【THE NAMPA BOYS】綺麗なものじゃな
い、
カッコ良いものを求めてる
L→R 澤柳昌孝(Gu)、小林聡里(Vo&Gu)、田中悠貴(Ba)、後藤 駿(Dr)
シングル「プランジ」でデビューしたTHE NAMPA BOYSが、集大成かつ最新型と言える1stミニアルバム『froM』を完成。新人らしからぬ技術や表現力、ふてぶてしさから鳴らされるロックンロールは要注目です!
取材:フジジュン
6月にシングル「プランジ」でデビューしたばかりのTHE NAMPA BOYS。1stミニアルバム『froM』が完成です!
澤柳
すごく良い作品ができたと思います。自分たちで聴いて、“完璧なんじゃないか?”ってちょっと引いたくらいで(笑)。
後藤
他のバンドとは違う突き刺さる音になったので、何かのきっかけで聴いてさえもらえれば、必ず買ってもらえると思います。
田中
改めて聴いて、“自分なら買うな”と思いましたからね(笑)。
小林
今作はこの6曲だから成り立っているところもあって。「キャンバス」から華やかなポップスに行けるし、「到来」からダークなロックンロールに行けるし、「待つ元」から壮大なバラードにも行ける。どこにでも行ける可能性を示せたのは良かったですね。
うん。そこでどの曲にもブレることのないバンドの軸があるのは、結成からの7年で培ってきたものだとも思うし。
小林
でも、実はこの6曲って、この半年くらいで作った曲で、古い曲が全然入っていないんです。それが何を意味するかというと、自分の中での自己ベストが常に更新され続けてきたってことだと思うので、すごく良いことだと思っているんですけど。
そうなんだ。そこで一曲一曲に対して音作り、アレンジにもしっかりこだわれているしね。
小林
“時間さえあれば絶対に大丈夫”って自信もあったし、完成して“やっぱりこのバンドは大丈夫だ”と思えたところで。フルアルバムだったら難しかったと思うんですけど、3カ月でミニアルバムを完成させて、また強くなれたと感じてますね。
レコーディングをしながら、自分たちの成長も感じた?
小林
僕は曲を作る時、“自分が最強だ!”と思ってるので、成長というよりは“引っ張り出せてこれたな”って感じですけどね。
澤柳
スゲェな、その発言! 19歳が“成長じゃない”だって(笑)。
小林
だから、“よくやったな”って気持ちはありますけど、“ここで満足したらダメだ”という気持ちもあって複雑なんです。俺らはすごく良いものができたと思うけど、みんなが認めてくれるかは分からないから。自己満足で終わらず、オーディエンス優先って姿勢を崩さず、みんなを本当に楽しませる音源やライヴアクトというのをもっと探っていかなきゃいけないと思ってます。
今作では、ライヴでやっていた曲も改めてリアレンジして?
小林
はい、解体してもう一度組み立てました。曲がブラッシュアップされたのと同時に、“俺の作る曲って、やっぱり磨けば良いものになるんだな”ということが確認できたのが良かったですね。
…小林くんはさ、結果、“俺ってスゴイ”って話になるよね。
小林
あれ、そう仕向けてるんじゃないですか?(笑)
後藤
偉そうに思われるから、もうちょっと小出しにしないと!
アハハ。全然いいよ、どんどん大きいこと言っていこうよ!
小林
そうですね(笑)。今回、やっぱりライヴと作品とでは全然違うから、どう表現するかを片っ端から試してみたんです。そこで音楽的に正しくなくても、バンド的には良いって部分にも気付けたりして。“カッコ良いものって、正確なものだけではないんだ”ってことに気付いて、“俺らは綺麗なものを求めているんじゃないんだ”ということを初めて確認できたのは大きかったですね。
個人的には、すごく高度なことしてると思ったよ。例えば、「月照」はテクニカルな演奏も聴きどころだけど、それ以前に歌と演奏で、サビの絶叫に至るまでの感情の動きを表現できてるから、説得力があるし、伝えたいことがしっかり伝わってくる。
小林
嬉しいですね。頑張りましたもん、俺(笑)。今作は生活に直結している曲が多いんですけど、去年の夏くらいは感情のうねりが激しい時期で、上京してきてうだつの上がらない日々も楽曲に反映させて…この人たち(メンバー)も頑張ってるとか言うけど、あんなもんで“頑張った”とか言うな!って。
ククク。俺はもっと頑張ったし、キツかったぞ!と(笑)。「待つ元」も複雑な感情をしっかり落とし込めていますよね。
小林
自分で聴いてもちょっと泣けるんですけど、これはあくまで第一章だと思っていて。“松本”というテーマは一過性のものでなく、これからも積み重ねていきたいなと思っています。
では、それぞれ思い入れの強い曲を教えてください。
後藤
僕はドラムに関する技量的な部分でも「螺旋インセクト」ですね。“こんなに叩けるんだ”って思えた部分もあったし、課題も見えた曲だったので、いろんなことを想いながら聴いてます。
小林
ただ、「螺旋インセクト」のレコーディング中、僕は後藤くんに“殺すぞ!”って言いましたけどね。“もっと俺の気持ちを汲み取れ!!”って(笑)。だんだん肌で感じてくれましたけどね。
田中
俺は「キャンバス」ですね。こんなグルービーな曲を弾いたことなかったので、俺の中で新しい可能性を広げてくれる曲になったし、この曲から学ぶことは多かったですね。
小林
「キャンバス」では田中くんのMVPシーンがあって。途中、気付いたらすごいカッコ良いベースラインを入れてて、“何これ!?”ってスタジオがどよめいたという(笑)。
澤柳
僕も弾いてて楽しかったのは「キャンバス」ですね。ギターが弾けないと曲の良さが出せないと思って…
小林
人生で一番弾けたよね(笑)。僕は生活に一番寄り添えているって意味でも「螺旋インセクト」ですね。もともと“CONTINUE”ってタイトルだったんですけど、“螺旋”って言葉に行き着いて“これだ!”って。“それでも人生は続いていくから、這いずり回って行けよ”という応援ソングであり、自分を鼓舞する歌詞だったんですけど、歌詞としても一番しっかり成立してると思います。でも、やっぱり全曲思い入れが強いので、全曲聴いてほしいですね。レコード屋さんの視聴機も、聴き終わるまでヘッドホンが固定されて外れないとか、それくらい無茶してでも聴かせたいです(笑)。
アーティスト
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