【METAFIVE】入門編にもちょうどいい
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リリースはもちろんのこと、ライヴを含め、精力的に活動中のMETAFIVEだが、彼らの2016年はまだ終わらない。ここに来ての、さらなる新作『METAHALF』。いったいどんな内容になっているのか? その変化や魅力に迫る!
文:田山雄士
高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI×ゴンドウトモヒコ×LEO今井という、個々に名の知れたミュージシャンが集ったスーパーバンド、METAFIVE。今年1月リリースの1stフルアルバム『META』で音楽ファンをときめかせた彼らから、早くも嬉しい新作ミニアルバムが届いた。その名も“METAHALF”。何でも8月にリリースしたライヴBlu-ray『METALIVE』のおまけとして新曲を1、2曲付けようと考えていたら、メンバーが自ずと曲を作ってきてしまったので、“じゃあ、別で出そうか”ということになったらしい。そうした制作スタイルも、フラットなマインドを持ち、バランス感覚に長けたこの6人だからこそ。また、今作の場合、例えば「Musical Chairs」ではTOWA TEIが、「Egochin」では砂原良徳が、曲作りの工程にノータッチだったりもする。いい具合に投げっぱなしにできて、無理に6人で作り込みすぎていない。それが吉と出たように思う。うまく仕上がるのも、蓄えてきた音楽性が近く、各々がプロデューサー経験のある秀でたプレイヤーゆえと言っていい。
…とまあ、ずらずら書いたものの、高尚と捉えすぎず、ライトに楽しんでみてほしい。マニア向けで終始してほしくない。実際、METAFIVEのライヴには20代のお客さんも多く足を運んでいるし、エッジーでエレクトロニックな要素があるとはいえ、彼らの音楽がEDMのように古びることはまずないので。心配ならば、YouTubeで公開中の『METAHALF』収録曲「Chemical」(スタジオライヴver.)を観ればいい。LEO今井のシャウトや高橋幸宏の力強いドラムなどが、雑念を全部吹き飛ばしてくれる。それは“水曜日のカンパネラが大好き!”“中田ヤスタカのサウンドは神!”っていう若いリスナーにも、クールに響くはずだ。
メンバーの誰かが原型を作り、そこに音を足していった全5曲。基本はツインヴォーカルの歌もので、打ち込み/生演奏を併用している。愛憎サスペンスドラマの主題歌にしたいくらいの妖しくギラついたムードで迫る「Musical Chairs」をはじめ、イントロの水音とエレキベースの絡みや小山田圭吾(CORNELIUS)カラー×ハンマービート的質感に萌える「Chemical」、ゴンドウトモヒコによる哀愁トランペットソロがゾクゾクの「Peach Pie」、レトロな音使い&熱っぽいヴォーカルワークの折衷が美しい「Submarine」など、ニューウェイヴ、サイケ、ファンク、ソウル、テクノポップ、クラブミュージックといった音楽の魅力がユーモラスに、タフに詰まった一枚ですごい! 本当にアクティブな方々です。
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