【STANCE PUNKS】
取材:道明利友
バカみたいな衝動があるかっていう、ただそれだけなんで
シングルは約2年振りのリリースで、すごく久しぶりですね。去年はリリース自体がなかったですし、この間の状況から教えてください。
もちろんライヴは、いつものごとくやってましたね。10年じゃないですか、今年で。飽きたっていうのとは違うんだけど…思うに、俺、去年はなんかちょっと“Burn Out”気味だったというか。俺らも長い期間やってるし、そりゃあ、そんな状態でも音源を出そうと思えば出せただろうけど、あえて出さなかった。良いのができねぇなと思う状態で出すのもどうなんだろう、って思ってね。
なるほど。10年という時間を走り続けてきて、やはり気持ちの揺れはたくさんあったでしょうしね。それでも、テンションを持ち直したからこそ、「アイワナビー」もできたのかなと思います。この曲は音の荒っぽさが、とにかく凄まじいですね(笑)。
いきなりブワーッとなっちゃいましたね(笑)
痛快です!(笑)“Burn Outから一気に加速!”、みたいなこの曲なのですが、どのような気持ちの時に生まれたのですか?
『アイワナビー』はミニアルバム『BOMP!BOMP!BOMP!』にも入れようかって考えてた曲なんです。で、制作期間としては、20代最後の曲だったんですよ。20代の俺総括みたいな、そういうのはあったかもしんないすね。でもそこで、振り返るような曲は作りたくないって。だから、あえて“アイワナビー!”って叫ぶ、これから先の、分からない未来の歌を書きました。
普通だったら、この10年を振り返るような内容になりそうですけど、そうじゃなく、STANCE PUNKSはここからの未来を見ようとしたと。
うん。10年やって、もちろん環境とかも変わったし…変わりますよね、そりゃあ。歳とってけば人間、転がり続けるから。だけど…たかだか10年バンドやったぐらいで“分かったようなこと”を言ってるヤツ嫌いなんで、俺。たかだか10年の若造なんてまだまだ“アイワナビー”だよ、って。“分かっちゃう感”というか…。大人になって、いろんなことが分かってきて、頭でっかちになっちゃうのも嫌だし、いつでも俺は“ガキの味方”でいたいから。俺は何やったらいいか分かんないって言ってるヤツとか、不安を感じてたり、ダメな自分を変えなきゃなとかって思ってるガキに見せたいんですよ。“ほら、大丈夫だよ!”って。
ずっと“アイワナビー”し続けてる大人はいるんだということですね! それが人間、歳をとっていくにつれて、忘れがちなものだからこそ、こうなりたいっていう理想とか夢はずっと持ち続けていきたいなという気持ちはすごく共感できます!
そうっすよ! それを恥ずかしがるような大人にはなりたくないなっていうことです。だって、俺らもね、スタジオに行って“ジャーン!”って鳴らした音だけで“かっけぇーっ!”みたいな。“これがロックだよ!”っていう、それだけなんですよ。変わらないもの、変わらないでいたいものっつったら。それだけとは言わないけど、やっぱり俺の中では、“パンクロック=若者”なんで。そこにいかに“バカみたいな衝動”があるかっていう、ただそれだけですよね。
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