【PENs+】1曲ずつに個性があるような
アルバムに仕上がった
L→R 古屋雄太(Dr)、新井 凌(Gu&Vo)、原 真慧(Ba)、有賀麻生(Gu&Vo)
PENs+が自主レーベルを立ち上げ、2年振りとなるミニアルバム『OUR days.』をリリースした。どこか馴染みやすく、懐かしさを感じるPENs+が惜しみなく詰まったミニアルバムについて訊いた。
取材:高良美咲
ライヴ会場限定でリリースしたEP『soccer』から1年3カ月、全国流通盤としては『RULES!』から2年振りに、自主レーベルを立ち上げてリリースされる今作『OUR days.』は、いつ頃から構想があったのでしょうか?
原
アルバムを作ろうと話があがったのは2015年6月~7月頃でしょうか。“OUR days.”のタイトル通り、僕たちの日々を楽曲を通して残しておきたかったので、数年先に聴いて、リスナーも僕たちも今を思い出せるようなアルバムにしようと思いました。
その“OUR days.”というタイトルに込めた意味は?
新井
PENs+を組んだ高校2年生からこの4年半、いつでもPENs+が生活の中心にあり、本当に音楽、バンドのことばかり考えていたなぁと。自分の音楽を振り返ることは僕の日々を振り返ることでもあり、“OUR days.”と名付けました。
『OUR days.』には全6曲が収録されていますが、今作に向けて書き下ろした楽曲はありますか?
有賀
僕は「SEARCH」「サンライズ」「DaylightDaydream 」「nagisa」の4曲を作詞作曲したのですが、確か全部『OUR days.』を出すために作った曲です。今作で一番新しい曲は「DaylightDaydream」で、僕も新井さんも基本4~5分の曲が多かったので短めの2ビートの曲を作ろうと思って作りました。みんなで“で〜いら〜いで〜いどり〜”って歌ってほしいです。
「YELLOW」はどこか哀愁が漂っていて、歌詞の内容にもとても心が打たれる曲でした。
新井
今までPENs+の楽曲では抽象的な歌詞が多く、何なら高校生の時は“歌詞はどうでもいい、とにかく演奏のカッコ良さを!”と思っていました。そんな中、分かりやすすぎるくらいに分かりやすいメッセージを込めた曲を作ってみたいという思いが生まれ始めたので、伝えたいことをもっと歌詞に表わそうと思って。また、僕の青春は淡い黄色のイメージがあったので、“黄色い春”という表現を使ったんです。
今作を締め括ってくれる「nagisa」は、約8分という大作ですね。
有賀
なんせ8分もあるのでどう思われるか心配でしたが…メンバーもお客さんもライヴの定番曲として認知してくれているようで、曲どうこうより単純に嬉しく思っています。全曲通して解釈はお任せする系の作曲者なので何でもいいのですが、強いて言うなら前半は“あ〜もういろいろ嫌だなぁ…”、後半は“まぁいいや!!”っていう感じです。
「SEARCH」の《私の知らないことは この世にないのも同じだ》というフレーズが印象的でした。
有賀
何かを探してる歌って、大体嘘臭くて嫌いなのですが、何かを探してること自体はいいことだと思ったので、嘘臭い“君”とか“あなた”とかを探してる歌を歌うバンドマンに対するアンチテーゼで作りました。曲で書くのは基本に日常的なことかもしれないです。ただ、いろんな解釈をしてくれたら楽しいですね。
楽曲をバンドでかたちにしていく時にはどのように進めているのですか?
原
基本的にギターと歌だけが入っている音源をパソコンで送り合って、各自フレーズを考えて後日スタジオで合わせて調整、といった感じで進めてます。未だセッション形式で楽曲を作ったことがないので、そこは挑戦してみたい部分でもありますね。
単純に懐かしさを抱かせるだけではなく、ハードロックのような幕開けの「サンライズ」、ドラムをはじめとした怒涛のバンドサウンドが印象的な「DaylightDaydream」など、サウンド面で幅の広さを感じました。
原
その通り、前作の『RULES!』(2014年1月)に比べて幅の広い作品になったと自負しています。聴いていて単調じゃないと思うような。アーティストのアルバムの話をする時、“自分はこの曲がいい”“いや、自分はその曲よりもこの曲が好きだ”とそれぞれの意見を交し合っている時って楽しいですよね。そういったように、1曲ずつに個性があるようなアルバムに仕上がったと思っています。多方面からのアプローチで、さまざまな表情を見せる楽曲になりました。だからこそ、1枚を通して聴いてほしいという想いがありますね。
中でも思い入れのある楽曲は?
原
「nagisa」はバンドにとって特別な楽曲だと思います。というのも、どこへ行っても「nagisa」の後半のシンガロングを口ずさんでくれる人がいるんです。今年の6月にカナダで4公演のライヴを行なった時の会場が一体となるようなシンガロングには、こちらが心を打たれてしまいました。初めて僕たちを観る人が多いにもかかわらず、どこの都市でも歌ってくれて…もちろん、日本でのライヴでもシンガロングで盛り上がるので、特別なものがあるような気がしますし、印象深いです。
今作ではtoldの鈴木歩積さんをレコーディングエンジニアに起用していますが、そのことによってどのような影響や変化があったと思いますか?
原
toldの鈴木さんと僕たちは音楽の話がとても合うので、“こうしてほしい”という要望が言葉にせずとも伝わりました。PENs+の音をストレートに録音、表現できたと思います。歌、コーラスワークについてもたくさんのアドバイスをもらいました。音源はライヴと違って鮮明に聴こえてしまうこともあり、歌を歌う、伝えることの難しさを、みんな改めて痛感したような気がします。
12月9日には吉祥寺Planet Kでレコ発ライヴを行ないましたが、感想や現在の手応えなどあれば教えてください。
原
レコ発ライヴは満員で、最高な1日になりました! 対バンの或る感覚、LILI LIMIT、Helsinki Lambda Club、みんな素敵なライヴをしてくださいましたし、お客さんも自分たちも全力で楽しめました。2016年の3月25日にはPENs+初のワンマンがあるとステージで発表したのですが、その日がなおさら楽しみになる日でした。
最後にリスナーにひと言お願いします。
原
PENs+の音楽を聴いて皆さんの生活になんらかの感情を与えられるようなバンドになっていけたらと思います。何かそういったものを与えられたのなら光栄です。
アーティスト
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