは70代の方から“懐かしいメロディーだ。忘れかけていた気持ちを思い出した”というメッセージをいただいたことです。10代から30代くらいの方からは“新しい音楽”と評価していただくことが多いので、世代によって捉え方があるんだなと感じました。それとやっぱり一番大きいのは、“自分が自分としてこれで良かったんだと思えた”ということです。私に対しての応援メッセージをくださるみなさんとはまだ直接お会いすることができていないんですけど、“見えない味方がいる”ということがすごく私にとって心強くも思えましたし。で、そういう方々がいてくださるからこそ私は曲を作るんだと再確認できたのが、自分にとってすごく良かったですね。
その実感されたことと再確認を踏まえての2ndシングルですけれど。タイトルチューンだけでなく、3曲ともすごくいい曲で、聴き応えのある一枚でした。
ありがうございます。すごく嬉しいです!(笑顔)
まずタイトルチューンの「Shine」は、凛としたものがとても感じられる作品でした。
そういう部分を感じていただけたなら、嬉しいですね。私なんてちっぽけな17歳ですから、周りの方々と自分を比べて落ち込んだり、自分のいる環境の中で自分を見失いそうになって辛かった時期もあったんです。でも、そんな時に福岡にいる友人から電話がかかってきて、“家入には音楽しかないでしょ”って言われて、“あ、そうだ。輝くものは自分の中にあって、そのことに気付くことが大切なんだな”と思って。で、その友人は“(あなたは)ひとりじゃないよ”と言ってくれたんですよね。その経験があって、この『Shine』という曲は生まれました。
では、この作品が生まれた背景には、そのお友達の言葉が。
はい。ガツンときましたから。誰もが絶対に自分の心の中に光がある、それを持ち続けたら、それが自分らしさにもつながる…そのことを噛み締めながら書いた曲です。ドラマ(『カエルの王女さま』)の書き下ろしですけど、自分の思いもすっごく詰められた曲なので、私としてはかなりの自信作です。
人間ってどうしても“照らしてほしい”という願いのほうに寄っていってしまう、ある種の弱さみたいなものがありますし。
そうなんですよ。“光を持ってるんだよ”ということを伝えたくて。だから、《You can shine》なんですよ。
《立ち止まるのは いつでもできる》というフレーズも素敵ですね。“立ち止まるな”とは言わないところが。
私自身も悩んでいる人を応援したい、でも“頑張れ”という言葉は使いたくないんです。頑張れって言われて頑張れていたら、みんな悩まないし。だから、“立ち止まるな”ではなく、“立ち止まることはいつでもできる。それを決めるのはあなた自身、私自身”という想いを伝えたくて。それと、自分に枷(かせ)をすることによって、責任というものがあることによって、前に進める部分もあるんじゃないかとも思ったんです。
そんなレオさんはアレンジメントに関してもこだわりがありますが、この楽曲はかなり細やかに…
最後にカシャってシャッター音が入ってるんですけど…
はい!はい! まさにそのことをお訊きしたかったんです。
あれは、誰かと比べることで“自分をなくさないで”という意味を込めていて。写真って、撮ると自分と向き合えるじゃないですか。だから、“自分自身と向き合って。誰かと比べるものじゃないよ。自分を認めることで何かが始まるよ”という想いを表現しているんです。それとサビに向かってシンコペーションを使って“前へ前へ”という表現を音で表しています。
2曲目の「Hello」は、側にいない人に向けて“Hello”って言える心持ちがいいなって思いました。それに、日常的な言葉なのに、この曲で聴くとすごく新鮮な響きに聴こえてくるのも。
それはすごく嬉しいですね。メロディーに乗ることによってこんなに特別な響きに変わるんだというのは、私もレコーディングをしていて感じました。この曲も上京してから書いたものなんですけど、私、ある友人に“(存在が)遠くなった”と言われて。それで“私は何も変わってない”と一生懸命に言ったんですけど、届かなくて…。どうやったらこの気持ちを伝えられるんだろうと思って、音楽で伝えることを選んだんです。この“Hello”という言葉に込めた気持ちが届いたらいいなって。
最後の「カラフル」は遊び心も織り込んだ楽曲ですね。
私、雨女なんですよ(笑)。でも、雨って素敵なところがたくさんあって。萎れた花を色鮮やかにしてくれたり、雫はキラキラしているし、虹を見るためにも雨は必要ですし。新しい世界が見えたりもする。で、そういうところに気付けたら、雨の日もひとつひとつのことが幸せに感じられますよね。だから、みなさんに雨を好きになっていただきたくて(笑)、この曲を作りました。最後の《雨が 止んだら その先にには 虹がかかる》の後を“信じてる”ではなくて“信じてたい”…そこはこだわりました。
この楽曲の最後のフレーズというだけでなく、一枚のシングルの最後の言葉が“信じてたい”になることもポイント。希望がすごく感じられる…次につながるワードですから。
あー! なるほど。でも、未来へ向かっているという気持ちは確かにありました。アウトロをフェイドアウトにしたのも、結末をあえてぼかして、完結していない物語にしたかったからなんです。
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