【SPYAIR】大人の男に伝わるロックバ
ラード
L→R KENTA(Dr)、MOMIKEN(Ba)、IKE(Vo)、UZ(Gu&Programming)
破壊力抜群のロックナンバー「RAGE OF DUST」が好評を得たSPYAIRの新作は極上バラードの「Be with」。カップリングにはラップ曲「BRING IT ON ~Battle of Rap~」を収録する意欲作となった。
取材:榑林史章
「Be with」はすごく壮大なバラードですね。今、SPYAIRにはこういう曲が必要だと?
UZ
そうですね。ここ最近、バラードをシングルで出したいとずっと思っていたんです。SPYAIRって激しくて爽快感のあるロックが基本軸にあるけど、アルバムの収録曲にはいろいろなタイプの曲があって、バラードもあるし、ライヴでも必ずやっているんです。そういう側面をもっと知ってもらうには、シングル曲として出すことが大事なんじゃないかと。今回は特にリクエストもなかったので、だったら出したいものを出そうというのもありました。
IKE
俺自身、ロックバンドで一番グッとくるのは、何だかんだでやっぱりバラードなんですよね。そういう憧れみたいなものを今回はかたちにした部分もありますね。
歌詞はラブソングで、プロポーズソングにもなり得るような、すごくストレートに気持ちを告白している曲ですね。
UZ
そういう歌詞にしてほしいと、滅多に歌詞に口を挟まない俺が言いました。最後にはちゃんと幸せになるやつで、結婚式で旦那が嫁さんに向けて歌ってもらえるようなものに、と。
MOMIKEN
そういうゴールが見えていたので、そこに向けて物語を紡いでいった感じですね。と言っても、ただ愛だの恋だのということだけで終始するものにはしたくなくて。恋愛を通して、男として成長していくストーリーを描きたいと思ったので。若い男の子よりもある程度経験を積んだ、大人の男により伝わると思いますね。
過去を振り返ってる2番の歌詞にグッときました。
IKE
そうだったら嬉しいです。年齢を重ねてきたからこそ、説得力を持って歌えたんじゃないかって思います。もう少し若い頃なら経験が少ない分、意味をとらえ切れず、歌いこなせなかっただろうなって。きっと大人の男なら共感してくれると思います。その上で男が歌って、それを女性が聴いてグッとくるような曲になったんじゃないかな。メンズが、好きな女の子をカラオケに誘って、その子に向かって大熱唱してほしいですね(笑)。
歌い方がやさしく包み込む感じだと思いました。
IKE
気持ちがやさしくなるので、自然とそうなります。だからと言って、エモーショナルな部分がまったくないわけではなくて。“離したくない”という純粋な感情を表現したくて、力を抜いてるんだけど熱を込めて歌いました。
サウンド面では生のストリングスやピアノなどが入っていて、すごくゴージャスで。逆にバンドの音はシンプルに?
KENTA
そうですね。ピアノやストリングスが入ってるので、ドラムやベースは基本に忠実にしてベーシックで支えるみたいな演奏を意識しました。同時にその難しさも再確認させてもらえた曲です。ただ、ライヴでやった時は相当緊張しましたよ。これからもやるたびに緊張すると思います。
実際に結婚式で歌ってもらえたらいいですね。
UZ
シングルでこういう曲があれば多くの人に知ってもらえるし、式の参列者にもより喜んでもらえると思いますね。
カップリング「BRING IT ON ~Battle of Rap~」は、すでにライヴでもお馴染みとなっているIKEさんのヴォーカルとUZさんのラップの対決が楽曲になった感じで。
UZ
ライヴでIKEとバトルした時、自分自身がすごく楽しかったし、他の演出もいろいろやった中でもお客さんの印象にすごく残ったみたいで。お客さんもすごく楽しんでくれたんだなと感じたので、じゃあそれで曲を作ってみようと。
IKEさんはラップ初挑戦とのことで。
IKE
すごく面白かったです。メロディーとは違った抑揚の付け方を、ラップという題材の中で探ることができました。ラップってパワーを込めやすいし、韻踏みの爽快感もすごくあって。ラッパーの人たちはこういう感覚を楽しんでいるんだなって。ただ、俺らがやっているのはフリースタイルとは別のものなので、韻というものを深くは分かってないけど、踏むことの気持ち良さは実感しました。ミクスチャーというジャンルの中で、ロックサウンドとラップの相性が良いのは分かっていたことだけど、それを身をもって実感しました。
歌詞はMOMIKENさんとUZさんの共作ですが、何をテーマに?
MOMIKEN
都会で暮らしている今の自分と都会に出てくる前の自分が、心でディベート対決しているみたいなイメージです。最終的に双方の良さがあることを理解し合って、お互いを大事にしながら一緒に前へ進もうぜってっていう。
UZ
ヒップホップやラップってディスるような内容の歌詞でも許される文化なので、対立構造を設けたほうが曲として成立しやすいところもあるんです。ただ、メンバー同士でディスり合って終わるのは気持ち悪いんで…
KENTA
ディスり合いだけで終わったら、俺らはその後どうしたらいいか分かんないですからね(笑)。
2012年にラッパーのSEAMOさんとコラボした「ROCK THIS WAY」という曲もありましたよね。
UZ
俺自身がラップをやるようになったのも、あの曲の存在がでかくて。もともとリンキン・パークとかラップの入ったミクスチャーが大好きだったんですけど、SPYAIRではできないとデビュー当時は思い込んでいたんです。でも、SEAMOさんとコラボしたことで感化されて、以降ちょっとずつ俺がラップするパートを設けた曲を増やしていったんです。そういう意味では、ここに至る原点がそこにあったかもしれないですね。
KENTA
それも含めて、今回は記念すべき20枚目のシングル。これがひとつの区切りになってくれたら良いですね。
そして、今年も単独野外ライヴ『JUST LIKE THIS』が決定しましたね。しかも、テーマは“ロックキングダム”。ロックの王国ですね。
KENTA
ステージにお城建てちゃうかも!
IKE
大砲をぶっ放すかも!(笑)
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