J1首位のサガン鳥栖に異変! 勝ちたいけど勝ってはいけないジレンマとは?
トヨグバこと、元日本代表の豊田陽平も所属するサガン鳥栖。現在開催中のJリーグで快進撃を続け、首位を快走中だ。
その鳥栖だが、なんと監督の尹晶煥(ユン・ジョンファン)氏が解任される騒ぎとなっている。首位を走るチームの監督がクビになるのは異例のできごと。いったい鳥栖になにが起こっているのだろうか?
あくまで噂でしかないが、一番現実的と思われる理由が、金銭面で折り合いがつかなかったということだ。とても豊富とは言えない戦力と予算でここまでの成績を残せる監督はなかなかいない。来季の年俸アップは間違いないと見られていた。
しかし、サガン鳥栖の昨年の人件費はおよそ10億円とJ1でも最低規模。しかしこれでも一昨年の6億円から大幅に上昇しており、3億円の赤字を計上している。これ以上好成績が続くと、監督と選手の年俸があがり、経営が破綻してしまう恐れがあるのだ。
また、無視できないのが、Jリーグの勝利給というシステムである。これは試合に出場し勝つことで選手に与えられるボーナスで、金額は非公開ながらその相場は1人30万円程度だと言われている。現在12勝をあげている鳥栖で換算すると、勝利給だけで4,000万円以上かかっていることになる。鳥栖のフロント陣も、ここまでの勝ちを計算していなかったのではないだろうか。
それならば一時的に投資を行い、クラブを大きくするという手法も考えられる。当分の赤字を覚悟してビッグクラブを目指すのだ。しかしそれも難しい。2013年よりJリーグクラブライセンス制度というものが実施され、3期連続赤字だとクラブの資格を剥奪されてしまうからだ。
鳥栖はまさに板挟みの状態なのかもしれない。
スポーツは弱肉強食の世界である。小さなクラブから良い監督や選手が引き抜かれることは当たり前だ。小さなクラブが選手や監督を守ろうと年俸をあげてしまうと、大分トリニータのような経営問題を抱えることになってしまう。監督を解任した鳥栖は、今後どのような戦いを見せるのだろうか。選手たちは、雑音を気にせず、勝利を目指して戦ってほしい。
(文・角刈りハーブティー)
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