【惑星アブノーマル】音楽による平和
的地球侵略!
L→R アレックスたねこ(Vo)、テナ・オンディーヌ(Synthesizer&Key)
女性2人組ユニット惑星アブノーマルが1stミニアルバム『何でも無い凶器』から約7カ月振りとなる2ndミニアルバム『アナタソナタ』をリリース!
取材:高良美咲
アレックスたねこ
私たち、実は宇宙人なんです。本当はすごい難しい呼び名がその惑星にはあるんですけど、地球語では表現できないので、地球人でも覚えやすいように“どっかの星からきた異人”ということで、キャッチーな響きの“惑星アブノーマル”という名前を付けました。ネ、トテモヨビヤスイデショ。
…と、一瞬耳を疑ってしまうような話を繰り広げるアレックスたねこ(Vo)。テナ・オンディーヌ(Synthesizer&Key)との出会いと惑星アブノーマル結成のいきさつについて訊いてみた。
アレックスたねこ
先に私が地球、日本の音楽大学に潜入入学して、一年後にテナ・オンディーヌが入学してきました。彼女は受験生の時に、その音大のオープンキャンパスでのライヴで私が出演しているのを見て、入学を決めたのだそう。どうやらテナは私と関わりたかったらしく、テナが入学してからは、軽いストーキングを受けたりしてました(笑)。最初は変なヤツだなーと思うだけだったのですが、その頃に私が活動していたバンドでキーボードを入れたいという話になって、試しにテナと一緒にスタジオに入ってみたら、“あ、この子いればもういいや”と思ってしまい、テナをバンドに入れるというよりバンドのメンバーをクビにしてテナを選ぶというかたちになってしまいました。それが惑星アブノーマルの始まりです、多分。
同時に“惑星アブノーマルの目的は、音楽による平和的地球侵略とやりたいことをやりまくることです!”と語るたねこ。結成から現在まではどのような活動を行なってきたのだろうか?
アレックスたねこ
主に布教活動です。まずはティッシュ配りから始めました。雨の日も風の日もマッチ売りの少女を模倣して携帯ティッシュをちぎっては投げ、ちぎっては投げ…。そうやってここまで辿り着きました。一番辛かったのは携帯ティッシュでの煙突掃除です。クリスマスにサンタクロースの赤い服が汚れないように必死に磨き上げるのです。でも、所詮ティッシュだからすぐ破けちゃって手がすり傷だらけになるんですよ。…そろそろ気付かれると思いますがこれは嘘です。すみません、活動とか覚えてません。
彼女だからこそ本気にもとれるようなジョークから、なかなかひと筋縄ではいかない感がひしひしと伝わってくる。それでは、現在まで音楽性の変化などはあったのか尋ねてみた。
アレックスたねこ
ありません。煙突掃除とティッシュ配りじゃ…。いえ、そうじゃなくて(笑)、今のところ音楽性の変化はないです。自分が持っているものを出しているし、もともといろんな方面に手を出すことを前提にしているのが惑星アブノーマル。なので、これからも違うものをやっていったとしても、根底は変わらないので世間からは変わったふうに見られることがあったとしても当人たちの心持ちとしてはあまり変わらないのじゃないかな、と思っています。ポリシーを曲げたり考え方を変えたりしない限りは。
彼女たちの作り出す楽曲はポップでありながらもジャンルに縛られることなく、自由で多彩な面を持っている。そんな彼女の音楽のルーツが何なのかが気になるところ。
アレックスたねこ
地球ではMr.Childrenさんと椎名林檎さんが好きです。他にもたくさん好きな方はいらっしゃいますが、一番影響を受けていると思います。曲自体のメロディーやアレンジは“面白くポップ”を常に意識して作っています。暗い曲でも明るい曲でも、それは変わらないと思います。一回聴いても忘れられなかったり、もう一度気になって聴いてしまったり、そんな曲になるよう意識してます。1stミニアルバムの『何でも無い凶器』はどうしたって暗く捉えられるだろうと思っていたので、2ndミニアルバム『アナタソナタ』は真逆の明るい雰囲気を強調させようと思いました。2枚を聴いていただいてやっと現時点での“惑星アブノーマル”になるようになっていると思います。どちらも一枚の作品として完結していますが、このふたつの作品を出せたことで、やっと明暗を公に表現できたと思っています。
前作の『何でも無い凶器』から7カ月という短いスパンで出来上がった今作『アナタソナタ』。確かなビジョンが見えていたからこそ、多彩な楽曲が詰まったアルバムにも惑星アブノーマルとしてのひとつの統一性を感じるのだろう。中でもリード曲の「愛してやまない」は歌詞も曲も可愛らしいポップスで、MVはキュートな面が垣間見れるミュージカル風となっている。
アレックスたねこ
もともと「愛してやまない」は、倉橋ヨエコさんの「ままごと」という曲を聴いて、“わぁー、わたしもこんな可愛くて面白い曲が作りたい!”と思って作った曲でした。だから、フレッシュでキュートな曲を目指しましたし、曲をレコーディングした時点で、これは絶対MVにするならミュージカルだ!と思いました。
楽曲と並んで、歌詞の生み出すさまざまな情景も印象的だ。
アレックスたねこ
とにかく歌詞はこだわって書いています。聴いていると脳裏に映像が浮かぶような楽曲を作りたいし、歌詞だけ読んでも楽しめるようなものが自分の中でベストだと思っているので、言葉の響きや字の見た目や行間なんかも意識します。そういう意味では、今作の聴きどころは歌詞です。前作とは違った意味でよくできたと思います。ぜひ、全曲くまなく歌詞カード片手に聴いてください!
そして、“全曲思い入れがある”と語るたねこ。あえて、特に思い入れの深い楽曲について語ってもらった。
アレックスたねこ
選ぶとしたら、やっぱり「愛してやまない」ですかね。それと、「臆病者ラプソディー」です。どちらも辛い時期に書いた曲ですが、「愛してやまない」は恋愛で悩んでいる時で、「臆病者ラプソディー」は音楽で悩んでいる時でした。どっちもその時の気持ちは忘れられないものになっています。
本作の制作の上で得られたものは何だったのだろうか。
アレックスたねこ
私もテナも、地球に来てから成長したんだなーと思いました。『アナタソナタ』の楽曲は、『何でも無い凶器』の曲とほぼ同時に完成していた曲も多く、“今ならもっと演奏うまいのにな”とか、ふたりで話したりもしました。他の発見については、多分『アナタソナタ』が発売してからか、次のアルバムを出して、やっと気付くんじゃないかなと思います。
前作を踏まえ、見つめ直したからこそ完成した『アナタソナタ』。実は、出来上がってみて最初の構想とは少し違った作品になったようだ。
アレックスたねこ
自分としてはポップで明るいアルバムを目指して作ったつもりだったのですが、案外“切ない”というのがキーワードになっているアルバムになったな、と思いました。歌詞が悲しみだったり、儚さだったり、恋の切なさを歌っているものが多いからだと思うのですが…。
そういうところにきっと彼女たちらしさが滲み出ているのだろう。惑星アブノーマルの活動の上での今後の目標とは?
アレックスたねこ
今後はもっと大きい舞台に立ちたいです。惑星の仲間をたくさん作って…。いずれは住民票を渡せるようになりたいです。あとはやはりいろいろなことに挑戦したいです。楽曲もそうですし、見た目の面白さも、もっと考えていきたいです
最後に、リスナーに向けての今の気持ちを語ってもらった。
アレックスたねこ
おかげさまで、大変面白い作品に仕上がったと思います。ぜひ、みなさん、聴いてみてください! よろしくお願いします! ライヴ会場などでも、お待ちしております。
アーティスト
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