【Chicago Poodle】僕らの今できるこ
と全てを詰め込んでいます

L→R 山口教仁(Dr)、花沢耕太(Piano&Vo)、辻本健司(Ba)


取材:土内 昇

ついに完成した約2年半ぶりのアルバム『ピアノロマン』。まず本作を聴いて思うのは、サウンドに無駄な装飾がされていないということ。つまり、彼らにとって最大の武器である花沢耕太のヴォーカルが前面に押し出されているのだ。

山口

今回プリプロでかなりこだわったのが、実はこの作業です。どうすれば無駄を省けるか? 音を重ねすぎず、何をメインで聴かせたいのか? そのバランスをとるためのプリプロ作業を緻密に行ないました。

辻本

アレンジに関しては、まず何よりも“花沢の歌”を前面に出すことを一番重視しています。彼の歌声と彼が作り出すメロディーが持つパワーっていうのは、極論を言えば、声とメロディーだけで曲が成立してしまうほどだと僕は思っています。

また、収録されている楽曲のバリエーションも幅広く、特にレゲエに挑戦した「深くもぐれ」とラップが入った「Dance ?華と龍?」には興味深いものがあった。

花沢

レゲエは前からやってみたかったんです。僕のイメージする“レゲエ”って結構しゃがれ感やラフな感じがしていて、自分の声質に合ってるんじゃないかな?って思ってたんです。『Dance』はDJ龍太さんの番組の中でゲーム企画があって、負けた僕が曲を作るということから始まったんです。せっかくなんで、龍太さんにラップで参加してもらう想定で作りました。まったく違うフィールドの音楽とのコラボはすごく刺激的で楽しすぎましたし、音楽の表現方法って無限やな?って改めて感じましたね。

山口

かなりいろんなアレンジを冒険しているので、全12曲飽きることなく聴ける作品に仕上がったと思います。僕らの今できること全てを詰め込んでいます。

辻本

久しぶりのフルアルバムってことで作るのも苦労しましたが、そのぶんすごく納得のいく作品になりましたね。

“粒ぞろいの12曲を収めた、内容の濃いアルバム”。それはリスナーの我々よりも、メンバーが一番感じているようだ。そして、それはバンドの自信にもつながっている。

花沢

打ち込みを積極的にしたり、いろんなジャンルに挑戦したりしたんですけど、やはりピアノと歌だけで作るモノが良ければどんなアレンジしても良いということに自信が持てたんで、その自信を次につなげていきたいと思います。

『ピアノロマン』

  • 『ピアノロマン』
    TCR-059
    2100円

Chicago Poodle

シカゴプードル:精力的にライヴ活動を続ける中、コンスタントに作品を発表し続け、09年3月にシングル「ODYSSEY」でメジャーデビューを果たした。80年代洋楽ポップスが持つ懐かしくも切ないメロディーラインや花沢の伸びやかな歌声、山口&辻本のリズム隊が織り成すアーバンなアンサンブルから“ピアノ名曲工房バンド”と評されている。

アーティスト