【ハシグチカナデリヤ hugs The Sup
er Ball】甘カワに、激しく――これ
が音楽の異文化交流

L→R 吉田理幹、ハシグチカナデリヤ、佐々木陽吾

ループマシンを操る“孤高の天才”ハシグチカナデリヤと、さわやかなハーモニー&甘いマスクで魅せる“2.5次元型”ツインヴォーカルユニットThe Super Ballが、異色のコラボレート! 軽快な疾走ロックチューンを、原色の個性が鮮やかに彩る。
取材:清水素子

かなり意外な顔合わせなのですが、どういった経緯でこのコラボが実現することになったのでしょう?

ハシグチ

まず、私がアニメの主題歌を作るという話をいただきまして。“お、アニメか!”とテンション上がって作ってはみたものの、イメージ的に自分の声だけでいくよりアニメのオープニングなら、もっとフレッシュでさわやかな声もあったほうが相応しいんじゃないかと。それでレーベルの方に相談したところ、彼らが馳せ参じたという次第です。

佐々木

僕らはそういうお話があるということで、ハシグチさんのデモを聴かせてもらったんですけど、イントロのギターで“めちゃめちゃカッコ良い!”と思って、聴き終わった瞬間に“絶対やらせてください!”って言ってました。

吉田

自分たちが持ってないビート感やメロディーがあって、僕は曲作りでも細かい転調をするのが好きだから、3コードが基本の楽曲っていうもの自体すごく新鮮だったんです。ループマシンを使ったライヴ映像を観ても、マジでカッコ良くて! ループマシンを使ってる人に対して “カッコ良い!”と思ったのは初めてでしたね。

ハシグチ

自分の曲ってコードがあまり変わらないから、ループマシンと相性がいいんですよね。こっちも彼らの声を聴いた瞬間、“この声、この声!”みたいな。いわゆる熱いものを感じて、今回の話に向いてるなと。

そこでスパボのおふたりが書いたのが、これまた青春の刹那を描いたような歌詞で。かなり予想外でした。

佐々木

これはメロディーの雰囲気と、あとはこの曲がオープニングテーマになるTVアニメ『ナンバカ』の内容から、大人になろうとしている子供の葛藤みたいなイメージで書いたんです。アニメが刑務所の中で繰り広げられるコメディーなんで、ちょっとテンション上がる感じがいいなと、お互い“高校生の頃の夜遊びって、どんなだった?”っていう話をして。理幹はラウンドワンだったんでしょ?

吉田

うん。ボーリングとかカラオケとかで遊んでましたね、普通に。男5人で観覧車に乗ったり。いつものメンバーで集まるだけで楽しいんですよ!

佐々木

僕の場合も銭湯でアイス食べたり、コーラ飲みながら話してるだけでテンション上がった! そういう大人への葛藤と、青春の夜遊びが混じり合ってできた歌詞ですね。

良かったです。変な夜遊びじゃなくて(笑)。

佐々木

健全ですよ(笑)。歌詞にある“パーティー”もクラブじゃなく、コーラで乾杯してるパーティー! タイトルは最初のデモ段階からサビ前に入ってた《Rin! Rin!》と、サビ頭の《Hi! Hi!》を組み合わせて、“Rin! Rin! Hi! Hi!”にしました。

ハシグチ

ちょっと変わったタイトルですよね。楽器をやってる人にはぜひコピーしてほしい曲でもあって、最初はEマイナーで作ったものを、彼らのキーが高かったのでFマイナーにしたってことはメモっておいてください(笑)。

佐々木

レコーディングにはプロデューサーの岡野ハジメさんも参加してくださったんですけど、歌のニュアンスに対するアドバイスを細かく出していただけたんです。おかげで予想以上のセクシーさが出せたAメロも聴いていただきたいです。

吉田

ビブラートの細かさや1フレーズ毎のアクセントの置きどころまでアドバイスをいただけて。あとは、ラウドな曲だけに自分の“激しさ”の限界も広がった気がしますね。

ハシグチ

そういった岡野氏の細かい指導やアドバイスのおかげで、私みたいな異物がふたりのさわやかヴォイスに上手く混ざり合ってるんですよ! 曲だけじゃなく、ジャケ写でもMVでも合わないはずの組み合わせが絶妙に上手くいっている。

シックなタキシードにポップなTシャツの取り合わせも、不思議だけれどしっくりきますよね。

佐々木

言ってみれば、交換留学みたいな感じですよね。音楽の異文化交流。MVでも自分たちの世界観とハシグチさんのロックな世界観が混ざるんじゃなく、それぞれの歯車が噛み合っていて、すごくカッコ良いんですよ!

吉田

ほぼ一発録りというか、3人で遊んでる部分も使われてるので、そのへんも観てほしいですね。

カップリングの「カメレオマン」もギターソロの激しいアッパーチューンで、表題曲の「Rin! Rin! Hi! Hi!」と同じ路線ですが、歌詞の世界観も通じてません?

ハシグチ

その通りです! 表題曲のティーンエイジャー感を意識して書いた歌詞だから、主人公は同じかもしれないですね。

吉田

こんなにメロディーと言葉を詰めて歌うことも、第三者が書いた歌詞を歌うのも初めてだったから、めちゃめちゃ新鮮で!激しさ満点の新しい自分を見付けられて、得るものも多かったから、今後のスパボの幅も広げていきたいです。

佐々木

今回、東京・大阪・札幌を回るキャンペーンでは、3人でアコースティック形態で回るんです。それを経てさらに野望が出てくると思いますね。この3人でフェスとか出てみたい。

ハシグチ

まだこれからどんどん仲良くなって、いいグルーブが出てくるだろうしね。住んでる場所も近所だし、偶然にも余裕でチャリ圏内!

吉田

普通に街で会いましたよね(笑)。ハシグチさんって10歳上なんですけど、話してみたら少年のような無邪気さがあって、いい意味で気を遣わずに接することができるんですよ。

佐々木

親戚のお兄ちゃんみたいな距離感で、いい意味でかわいい。3人で作ったLINEグループに、今回のコラボ名とは別に“カナデリボール”っていう名前を付けてくれたり。

今回の“ハシグチカナデリヤ hugs The Super Ball”というコラボ名も素敵ですよね。

ハシグチ

そう! 蓋を開けたらコレで、最初に見た時から“ええやん!”と。この表記、今後流行るかもしれない。

佐々木

うん。考えてくれたレーベルの方に感謝です。

ステージの上でのハグも期待してますよ。

ハシグチ

分かりました。了解です!

「Rin! Rin! Hi! Hi!」 2016年10月19日発売
徳間ジャパンコミュニケーションズ

  • 【初回限定盤(DVD付)】
    TKCA-74425 1500円

  • 【通常盤】
    TKCA-74426 1200円

ハシグチカナデリヤ

ハシグチカナデリヤ:2014年より“ハシグチカナデリヤ”として本格的に活動をスタート。オリジナリティーあふれる圧巻のパフォーマンスと、 その独特のポップセンスで“ループギターの魔術師”“孤高の天才”と称される。15年にはインディーズで1st アルバム『その名はハシグチカナデリヤ』を発売。同年に実施した渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライヴも成功させるなど、シーンでの注目度も急上昇中!

The Super Ball

ザ・スーパーボール:佐々木陽吾(Gu&Vo)と吉田理幹(Pf&Vo)によるツインヴォーカルユニット。略称は“スパボ”。2013年結成。2015年から都内ライヴハウスや路上ライヴ活動を本格化させ、レコード会社数社の争奪戦の末、2016年7月にメジャーデビューを飾る。デビュー以来、数多くの楽曲がTVアニメ主題歌、連続ドラマ主題歌、番組テーマソングに抜擢され、ふたりの奏でるメロディーとハーモニーが大きな注目と人気を集めている。