【LoVendoЯ】“支え合おう”って言
葉は絶対に入れたかった

L→R 魚住有希(Gu)、岡田万里奈(Vo)、田中れいな(Vo)、宮澤茉凜(Gu)

LoVendoЯのメジャー2ndシングル「宝物/イツワリ」は田中れいな(Vo)が両曲を作詞。ボーナストラックを含めほぼ全ての詞曲をメンバーが制作し、グループの可能性がさらに広がった作品について話を訊いた。
取材:山村哲也

今作は「イツワリ」の作曲以外は全てメンバーの詞曲ですね。

田中

れいな的には作詞とか全然興味がなかったんですよ。他の3人は今までも書いていてライヴで披露したりしていたけど、私はそれに参加してなかったから、そういう話はいつの間にかこなくなっていたんですけど、今回は“メンバーが歌詞を入れてください”ってデモが3曲ぐらい送られてきて。最初は華麗にスルーしたんですけど(笑)、それだと無視したって思われるからやっぱり書いたほうがいいのかな?って思って、マネージャーさんに相談したら、その日が締切日だったんです。その日はたまたま2時間くらい車での移動時間があったから“ここでやるしかない!”って思ってできたのが「宝物」です。

この曲は田中さんの実話だそうですが。

田中

去年の誕生日に友達がサプライズで誕生日会をしてくれて、それがすごく嬉しかったので、曲を作ってライヴで披露できたら友達にお返しができるんじゃないかなと思っていたんですよ。でも、LoVendoЯにはこういうバラードっぽいデモ曲がなかったので、鼻歌で勝手に作って友達にだけ聴かせようかなとか考えていていたらこの曲がきたんです。《支え合おう愛し合おう》って詞はパーティーをしてくれた友達との掛け声みたいなもので、いつもみんなで“支え合おう!”って円陣を組んでお互いを深め合っているので、その言葉は絶対に入れたかったんですよね。激しい曲だったらこの詞は書けなかったと思うから、ねぇさん(魚住)ありがとうって感じです(笑)。

魚住

いやいや(笑)。この曲はスタッフさんから“こういう曲調がないから書いてみたら?”って言われたのがきっかけなんですけど、わりと迷いなくすんなりと作れました。

宮澤

私は主にアコギを弾かせてもらっているんですけど、とてもさわやかで心が浄化されるようないい曲ですよね。

もう1曲の「イツワリ」はちょっと大人っぽい歌詞になっていますね。

田中

“ファンの人が「イツワリ」を聴いてこっちも実話だって思ったら倒れちゃいますよ”って言われました(笑)。「宝物」がほんわかしているからこっちはちょっと強めにしないといけないなって思って、複雑で純粋じゃない恋愛を想像しながら書いたんですけど。友達と話していてもこういう話を普通に聞くので、共感してもらえるんじゃないかなと思います。

岡田

田中さんの詞は自分にも置き換えられるような物語が多いんです。私はこういう恋愛をしたことはないですけど、感情移入しやすくて情景が浮かぶから歌いやすいですね。

魚住

LoVendoЯらしい曲ですよね。交互にギターソロもあるので、そういうのもいいなって思います。やっぱりツインヴォーカル、ツインギターなのでそこは大事です。

通常盤Aのボーナストラック「カレーライス」は岡田さんの詞で、これも大人っぽい不倫の話が描かれていますが。

岡田

もちろん実話じゃないです(笑)。これは曲をもらった時にヴァンパイアみたいなイメージの曲調だったので、怪しい歌詞が合うんじゃないかなと思ったんです。最初はおとぎ話の悪役と悪い女を重ねて、その人の寂しさとかを書いていたんですけど、段々不倫が合うんじゃないかなと思い始めて。あと、その頃に『昼顔』っていう不倫ドラマが流行っていたのもあったり(笑)。身近にあるものから連想できる、ちょっとした不倫の寂しさとかが書けないかな?と思って書いてみました。子供のいる家庭のカレーは甘口で私のカレーは辛口だから、その人とキスをした時に甘口の味がして悔しさを感じるみたいな話なんですけど、“普通はカレー食べた後にそのままキスしないよ”ってみんなには言われました(笑)。

魚住

ダンスが入れやすいようにギターソロ前をハーフテンポにしたり、曲の中でヴォーカルがどうやって見えるかっていうのを意識しながら作った曲ですね。シーケンスが多めの曲なので、ギターもヴォーカルみたいにハモれたらいいなと思ってフレーズを変えたりもしました。

そう言えば、前回のツアーではダンスパフォーマンスが以前より増えた印象があったんですけど。

田中

前回のツアーからダンスとかを想像できる曲が増えたんですよ。今までのようなバンド感のある曲とパフォーマンス重視の曲を合わせられたら観え方も変わるし、お客さんも楽しんでくれるんじゃないかなと思ったので、ダンスを取り入れようってことになって。正直言って踊りは嫌いなんですけど(笑)、ダンスがあって歌うほうが“観て!”って気持ちになれて、パフォーマーとして演技している気持ちになれるから、ダンスがあると楽しいライヴがより楽しくなるんですよね。

通常盤Bのボーナストラック「YELL~あなたに贈る~」は、いつもの宮澤さんっぽくないポップな曲だなと思いました。

宮澤

闇が光を生んだみたいな(笑)。この曲は“ライヴのセトリの中で一番最後に盛り上がれる曲があったらいいね”ってみんなで話をしていた時に、“モーニング娘。の「みかん」みたいな曲がいいんじゃない?”って意見が出てきたのがきっかけで出来上がったんです。

田中

どんな曲を歌ったらライヴの最後でファンのみんなに“ひとつになったよね”って思ってもらえるのかなっていうのを考えたら、バーッて歌詞が出てきたんです。みんなに向けた詞だけど1対1に取れるようにも考えて、みんながみんな自分に向けて歌ってくれているって思うようにしないとだめだなぁと思ったりもしましたね。

岡田

私は人のライヴを観に行った時に、みんなで手をあげて左右に大きく振って終わるみたいなのが好きなんです。この曲はそういうふうにみんなの心がひとつになってお別れできるし、“また明日も頑張ろう!”って勇気付ける曲にもなっているので大好きなんですよ。実際に今ライヴの最後で歌うことが多いんですけど、私はいつもこの曲ですっきりした気持ちになって終わって帰りますね(笑)。

「宝物/イツワリ」 2016年02月24日発売
UP-FRONT WORKS

  • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    EPCE-7194〜5 2000円

  • 【通常盤A】
    EPCE-7196 1080円

  • 【通常盤B】
    EPCE-7197 1080円

LoVendoЯ

ラベンダー:モーニング娘。を卒業した田中れいな率いるガールズバンド。2012年11月、オーディションで選ばれたメンバーと田中れいなで結成。13年5月、アルバム『ラベンダー カバー The ROCK』でインディーズデビュー。結成2年目にして5度目の全国ツアーを実施する他、対バンイベント、夏フェス、海外イベントなど精力的な活動を展開している。15年7月にシングル「いいんじゃない?/普通の私 ガンバレ!」でメジャー進出。メンバーの脱退を経て、16年12月より田中れいなと岡田万里奈のツインヴォーカル、宮澤茉凜のソロギターの3人体制で活動を再開。

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