【SEBASTIAN X】“どこまでもポップ
”であるということ
L→R 沖山良太(Dr)、永原真夏(Vo)、工藤歩里(Key)、飯田 裕(Ba)
騒々しくて尖っていて華やか、そして最後まで貫かれるポップネス。ありとあらゆるエレメンツが渦巻く2ndフルアルバム『POWER OF NOISE』に込められた“愛のかたち”とは? 永原真夏(Vo)に訊く!
取材:町田ノイズ
今作の制作段階ではどんなアプローチをしていましたか?
制作の流れは前作とあまり変わらないんですけど、今回は私がGarageBand(Appleが開発・販売する音楽制作ソフトウェア)で作曲したりとか、歩里(Key)がキーボードでアレンジまで詰めた状態のものをバンドに還元したりとか、新しい作り方にも挑戦してみました。7曲目の「光/男/カメラ」では、リズムをループさせてその上に一発録りの歌を乗せてみたり。
今作では“血”というワードが歌詞中によく出てきますね。2曲目の「DNA」しかり。
“DNA”っていうタイトルの曲をリードトラックにしたアルバムを作ろう、と決めてはいたんですよ。でも、テーマそのものが扱いにくいからすっごく悩みましたね。歌詞も何回も書き直したし。最終的には一番ストレートな感じでおさまりました。
楽曲のテーマもアレンジも壮大ですね。
音楽活動にしても普段の生活にしても、最小単位の個体として立ち返らないと、本当に心から沸き上がるものと触れ合えないし、表現できないと思ったんですよ。例えば、友達同士の関係がぐちゃぐちゃしてるっていう小さいことから、今の日本を取り巻く状況まで、ひとりひとりの感覚がクリアになればもっといい意味で干渉し合えるんじゃないかなって。
肉体性があって重厚な題材をポップソングとして昇華するのは、すごく勇気のいることじゃないでしょうか?
そういうものを扱っても胡散臭くならないというか、説得力が出てくる時期になってきたんだと思います。今まで“若くて明るくてイイネ!”っていう印象の作品を継続してきて、その結果としてこういうテーマにも踏み込める感じになったというか。
5曲目の「サマー・ハネムーン・ビート」は、打って変わって切なげなラブソングという。
友達と喋っていると“恋愛ってきれいなもんじゃないよね”っていう話になるんですよ(笑)。でも、みんな本当はうまくいかないということが切ないし、悲しいんですよね。そういう感情を笑い話に変えられる女性の逞しさが愛しくて、歌にしたんです。
8曲目の「サマタイム・キル」は歌詞がパンクというか物騒ですね。イントロも物々しいし。
これは2年前に作った曲で、前作『ひなぎくと怪獣』に入れる入れないって話があったんですけど、作品の雰囲気に合わなくてボツになったんですよ。でも、1年経ってメンバーたちに“入れないの?”って言われて、収録することになりました。“返り血”とか“包丁”とか、自分が普段は絶対使わないであろう単語を使うことで、今まで出せなかったものが出せたと思います。
そして、ラストは「MIC DISCOVERY」の“イェイイェイイェイ〜”で締めると(笑)。
“アルバムは紆余曲折あってもハッピーエンドで終わってほしい”っていう思いがあるので、いろいろあったけど“イェイ!”っていう(笑)。「DNA」の《聴こえるかい?》とか「MY GIRL(姫君に捧ぐ)」のサビもそうなんですけど、同じフレーズを繰り返して、ライヴで乗れるよう意識をした曲作りというのはこれまでの作品ではできなかったので、ここは大きく成長しましたね。現在のSEBASTIAN Xというバンドの性格の表れです。
ライヴがより楽しみになりましたね。
今回のツアーでは、自分の性別と年齢を置いていこうと思っているので、お客さんもそういう気持ちで来てくれると嬉しいですね。“夢の世界へレッツゴー!”って感じで(笑)。
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