【ステューパ】


取材:土内 昇

ステューパとして打ち出す新しい音楽を作りたい

まずは結成の経緯からうかがいたいのですが。

Kyon

結成は2002年ですね。もともと悠介と元が幼なじみで、十代の頃から一緒にバンドをしてて、私は別で音楽活動をしてたんですけど、人を通じて彼らを紹介してもらって“一緒にやろう!”ってなったんです。その後、他のメンバーが加入したという感じですね。

母体となったバンドはどんなサウンドを?

悠介

基本はロックなんですけど、いろいろ模索していて、ラップをやり始めた時にKyonと出会ったという感じです。だから、一緒にやるに当り、バンド名も変えて、ある程度サウンドのジャンル的なことも固めてしまおうって。

どんな音楽性でやっていこうと?

悠介

ロックというよりも、ヒップホップ系の新しいもの…もちろん、ロックのエッセンスは取り入れつつ。でも、そういう構想はあるんだけど、当時の自分たちのスキルではなかなか形にすることはできなくて、そこからいろいろな試行錯誤を繰り返していって、今があるという感じですね。

2005年と2006年に音源をリリースしているのですが、やはり音源を作ったことでバンドに変化はありました?

悠介

音源をリリースしたことで全国に出ることができたんで、活動の視野が広がったんですけど、リリースすればするほど、音楽面では模索することが増えて、迷いも多々ありましたね。

Kyon

いろんなことをやりすぎて見えなくなってた時期があったんですよ。お客さんが見ている我々っぽさと、自分たちが生み出したい我々っぽさの焦点が合ってなかったというか。

では、フルアルバム『ONE』を出して、その辺のところをまとめたという感じですか?

悠介

フルアルバムでさらに広げてしまったんです(笑)。ただ、コンセプトが、“今までやってきたこと、プラス新しいものを詰め込めるだけ詰め込んで、どれだけバラエティに富んだものが作れるか?”だったんですね。そこで今の自分たちにつながるものを入れることができたんで、それがデカかった。それに、ここ1年ぐらいかな? “歌を出していこう”ってなってます。『ONE』の時も自分とKyonのパート分けで、まだ模索していたところがあったんですよ。でも、ここ1年ぐらいで、もっと分かりやすくしたいと思って、Kyonは歌で自分はラップ、重なる時は重なるっていう感じで、歌とラップのメリハリを相当意識するようになりましたね。歌詞に対しても自分はギリギリまでリアリティーを追究して書くから、Kyonはサビでそれを包み込むような感じに歌ってほしいとか。そういう意味では、ステューパを始めた頃に戻った感じはありますね。男女ツインというスタイルで、ステューパとして打ち出す新しい音楽を作りたい。

今、新作のレコーディング中なんですよね?

悠介

夏に出すミニアルバムのレコーディングをしてます。『ONE』の時に見ていた“新しいもの”を追究した…“新しい”って言ってしまうと“第二段階”っぽくなっちゃうけど、今までの延長線上でありながらも、一番ポイントとして打ち出したかったステューパというものが見せられるんじゃないかな?

Kyon

初めての人もたくさんいると思うので、勢いのあるものにしたいですね。『ONE』から2年ぐらい空いてしまったけど、自分たちはずっと進んでいたし、バンドのテンションもすごく高まってるし。ちなみに、昨日、楽器隊は上半身裸でレコーディングをしてました。パンツ一丁なのに靴下は履いて(笑)。

ステューパ

ステューパ:2002年、悠介が元と組んでいたバンドにKyonが加入し、ステューパが結成される。2年で200本の路上ライヴを敢行するなど、精力的にライヴ活動を続け、音源に於いても数々の話題を呼ぶ。

アーティスト