【vistlip】ビジュアル系の異質な雰
囲気に誇りを持つ

L→R Yuh(Gu)、Tohya(Dr)、智(Vo)、瑠伊(Ba)、海(Gu)

2015年夏、対バンイベントツアーで刺激を受け、“自分たちの色をいい方向に壊したい”と考えたというニューシングル「COLD CASE」について、智(Vo)とTohya(Dr)に解説してもらった。
取材:桂泉晴名

リード曲「COLD CASE」はこれまでのシンセで華やかに彩られたvistlipサウンドと違い、削ぎ落とされた骨太のロックとして仕上がっていますね。

今、vistlipとしてはバンドサウンドをしっかり軸にして、打ち込みは色付け程度にしたいという意向があるんです。「COLD CASE」は音的にすっきりしているけど、今後バンドとして押し出したい部分を垣間見ることができたのではないかと思います。

Tohya

いつもは展開をどんどん変えていくんですけど、この曲はストレートな感じですよね。余計な音が入らないことで、ギターの鋭さやベースのドライブ感というものが全部出てくることがよく分かるようになってきました。

あと、最近対バンイベントを立て続けにやったのですが、いろいろなバンドを見ることで、勉強できる部分がとても多くて。自分たちを見つめ直す時間にもなったと思います。

Tohya

対バンツアーを回って、ライヴにしっかりつなげられる楽曲を生んでいかないとな、と感じました。

「COLD CASE」の詞で描きたかったことは?

自分が思い描いてきた、ビジュアル系の独特で異質な雰囲気というものに、誇りを持ちたかったんです。俺は学生時代に周りから浮きたくなくて、隠れてビジュアル系を聴いていたんで、ファンにもそういう思いをしている人がいるんじゃないかと思って。でも、みんなが好きなビジュアル系は特殊かもしれないけど、最高だと思っているから、“そんなの気にせず、楽しんでいければいいよね”というメッセージが入っています。「COLD CASE」は“未解決事件”という意味で、未だにビジュアル系に対して偏見があるということから、このタイトルにしました。

2曲目の「SIREN」は勢いのある楽曲ですね。

Tohya

この曲はリズムで持っていける曲ですが、テンポが速くて大変なんです。ギターをあえて抜いてドラムだけのところが多いから、そこは自分の見せ場として、頑張ってタムを回さなきゃと思っています。

この曲は自ら死を選んだ人に対して、“どうして?”という疑問を投げかけています。自分はなるべくみんなを死から遠ざけるように歌ってきたつもりけど、その中でも死を選んだ子たちに対しての複雑な気持ちが込められていて…もちろん俺なんかが側にいられるわけじゃないから、知らないところで想像を絶するような何かがあったと思うんですけど。それでもvistlipを選んでもらったからには、その人を救えるきっかけになれたらと思うから、寂しい思いがあって。自分の中で常に“死”はテーマにあり、そこに焦点を当てた詞ですね。

3曲目の「BAKE」は恋愛のドロドロした部分が出ていますね。

彼氏がいながら、彼女はテレビのアイドルに夢中という場面を見て、“この子はなぜ彼氏が一番じゃないのか?”というところから考えて広げました。だから、その彼氏に対して、“お前がちゃんと捕まえておけよ!”というメッセージがあって。グロテスクで激しいけど、本質はピュアな歌詞なんですよ。

Tohya

なびく女性が悪いというより、男がしっかりしろ!っていうのは納得しますね。根本の問題はそっちだと思うし。

変化を続けるvistlipを象徴するシングルとなりましたね。

12月のライヴ『Right side LAYOUT[SENSE]』でこの曲たちを登場させられたら楽しいだろうなと思うので、その日に向けてしっかりと聴いてもらいたいです。

「COLD CASE」 2015年11月11日発売
マーベラス

  • 【LIMITED EDITION(DVD付)】
    MJSS-09159~60 1944円

  • 【vister(DVD付)】
    MJSS-09161~2 1944円

  • 【liper】
    MJSS-09163 1296円

vistlip

ヴィストリップ:2007年結成。リアルで等身大な言葉を紡いだ歌詞と、多種多様な要素を融合させた楽曲にキャッチーなメロディーライン、時折ラップも織り交ぜた他に類を見ないミクスチャー感を持つビジュアル系ロックバンド。ひと言では言い表せない世界観とメンバーの特異な個性が際立つパフォーマンスを武器にしたライヴは必見。結成日の7月7日にはZeppTokyoにてワンマン公演を行なっており、毎年たくさんのファンで会場は埋め尽くされる。

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