「深夜食堂」大石直紀(著)/安倍夜郎(原作)/真辺克彦(脚本)/小嶋健作(脚本)/松岡錠司(脚本)

「深夜食堂」大石直紀(著)/安倍夜郎(原作)/真辺克彦(脚本)/小嶋健作(脚本)/松岡錠司(脚本)

秋の夜長、ひとりでしっぽり家飲みす
るときにおすすめの本

気の置けない仲間とワイワイ飲むのも楽しいですが、ひとり静かに家飲みするのもいいですよね。ほろ酔いで読書というのも大人ならではの楽しみ方です。秋の夜長にしっぽり家飲み、そんなときにおすすめの本をご紹介します。

自宅で酒場の雰囲気に酔いしれる

お酒好きなら読んでおきたい吉田類の一冊「酒場歳時記」。お酒を片手にお酒にまつわる本を読む、これぞ、酒飲みの至福の瞬間です。こんな大人なお酒の嗜みができたらいいなと憧れを抱いてしまいます。

また類さんの独特の言葉選びにも酔いしれます。一緒にお酒を飲んでみたいという気分になるけれど、ちょっと離れた場所から類さんの酒場世界を覗き見るほうが楽しいかもと思ったり。酒場の情景はほんのり浮かび上がってくる酒飲みのための一冊です。

小さなメシ屋の厨房から覗き見る人間模

大人気漫画「深夜食堂」は深夜ドラマで大ヒット。そして満を持して映画化されました。その映画版のノベライズ本です。

小さなメシ屋にやってくる客たちは、ちょっとクセがあるけれど、どこか愛すべきかわいらしさを持った存在の人たちです。お客は互いに友達でも家族でもない存在なのに、人間のぬくもりを感じずにはいられない不思議な関係。うまい飯を通して描かれるそれぞれの物語に心が奪われます。無口なマスターの心の声に注目してみましょう。

酔っ払いが何かに目覚める!

セーヌ川のほとりの飲んだくれに起きた奇跡の物語です。作者は流浪生活に生きたヨーゼフ・ロート。「聖なる酔っぱらいの伝説」というタイトルから、ちょっと宗教モノなのかななんて思ってしまいますが、教訓だとかそういったものではなく、読み物として気楽に読める作品です。

ある日、セーヌ川のほとりで飲んだくれていた飲んだくれのホームレスに紳士が現れます。「いつか教会に返しに来てほしい」と約束をして、ホームレスにお金を渡す紳士。しかし、飲んだくれホームレスはそれを飲み歩いて使ってしまいます。するとまた紳士が現れてお金を貸します。またまた使い切るホームレス。これを繰り返しているうちに、何かに目覚めていくホームレスの様子を淡々と描いています。重苦しさはなく、ホームレスの姿を通して、人間のプライドについて考えるそんな作品です。

飲んで騒いではじけるおじさんの酔いど
れ紀行

「町でいちばんの美女」の著者チャールズ・ブコウスキーによる酔っ払い紀行です。その名も「ブコウスキーの酔いどれ紀行」。お酒を片手に読むなら、やっぱりお酒の話がいいものです。ブコウスキーにしては珍しい紀行エッセイ。フランスから故郷ドイツへの旅を80点もの写真とともに綴っています。

このお方、どこに行っても飲むわ、騒ぐわの迷惑おじさんなのですが、酔っ払いならその気持ち、分かっちゃうんですよね。訪れた先の文化なんてどうでもいい! 自分が気持ちよくお酒が飲めればいいというスタンスは、酒飲みの見本! と言ったところです。困ったおじさんだけど憎めない、そんなところが酒飲みの魅力だと、酒飲みのひとりとして思うわけです。
いかがでしたか? お酒を片手に読むなら、やっぱりお酒にまつわる本ですよね。大人だからこそできる大人の読書スタイルです。お酒を通して描かれる人間模様を理解できてこそ大人というものです。お酒を飲めば人間の本質が見えるなんて言われています。しっかりその目で見て、感じてみませんか。
「深夜食堂」大石直紀(著)/安倍夜郎(原作)/真辺克彦(脚本)/小嶋健作(脚本)/松岡錠司(脚本)

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