【Gero】生音の素晴らしさを伝える、
その架け橋になりたい
ニコニコ動画で人気沸騰! 熱きロックシンガー・Geroが、連続リリースでついにメジャーデビューを果たす。ポップなシングル「BELOVED×SURVIVAL」、ロックなアルバム『one』の真逆な2作で、その燃えるピュアな魂に触れてほしい。
取材:清水素子
申し訳ないことに、どうしても気になってしまうのが、この“Gero”というアーティスト名なんですけれど…。
そうでしょうとも。もう、こんな名前を付けて、本当にすみません! そもそもは僕がニコニコ動画に初めて歌を投稿した時、すごくキーの高い6人ヴォーカルの曲を一気に歌ったら、体調が悪くなってエヅいてしまったんです。それが面白くて、録音作業をしてくれた友人とゲラゲラ笑って“お前エヅいてたし、投稿名もGeroでいいんじゃないの?”っていう軽いノリで決めたら、みなさんが食い付いてくださって…後戻りできなくなりました。4年前の自分に会えたら“今すぐ刹那に変えろ!”って言いたいですね。
なるほど(笑)。当然、歌はお好きだったんですよね?
はい。もともとHR/HMが好きで、洋楽だとか邦楽だとSEXMACHINEGUNSさん、投稿でも歌ったJAM Projectさん、影山ヒロノブさんとかの熱いアニソン系が大好きでした。やっぱりアニソンって、ワクワクするんですよ! 心に刺さる真っ直ぐさとピュアさと熱さがあって、大人になってもカッコ良いなと思える。自分もそういう歌を歌えるシンガーになりたくてオーディションとかも受けてたんですけど、なかなか夢が叶わなくて、結局普通に働き始めたんですよ。で、土日暇やったから、ニコニコ動画に投稿したと。
え? そんな理由?
いや、暇じゃなかったら投稿なんて面倒臭いことしませんって!あとは、単純に面白い文化やなと思ったんです。まだ動画サイトも浸透していない時代だったし、動画が観れる上にコメントが流れて、みんなで楽しんでる中に俺も混ざりたいなぁと。もちろん、自分の歌にどんな反応があるだろう?という興味もあって、ドキドキしながら投稿ボタンを押した翌朝、“コメント1”ってあったから見てみたら、大きな文字でゆっくりと“もう二度と投稿するな、カス”っていうコメントが流れたんですよ! あれは衝撃でしたね(笑)。
それで心が折れなかったのがすごい。
だって、批判覚悟で投稿してるわけだし、わざわざコメントを打ってくれること自体がありがたいじゃないですか。そのうちCDリリースのお話をいただいたり、握手会とかをさせてもらうようになって、中でも早くから全国をツアーを回ってライヴ経験を積めたのは、すごくラッキーだったと思います。1日2回公演を3日連続とかやったおかげで、喉もすごく強くなりましたからね。求めてくれる人がいるのなら、こっちも鍛えてクオリティーの高いパフォーマンスを見せないと失礼。そんな想いからメジャーのお誘いをいただいても“まだ力量が足りないから”と断ってきたんですが、もっとクオリティーの高い作品を作りたいという欲求が高まってきたのと、いろいろな巡り合わせで今回、デビューする運びになったんです。
そんな待望のデビューシングル「BELOVED×SURVIVAL」はアツいというより、さわやかなポップロックで、TVアニメ『BROTHERS CONFLICT』の主題歌なんですよね。
実は僕、少女マンガとかも大好きなんですよ! 男子向けの王道バトルアニメと同じく駆け引きがあってドキドキするし…。そして、TVアニメ『BROTHERS CONFLICT』も乙女の恋愛系ストーリーなので、その世界観を感じてもらおうと、キュンキュン系のポップロックにしたんです。しかも、作・編曲のHoneyWorksは僕の友達で、いつかアニメのタイアップを取りたいって話していたから、互いの夢が同時に叶ったという意味でも大事な曲ですね。
そんな曲調ゆえに、直後にロックな仕上がりのアルバム『one』が出るというのが、なかなかのギャップですね。
今回はロック寄りの作品にしたいというコンセプトがあったので、お願いする作家陣やイメージも最初から頭にあったんです。鬱P作の極悪チューンに友人のバンドの大凶作のDEATH姫ちゃんがものすごいデスヴォイスを入れてくれたり、『けいおん!』でお馴染みのTom-H@ckさんは洋楽チックなイメージがあったので、あえて和のロックをお願いしたところ、ものすごく壮大な曲を作ってくださったし。ヒャダインさんとは“Geroさん、何が好きですか?”“うどんです”っていう会話から、「うどん」っていう無茶苦茶な曲が生まれました(笑)。
うどんを食べる描写に妄想が広がる曲ですが、一方、最後の「ありがとう」のようなバラードもあって。こちらはご自身の作詞ですけれど、何に対する感謝の歌なんでしょう?
僕としてはお母ちゃん3割、聴いてくれてる人が7割ですね。今のGeroを形成しているものは母ちゃんの影響が強いし、メジャー1発目の最後の曲で一番書きたいものは何やろ?って考えた時、そんなひとつの感謝だなと。なので、作曲のElements Gardenの菊田大介さんにも、そういうものを歌いたいとお願いしたら、すごくノスタルジックで温かい曲にしてくださって。個性の強い作家陣の楽曲や音色を総合的プロデュースの黒須克彦さんが上手くまとめてくださったおかげもあり、最終的に一枚通して一本の映画を観たような、まさに理想通りの作品に出来上がって良かったです。
結果“one”というタイトル通り、一枚丸ごとライヴでやっても通用する作品になりましたが、7~10月の3カ月で26本というツアーは今までで最大規模なのでは?
いやぁ、自分でも怖さ5パーセント楽しみ95パーセントですね。でも、僕自身ライヴに衝撃を受けたひとりだから、ライヴ慣れしていないニコニコ動画のユーザーさんにも今、生まれてる音を爆音で聴ける環境、日頃のストレスを一緒に叫んで発散できる場を、ぜひ体験してほしい!と心から願ってるんですよ。そういう面で自分が架け橋になれればなと考えてますし、そのためにも歌唱の技術、MC、ステージング…全てを磨いて説得力を上げていきたいです。単に歌うだけでなく、自分で作曲や作詞もできないとダメだとも思うので、そういった自分へのチャレンジを今後もどんどんやっていきたいですね。
アーティスト
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