【LAST ALLIANCE】


取材:フジジュン

誇らしく自信の持てる作品になった

1曲目の「Change by 1」から突き抜けた感を受けたり、この曲がひとつ覚悟を決めた決意表明的なものにも聴こえて、すごく新鮮で新しい印象を受けました。

MATSUMURA

そうですね。これをアルバムの1曲目にっていう意図はなかったんですけど、普段から一曲一曲にテーマを持って作っているので、すごく良いスタートになりましたね。

収録されたシングル曲もポップさと鮮烈さに満ちあふれていて、サウンドからはもはや迷いのない感じを受けました。

shingo

でも、僕はアルバムをレコーディングしなきゃいけないことがすごく辛くて(笑)。もちろん作業自体は楽しんですけど…何でしょうね? レコーディングが辛くて失踪するなんて話も聞きますけど、ちょっと気持ちが分かりました。

MATSUMURA

僕も今までみたいな楽しいだけの気持ちではなかったですね。…何だろうね、アレ。4枚目ですから、前作を超えたいって気持ちももちろんあるし、今まで見えなかった部分も見えちゃうから。今回はとにかく作ることが難しいし、すごく労力が必要だった。

やっぱりハードルも上がっているし、そこを乗り越えた時はよりハイクオリティな作品ができるんでしょうけどね。

MATSUMURA

そうですね。だからこそ、改めて聴いた時も後悔するところが一個もなかったんだと思います。“やりきった!”と言うと大げさですけど、後悔がひとつもないアルバムになりました。誇らしいし、自信の持てるアルバムになりましたね。

shingo

うん、“よくやったな、俺たち!”って感じですよね。だから…しばらくはレコーディングやりたくないですね(笑)。今は早くツアーに行かせてよ!って感じです。

アルバムの全体像が見えてきたのはいつぐらいですか?

MATSUMURA

アルバムの曲からシングルのカップリング、まだ発表していない曲まで、去年の12月にまとめて録ったんです。そこでは一曲一曲を練り上げていったので、まだ全体像も見えていなくて。見えてきたのは全曲揃ってからですね。

本当にライヴの見えるアルバムになりましたよね?

MATSUMURA

だんだんそういう作り方にはなっていってますね。やっぱりメロコアっぽい曲だけでなく、しっかり聴かせる曲もあるので。セットリストを考える時も起承転結を考えるんですけど、アルバムもそれに近い曲順で考えています。

ラストは明るい光が差し込むような「雨上がりにグラフティ」で終わらず、「群青海月」でスッと影を落として終わるところまで、すごくラスアラっぽくて良いと思いました。

MATSUMURA

僕ららしいですよね(笑)。

本人たちとしては、今回のアルバムのカギとなった曲はありましたか?

MATSUMURA

僕個人としては「WORLD IS MINE」ですね。この曲には過去、現在、未来が全部入れることができたかなと思っていて。昔演っていたことも抵抗なくできるようになったし、昔叶わなかったこともできたし、歌詞も今現在の自分を赤裸々に書くことができた。今の僕らがこういった2ビートの曲を演る中で、全てにおいて思った以上のことができた気がして、このスタイルはひとつ完結させたなって思えました。この曲もそうですが、今作はやりきった感はすごくありますね。

LAST ALLIANCE

02年結成。ANZAI(vo&g)、MATSUMURA(vo&b)、SHINGO CHANCE!(g)、HIROSHI(dr)の4人から成るスピリチュアル・ロック・バンド、LAST ALLIANCE。スピリチュアルなヴォ−カルが交錯するツイン・ヴォーカルという独特なバンド編成もさることながら、エモーショナルかつメロディアスな楽曲の中に、異質なまでのポピュラリティを見出したメロディ、叙情的でメッセージ性の強い歌詞で卓越したアーティスト性を放つ。

インディーズ・シーンでの活動を経て、07年11月に<VAP>より6thシングル「Signal 004」でメジャー・デビュー。その後もコンスタントにシングル&アルバムをリリース、近年では、日本最大の邦楽フェス『ROCK IN JAPAN FES.』や10-FEET主催の『京都大作戦』に出演するなど、圧巻のパフォーマンスで数々のライヴハウスを熱狂させており、ロック・シーンでは今最もブレイクに近いアーティストとして周囲の期待を集めている。そして10年10月にはフル・アルバム『Keep on smashing blue,』をリリース。

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